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猫池罵詈雑言雑記帳
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 16日、「ホワイトカラー・エグゼンプション制度」(サービス残業合法化制度)を導入する労働基準法改定案について、「今の段階では難しい。(国民の)理解を得られていない」とし、25日召集の通常国会への提出断念する旨をアベセンセが表明した。
 この法案は、いうまでもなく財界から一方的に要求されている企業利益庇護制度である。すでに広く深くはびこっている“サービス残業”を、社会的問題と騒ぎになるのであればいっそのこと合法化してしまえという意味あいもあり、国民の大半を占めるサラリーマン層からの反発が(珍しくも)起こっていた。なにしろ、長時間労働という問題が一向に解決されないなか、ひとりあたり年間100万円を超える残業代が消えてしまうという試算もあるぐらいだから、承服できないのが当然だといえよう。自民党としては是が非でも導入したいに違いないが、単に「参院選を前にサラリーマンを敵に回す」などという日和見的ゴマカシから今回に限って提出を見送ったというものであり、今後に対する予断は許されない。だが、政権に対する不信感につながってゆく可能性はあり、政財界の勢いにある種の歯止めをかけたということもいえそうだ。
 これをさらに強固なブレーキにするためには、つぎの参院選での去就がひとつのヤマになることは間違いない。アベセンセは改憲を大テーマにぶち挙げているけれど(これまた「国民の理解を得られていない」と思うのだが)、その点を含めて国民ひとりひとりのこの先の人生を左右しかねない状況にあるということを、有権者はこぞって“理解”する必要がある。なにしろ負担が増える一方で収入を減らすゾというのだから……。  



 今回の断念にあたっては、メディアのなかからも若干の後押しがみられた。すなわち、「ホワイトカラー・エグゼンプション」などという一見して意味不明のカタカナ言葉を、「残業代ゼロ法案」とわかりやすく“翻訳”していったのである。1月18日づけ「東京新聞」のコラム「筆洗」がこの点についてふれ、「所信表明演説でカタカナ英語を乱発した安倍首相だが、日本語にならない制度改正など、不信を招くに決まっている」と正論を述べている。「メディアのよる“翻訳”が(中略)足並みをとろえたところで、統一地方選や参院選への悪影響を考えたか、はやばやと法案の提出を見送った」とも。
 このブログの初回に記したように、政権や官公庁の類がこのテの和製外国語もどきのカタカナ用語を用いたときは、担当者が母語の語彙によほど乏しいオバカさんなのか、あるいはなんらかの都合の悪いことを誤魔化していると思うほうがいい。今回に限っては騙されることなしになんとか乗り切ったというところであろう。しかし、広告出稿などを武器にメディア規制を画策される可能性はあり(すでにあるのだろう)、とりわけテレビや大新聞などの動向について注視していく必要はありそうだ。

 このように企業側から目の敵にされているような人件費だが、これをこうしたアンフェアな手段で削減していくのを是とするのであれば、それは雇う側の甘えというものであろう。このことは「日々是雑感」にも記したことがあるが、擬装請負をはじめとする無責任雇用が跋扈し、抜本的な解決がなされていないなか、違法を合法化せよというのが日本の責任ある企業の言い分なのである。すでになんら誇りも矜持もないのか? それともなにかに怯えているのか? なんにしても「力のある側」がそうでは、卑怯な施策としか言いようがない。強い側の横暴と、弱きをくじく政権。そんなのを支持する“弱い側”の国民。羞悪な国である。

 私事にて恐縮だが、サラリーマン時代のオレは残業代をもらったことがただのいちどもない。定時に対する残業時間としては月あたりおおむね50時間前後あったように思うが、あれはどのように“合法化”されていたのかなぁと思う(いちどだけ会社を変わり、後のほうでは年俸制をとっていた)。フリーランスになったいまからすれば、仮に時間を稼いだところで仕事の成果としてならなければ一切のカネにならないわけだから、単純に労働時間だけで賃金の支給ができないのだという経営側の考えは理解できないわけではない。しかし、長時間残業や休日出勤が恒常化しているなかで、日本の財界がカネモウケという点だけでは見習っているらしい欧米のような休暇制度がほとんどなく、日々を生活と会社とに追われている多くのサラリーマンの現状をみると、そうした面に手を入れることなく賃金の削減を求めるのかいかがなものかと考えざるをえない(*注)。しかも「いざなぎ越えの好景気」とやらで、おもに大企業の内部留保は空前のレベルに達しているというではないか。それなのに庶民に対する増税が進み、ちゃっかりと大企業を中心とした財界への減税が施されるという愚。きちんとモウケるべきところはそれ以上に囲っておきながら、よくもまぁ賃金を削れだの使い捨てOKなどと言えるものである。
 くり返すが、「強きを助け、弱きをくじく」が現政権の基本姿勢である。なかには「自分は強い側だ」と錯覚している弱き庶民もいるに違いないけれど……。

 ところで、このホワイトなんちゃらがいったん棚上げになった陰で、われわれ庶民の増税がまかり通っている点には気をつける必要がある。
 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2007-01-17/2007011701_01_0.html
 大丈夫ですか? 毎月の給与明細はきちんと検証していますか? これまで実施されてきた定率減税の額は把握していましたか?
 こうしたことはもちろん生活に直接関わってくる問題なのだけれど、残業代切り捨て問題がメディアをにぎわせているなか、実質的な減収政策が着実に行なわれていたわけだ。うがった見方をすれば、いまここでああした愚策が俎上に挙げられたというのは、なにかもっと別のものに対して目隠しをするという狙いもあったのではないかという気もするのである。それほどいまの政権は信用がらならんということだ。


*注:
 「日々是雑感」12月2週で「働くのは余暇を楽しむため」というアメリカ合州国の施策についてふれたところ、ある友人が「その余暇(休暇)さえ満足にない日本ではなんのために働くことになるのだ?」といった疑問ともボヤキともつかない感想をもらした。ここでいう「休暇を楽しむ(め)」ということは、国家にとっては奴隷のガス抜きを施すのとそう大差のない場合もあるのだが、それすらもない日本とはどういうことかというわけである。ようは生かさず殺さず。しかし、企業もまたひとによって運営されていることを考えるまでもなく、財界のやり方がいまのまま進んでいけば、やがて多大なるシッペ返しを受けることになるように思う。ひとが健全に動けなければ、株価だって上がりゃぁしないだろうよ。

*追記:
 19日、共謀罪の新設を25日召集の通常国会での成立を目指す旨をアベセンセが指示したという。これは長勢甚遠法相と外務省の谷内正太郎事務次官と会談での発言で、「日本が組織犯罪に対応する役割を果たす上で大事だ。早期に(国連の国際組織犯罪防止条約を)批准する必要がある。今国会で成立をはかるように努力する」よう求めたものだ。年初の報道では次期国会での成立を見送る方針だと伝えられており、背景としては参院選への悪影響を懸念していたともいわれているが、ここにきて方針の転換がみられたわけである。
 この法案については、「日々是雑感」でもなんどか触れてきたが、治安維持法にきわめて近い性格を持つものであり、しかも成立の根拠とされている国連の国際組織犯罪防止条約への批准についても矛盾が指摘されている文字どおりの悪法である。あのアベのおぼっちゃんがどこまで内容を理解できているのかいささかアヤシイ気もするが、国会の動きに注視する必要が高まったということだけはいえる。

*サイト紹介:共謀罪反対 THE INCIDENTS
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