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猫池罵詈雑言雑記帳
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 なんとなしにテレビをつけたら、NHKで魚釣り番組をやっていた。
 エモノはアジ。小田原沖での船釣りである。

 魚釣りは、近ごろはさっぱりやらなくなってしまったが、アジは食べておいしいし、釣り魚としても味のある魚だと思う。で、番組半ばからそのまま見ていたのだが、末尾の釣り場案内にいたって「おや?」と思った。

 問題の箇所は、旅行案内書などでいう「データ欄」にあたる。つまり、東京駅を起点に小田原までのアクセスを紹介していたワケだが、どうしたことか東海道新幹線だけしか紹介されなかったのである。「東京駅からは新幹線で40分」。JR在来線もなければ小田急も省略されており、いわんやマイカーの「マ」の字すらなかった。

 これが気になったのは、東海道新幹線、すなわち東海旅客鉄道株式会社の社長だか会長だかがあのアベシンゾーの“ブレーン”として知られている御仁であることと、いうまでもなくいまのNHKが事実上アベ政権の御用メディアと化しているからだ。まさか金銭の類が暗躍したとはこれっぽっちも思ってはいないが、いわゆる“同志”としての“手心”が加えられたがゆえではないかと想像するのである(案外、JR東日本から抗議されてたりして・笑)。

 そもそも、案内されていた東京駅起点の場合、新幹線の始発は6時。小田原停車の列車は6時26分までない(新横浜発6時というのはあるが、くどいようだけれど「東京駅発」が番組での紹介である)。するとべらぼうに高い特急券を払った挙句、小田原着は7時04分。しかし、こうした釣りではたいていの場合、夜明けをメドに出港するハズ。そんなお寝坊さんの船釣りって……まっ、ありえないとまではいわないけどさ(笑)。
 在来線でも東京発では6時37分になってしまうが、品川に目を向ければ小田原駅5時51分着が一番列車であり、いくらか現実的。沿線各駅からのアクセスは新幹線よりも格段に便利だ。
 しかし、いずれにしてもこういう内容(遊漁船での魚釣り)のアクセス案内としては、新幹線はほとんど適しているとはいえないだろう(前夜に会社などを退けてから現地入りするということはあるかもしれないが)。

 さすがに、こんな重箱の隅をつつくような質問をNHKにしようとまでは思わなかったが、たとえしたとしてものれんに腕押しなのは目にみえている(電話代のムダ!)。だが、ほかにも全国で499人ぐらいは同様の疑問を抱いた人がいたかもしれない。なぜあえて東海道新幹線だけがアナウンスされたのか・・・?
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 ひさびさに『金正日 隠された戦争 金日成の死と大量餓死の謎を解く』(萩原遼・文藝春秋)を再読。
 本書は、1990年代に北朝鮮で発生した大量餓死事件を中心に、それに踵を接して起きた金成日の死去や現在なおつづく北朝鮮の核問題などを綿密な取材をベースに考察したものである。著者の萩原氏は「赤旗(現・しんぶん赤旗)」記者時代に平壌での駐在経験を持ち、一貫してあの国をめぐる事実、そしてわが国との関係などをえぐりだしてきた。本書の中心となった大量餓死事件は、氏の前著『ソウルと平壌』(同)などと合わせて読むと著者がつづけている取材の道のりをより深く理解することができるのではないかと思うが、本書の内容はよりショッキングかつ示唆に富んでいる。
 あの300万人規模ともいわれる大量餓死事件が、金正日によって巧みに仕組まれた虐殺であるという指摘は、十二分な説得力を伴って読者に迫ってくるだろう。すなわち、配給でしか食糧の調達が事実上できない北朝鮮市民。わずかな自家栽培ていどは認められているようだが、それを含めた自主流通がまったくの違法となり、ややもすればそれを根拠に監獄(いわゆる強制収容所を含む)送りにされかねない社会にあって、配給が断たれるということは、まさに死に直結する。つまり、そのシステムを逆手にとって気に食わない層と規定された住民を武力によらずに弾圧・虐殺したというのが、件の大量餓死の真相ではないかと著者は指摘しているわけだ。まさに戦慄のルポルタージュである。


 本書のなかにつぎのくだりがある(とある脱北者と著者との対談部分)。


──金正日が「600万人残れば国は再建できるといったと97年ごろ日本の新聞で報じられましたが、そんなことを言ったのですか。
「わたしは金正日のこんな話を聞いたことがあります。『ペクソン(一般市民─萩原)はいくらでも出てくる。そんな者は放っておいてよい』。一般市民の食糧を与えても意味がない、重要な者にやればよいのだというのが金正日の考えです。かれの考える重要な者とは150万の軍隊(中略)、これらを合わせたら大体5、600万人ですね」(本書240ページ。原典は漢数字)

 本題はここからである。
 このくだりを読んで思った。なんと現・自公政権に似ていることかと。アベとイケダのホンネというのは、形や背景は異なれど、まさにこういうシロモノなのではないのか?
 背景が異なるというのは、金正日がもっぱら自らの身の安全を核に据えていたのに対し、自公政権──少なくとも自民側は──は特定の個人の安定を前提にしていないだろうということである。もっとも、特定の宗教法人や企業(および企業集団)のおよび階層の安定をもっぱら慮っているであろうことは否定しづらいかもしれないが。
 先の選挙を勝手に“白紙委任”と規定し、彼らがなにをやっているか? NHKを筆頭に一般の御用マスメディアの類がほとんどまともに報じないので、萩原氏がかつて在籍(*注)していた「しんぶん赤旗」のウェブサイトからここ1週間の見出しを引用させてもらおう。
・15年度予算案で最終調整 軍事費4.98兆円 過去最大/生活犠牲 財源を還流(1月8日)
・子どもの貧困対策/政府の姿勢が逆立ちしている(同)
・安倍政権 翁長知事と面会拒否/これが政府のやることか/沖縄振興費 一方的に減額(9日)
・飛べるがたたかえない…? 米戦闘機F35/日本も6機分予算案計上 重大欠陥 価格高騰も(同)
・医療 介護 生活保護/選挙終われば安倍暴走 大改悪/「充実図る」(公約)どころか(10日)
・辺野古に資材搬入強行 夜陰に乗じる卑劣な手法再び/民意無視 安倍政権に怒り(12日)
・切り捨て 負担増続々 財務相と厚労相折衝/介護報酬 2.27%下げ決定/実質2回連続 制度危機に拍車(同)
・戦後70年談話/「核心」を引き継がない首相/アジア諸国との関係壊れる
・etc.

 民意の無視どころか、あからさまにバカにした態度。国家財政の危機を謳いながらの軍事費の突出(北朝鮮に近づいてきたか?)。それとは裏腹に──社会保障充実のために消費税増税などとぬかしながら──さっそくの社会福祉の切捨て。まさに「政権と財界にとって(?)不要な層はさっさとくたばれ」とでもいわんがごとしではないか。
 なかには、生活保護の不正受給問題などを指摘するムキもあろうし、それを無視しろとまではいわないが、介護を含めたそうしたセーフティーネットが、じつは現役世代にも大いに役立っているのだということを知るべきである。年老いたオヤ(あるいは病を得た家族)を介護などによって守るという仕組みが、現代社会において現役世代にとってのそうした“負担”を軽減しているからだ。


 生活保護という点では、知人との間でこんなやりとりがあった。
「生活保護をもらいながらペットを飼ってるひとがいるんですってね」
 思わず、
「ヨミウリはそんなことまで敵視しているんですかっ?」
 と答えたら「い、いえ、」と否定していたけれども、訊くまでもなく大方のニュースソースの想像はつく(その知人は善良なヨミウリ読者である)。
 たとえば、生活保護を得ているひとがネコの1匹と暮らしている。ギリギリまで生活費を切り詰めながら唯一の“家族”である。そんなことまでがダメというのかどうかどうは読者の判断に任せる。だが、いくつか直に話を聞いた範疇では、生活保護は、ごく一部の金持ちを除けばいつだれにでも必要になる可能性のある守りだと考えるようになった。


 増大する雇用不安。出口のみえない不景気(株価がどうのと喧伝されているが、金利はどうなっていますかな?)。十二分な資産や必ず助けてくれる家族や親族がいればいい。しかし、そうでない状況で、たとえばきちんと働いている現役世代が突然の病に倒れることは珍しいことではないだろう。それを原因に職を失い、収入が断たれる。回復して再び職を得ようとしても困難であり、乏しいたくわえはたちまちのうちの底をつく。これはリスペクトする弁護士・白川勝彦氏が著書『金儲け弁護士の自己破産ビジネス』(幻冬社メディアコンサルティング)に記したことではあるが、そうしたときに行政によるサポート(生活保護など)を受け職をみつけるための一時的なベースとする(まさか、それまで──病気で倒れる前から──飼っていたペットを棄てろなどとは言うまいな?)。これは、オレを含めて多くのひとに関わりうる可能性のあるシナリオであるハズだ(断っておくが、明らかな不正受給は弾劾されるべきである。しかし、YだのSだのが、ことさらにそうしたコモノに刃を向けたがるその根拠はなんだ?)。

 ちょっと話が飛んでしまったが、昨今の御用メディアやそれほど露骨でないマスメディアらのザマと合わせてみれば、わが祖国と北朝鮮との間に濃密な親和性があることを自覚しないワケにはいかないだろう。北朝鮮(金王朝)が崩壊するとみているひとはけっして少なくはないようではあるが……。
*注:ただし、萩原氏はその後に日本共産党から一方的な除籍処分を受けた。氏は長年の共産党員として著書などを通じて同党に対する建設的意見を述べてきたが、それらを誹謗・中傷と曲解したのだろうか。こういう除籍処分を断行するなどという体質が払拭されれば、同党は貴重な民主政党として支持を増やすだろうに……愚かなことである。もっともほかの政党でもシッポ切り的なモノを含めたこのテの所業はみられるが。


*おまけ:そういえば、猪木新党や小沢・山本新党の駆け込み増員を政党助成金目的(国会議員5名以上などが受給要件。どうせならこういうのを問題視しろよ、YだのSだのマスメディアの諸君よ・笑)とすっぱ抜いているのは「しんぶん赤旗」のイイところのひとつかも。本稿とは無関係な小間物だが。
*補足:じつは、紹介書にいまひとつわが国と北朝鮮との面白い類似性を認めた部分があったのだが、あえて触れないでおく(前掲書~金正日~・230ページ)。


*おしらせ:使っているブログの投稿システムが著しく使いづらいため、当ブログを移転する可能性があります(期日未定)。
 これが彼らのスタンダードなのかどうかはわからない。リンク記事を起こしたA氏は、ウッカリなのか故意なのかあっさりとスルーしているが、この発言にある種の危険性を嗅ぎ取る必要はあるかもしれない。

*LINK:【箱根駅伝】あの人物の創価大デマツイートに学会員が激怒(2015.01.03 15:00 DMMニュース)

  40代の創価大OG女性は、「めっちゃムカつく」と怒りを露にした上で次のように語った。
「デマばっかり流しとったら頭七つに割れて地獄に落ちるで。本物の創価学会婦人部を怒らせたら怖いで!」(リンク記事)

 個人的には、共謀罪導入にはまったく反対の立場であるし、破防法についても権力側の装置としての危険性をはらむ以上、手放しで賛成することは避けたい考えだ。しかし、この案件は、政府・自民党が導入を目論み続けている共謀罪が成立・施行された暁には、その検挙対象とされてもおかしくはない。むろん、こんなたわごとを検挙や処罰対象にするなど噴飯モノではあるが、バックに創価学会という巨大組織(それも部外者にとっては正体不明な)があり、自らの組織を「怒らせたら~頭七つに割れ」などと明言している以上、“反社会組織”として監視するにあたいするだろうとも考えざるをえない(ここでいう「監視」とは、権力側によるものも含まれるかもしれないが、むしろ一般市民やメディアの側からのそれを重視している)。
 なんとも不気味かつ恐ろしい組織だ。オレはそう思う。
 さて、そんな不気味な集団が、わが祖国の政権の一翼をなしている。
 この件について、弁護士の白川勝彦氏がかねてから警告を発しているが、氏のウェブサイトに掲載されているつぎのインタビュー記事は必読である。

*LINK:自公連立は日本をファシズムに導く
Special Interview ●白川勝彦 元自治大臣・国家公安委員長(宗教問題 2012年12月 9号)

トップページ:http://www.liberal-shirakawa.net/index.html)

 詳しくはリンク記事をお読みいただきたい。白川氏は、公明党を「宗教教団・創価学会の政治部」を断言したうえで、とある先人の論評を紹介している。

 政治評論家の藤原弘達氏が「創価学会を斬る」(日新報道出版部)とうい学会批判本を出しました。(中略)しかし今読み返すと、非常に鋭いことが書かれてあるんですよ。(中略)
「公明党が社会党と連立政権を組むとか、野党連合の中に入るというようなことは、まずありえないと私は考える。その意味において、自民党と連立政権を組んだとき、ちょうどナチス・ヒトラーが出た時の形と非常によく似て、自民党という政党の中にある右翼ファシズム的要素、公明党の中における宗教的ファナティックな要素、この両者の間に奇妙な癒着関係ができ、保守独裁体制を安定化する機能を果たしながら、同時にこれを強力にファッショ的傾向にもっていく起爆剤的役割として働く可能性も非常に多くもっている、そうなったときには日本の議会政治、民主政治もまさにアウトになる。そうなってからでは遅い、ということを私は現在の段階において敢えていう。それがこれだけ厳しく創価学会・公明党を斬らざるをえない問題意識なのである」(リンク記事)

 然り。大いに納得させられた。わが国が建国以来(戦後の再出発からでもいいし、皇紀2600ン年でも結構)、未曾有の危機にあるという視点においても……。

 極めて危険な状況にあると考える。
 一部では、「自民大勝といっているがそうではない」といった論調がみられるが、はたしてそうなのだろうか。

 比例区の数字をみてみると、自民党はずべての選挙区で前回より得票率を伸ばしているのであれる。小選挙区ともども敗北した沖縄を含めて。一方で維新の党が比例全選挙区で得票率を減らしており、単にそのぶんが自民に流れただけという見方もあるようだが、もう少し仔細に数字をみてみれば、それだけでは説明しきれないだけの票が自民に集まったことがわかるハズだ。
 くわえて自民と同列あるいはそれをしのぐ反動政党である公明党が立候補した小選挙区をすべて制し、かつ比例区の大半で得票率を伸ばしている。白川勝彦氏が繰り返しているとおり、ようは「自公合体」である。言い換えると、(いかに恥ずべき低投票率という背景があったのせよ)彼らが名目ともに勝利を収めたことをムリに否定することは、禁物だということを自覚しなくてはならない。

 個人的に心配しているのは、つぎの比例区である(単位=%)。

選挙区 今回率 前回率

・福島 31.15 25.9
・東京 32.06 24.8
・南関東 33.96 26.4
・静岡 35.12 28.6
・近畿 28.91 23.8

 原発問題の最前線・福島県における原発推進前提政党の得票率増。大都市・東京都や近畿での得票率増。たしかに、そこでは維新の目減りはあった。が、それ以上に自民単独で票を得、さらに相方の公明が伸ばしているのである。こういうのを非常事態とは呼ばないだろうか……。

 一方、共産党の“躍進”はたしかにあったようだ。さきの沖縄知事選に続いて。あるいは東京都議選に続いて。前回は大阪と高知を除いて比例全選挙区でひとケタ台だった得票率のおよそ半数が2ケタ台を示している。率・数ともすべての選挙区で伸ばしているが、組織力はともかく、マスメディアの恩恵をまったく受けないなかでここまでの結果を出せた意味は大きいかもしれない(細かいところでは、保守風土カチカチの鹿児島など九州やアベのお膝元・山口=4.7→8.19などで大幅アップしているのが興味深い)。願わくば、その力となったのが有権者の「怒り」であってほしい。日本人にもっとも切実に欠けているのがそれだと思うがゆえ(外国にばっか揶揄や文句をタレている場合じゃねぇぞ!)。

 しかしまぁよかったじゃないか。

 これでめでたく消費税は10%に上げられるし、大企業の内部留保も増える。消費税についていえば、10%に留まる必然性はなく、遅くとも次期政権時にはその倍程度にまで引き上げられても文句はいえまい。
 TPP締結によって農産物などの大幅値下げもあるだろうから、消費税増税ぶんぐらいなどそれで相殺できるぞ。よかったですねぇ。もっとも、円安による輸入経費の増加ぶんがどなるかは知る由もないが。

 武器輸出、あるいは自国による兵器消費拡大が進めば、軍需産業はわが世の春。当然、宗主国からの輸入も増え、“貿易摩擦”問題も軽減される。もちろん実戦だってOK。やりたければ好きなだけ戦争ができるように、これからはなってゆくのだ。それがアメリカ合州国型の戦争、すなわち自国の一切を戦場にせず、ひたすらに外国およびその領土・領海を戦場にしてゆくのであればともかく、反撃を食らって祖国に爆弾の雨が降るようになれば、増えすぎた人口にも歯止めがかかるであろう。よかったじゃないか。もっとも、アメリカ合州国型であれば、死ぬのは若者が中心になるのは必定で、生き残るは高齢者ばかりということにもなりかねないが。
 しかしそれには大きな覚悟が必要だぞ。ヘタをすれば、宗主国を除くすべての国々を敵に回す可能性すらあるからだ。隣国の韓国にとってもアメリカ合州国への従属度は高いが、それでもニッポンに対する警戒を高めるであろう。中国も然り。ロシアも然り……。もちろん、イスラム諸国からもにらまれる可能性は高い。

 ぁあ、原発。せっかくだから、日本中を原発要塞にしてみたらどうだ? まさに原発立国として世界にアピールするのだ。なにを恥ずかしがることがある。これがニッポンだと胸を張ればいいんですよ。

 しかし、祖国はますます荒廃するだろう。経済的には、不労所得を得られる者のみが冨を享受し、それどころかマトモに働いたところで正当な報酬すら受けられなくなる社会になってゆくだろう。いつのころからだったか、小学生向けに「投資教室」なんぞを開いているとも伝えられるが、これなどは「働かないでカネを得るべし」と子どもたちに吹き込んでいるようなもので、そんなのを間に受けた子どもたちが、長じてどうなるかは知れたものではない。「働くヤツはバカだ」とでも真顔で言い出しかねないのではないか?

 それとともに、不労所得に対する税負担はますます喪失され、言い換えると真面目に働く人や企業ばかりが税を負担するという仕組みになってゆくのである。当然、税収入の減少にもつながり、ここでまた消費税増税に頼ることになる。
 もちろん税の一種としての健康保険税収入もますます厳しさを増すだろう。あるいは、年金負担をできない層がさらに拡大する。そうなれば、国家としての社会保障は破綻せざるをえない。

 ああそうだ。御用マスコミのみなさんもよかったじゃいですか。これでコムズカシイこともせず、政府・与党、あるいは財界の意に沿ったネタを従順にタレ流せばメシが食っていけるのだ。北朝鮮の「労働新聞」なみに生活が保障されるわけだが、“粛清”のリスクもそれなみか(笑)?

 いまや、祖国は死の寸前にある。
 一方であべのなんとかなる妙ちきりんな名称を戴いた「危険ドラッグ」によるトリップに酔い、一方でヤケクソを起こしているようにもみえる。そのヤケクソのひとつが、異常とも思える選挙の低投票率にも顕われているように思うが、それはまた、アベ政権がこれから目論むヒステリー政治として噴出してゆくのだ。
 言い換えよう。
 ニッポンジは、祖国の死を早めたのだ。本質的治療の機会を棄てて……。

 以上が、今回の総選挙を受けての最初の感想である。
 しかし、一方では沖縄が大きな結果を出した。その根底にあるのは「怒り」であろう。その「怒り」の意味を、これからどれだけのニッポンジンが理解し、自らに結びつけていけるか。今度に託せる希望があるとするならば、それだけのような気もする。

 一部では、自民党が実質的に議席を減らしたことなどを挙げ、自民の勝利を否定ないし揶揄するムキもあるが、とんでもない。こと選挙結果だけからみれば、連中の大勝利である。なぜか? それは、野党の大半がもはや自民と同列ないしそれをしのぐ右翼に寡占されつつあるからだ(唯一、ウルトラ右翼の次世代(あの世@藤原新也)の党が豪快に議席を減らしたのは痛快だったが)。

 つぎの表は、オレ個人の勝手な視線で現在のニッポンのおもな政党の位置づけをしてみたものである(クリックで拡大)。



 なにがいいたいか?
 維新だの次世代(あの世)などは自民と同類ないし、それ以上の反動勢力であり、もはや「保守」といいえるのが皮肉にも共産じゃないのかということだ。もちろん、旧来からの左翼的な面は持つにせよ、その主張を読むかぎり、本当の意味(ニッポン流れに「保守=右翼」ということでなしに)での「保守」勢力に思えてならない。言い換えると、それだけもともと「保守」と呼ばれていた勢力が反動化したということだ。
 その保守・共産に「安倍批判票」とも解釈できそうな票が集まったのは興味深い。同じだけの議席を民主だのにくれてやるよりは、よほど野党にあるべき抵抗勢力となるであろう。この点だけは明るい材料といえるかもしれない。

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