1972年、ミュンヘン五輪。
男子射撃で金メダルを獲得した北朝鮮のイホジュン(北朝鮮ではリホジュン)が、受賞後のインタビューにこう答えた。
>수령 동지의 교시에 따라 원수의 심장을 겨누는 마음으로 경기에 임했다.
「金日成首領同志の教えのとおり、敵を心臓を狙い撃つ気持ちで試合に臨みました」
●LINK:北 올림픽 메달리스트 소감에 반드시 등장하는 '그 남자들'(朝鮮日報)
当然のこととして、この発言は物議をかもし、北朝鮮側として謝罪をするに至った。言うまでもなく、いかに選手が日ごろの殺人訓練の成果を発揮するのだとしても、「平和の祭典」を舞台に「スポーツ」として争われたのである。この発言が批判を浴びたのは当然の帰結だったといえる。
だが、いまになって思う。
じつは、この北朝鮮選手の発言は、出発点こそ五輪本体と異なるかもしれないだけで、五輪に相応しいのではあるまいか?
1972年に開催された札幌五輪。子どものころのできごとだが、日本中(?)が浮かれていたような記憶がある。子ども心にも浮き立つものがあったものだ。
しかし、その開会式でなにが起こったか?
自衛隊が105ミリ榴砲弾を「祝砲」と称して3発も発射、これは実施前から多方面で是非をめぐる議論が交わされたひとつの事件であった。
「五輪という平和の祭典」において、たとえ空砲であろうと世界第8位とも言われていた(当時)日本の自衛隊が大砲を撃つのが、はたして国際的に相応しいのかという反対意見は、おそらく現在でも通用するハズだと思っていた。
翻って2021年7月。あの忌まわしき東京五輪開催式当日、これまた自衛隊の戦闘機(ブルーインパルス)が航空ショウを都心上空で繰り広げた。
なんでも、「政治的な」行動や表明を禁じているのが五輪のセンスだそうだが、「平和の祭典」とやらで自衛隊という強大軍事組織が戦闘機ショウを披露するというのは、これはもう疑いようもなく「政治的」行動ではないか。IOCやJOCから反対意見が出たという話も伝わってこないが、これがつまりは現代五輪の正体なのだと考えざるをえない。
そこでだ。
五輪競技に推薦しますよ。
・TOPGUN:戦闘機等を用いた極限パフォーマンス競技(会場としては都心上空が相応しいだろう)
・遠隔空爆競争:ミサイルや無人機等を用いた空爆競技(総市民参加型競技)
・暗殺白兵戦:高度なプロフェッショナル部隊が競う敵陣主将暗殺競技(市街戦)
・サバイバル行軍:最低限の装備をもって極限環境(密林や沙漠など)を行軍
・などなど・・・
真面目な話。今般の賛否議論をひっかけのひとつに、五輪そのもののあり方や今後について、広範な議論をしてゆく必要があるのではないだろうか。
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