極めて危険な状況にあると考える。
一部では、「自民大勝といっているがそうではない」といった論調がみられるが、はたしてそうなのだろうか。
比例区の数字をみてみると、自民党はずべての選挙区で前回より得票率を伸ばしているのであれる。小選挙区ともども敗北した沖縄を含めて。一方で維新の党が比例全選挙区で得票率を減らしており、単にそのぶんが自民に流れただけという見方もあるようだが、もう少し仔細に数字をみてみれば、それだけでは説明しきれないだけの票が自民に集まったことがわかるハズだ。
くわえて自民と同列あるいはそれをしのぐ反動政党である公明党が立候補した小選挙区をすべて制し、かつ比例区の大半で得票率を伸ばしている。白川勝彦氏が繰り返しているとおり、ようは「自公合体」である。言い換えると、(いかに恥ずべき低投票率という背景があったのせよ)彼らが名目ともに勝利を収めたことをムリに否定することは、禁物だということを自覚しなくてはならない。
個人的に心配しているのは、つぎの比例区である(単位=%)。
選挙区 今回率 前回率
・福島 31.15 25.9
・東京 32.06 24.8
・南関東 33.96 26.4
・静岡 35.12 28.6
・近畿 28.91 23.8
原発問題の最前線・福島県における原発推進前提政党の得票率増。大都市・東京都や近畿での得票率増。たしかに、そこでは維新の目減りはあった。が、それ以上に自民単独で票を得、さらに相方の公明が伸ばしているのである。こういうのを非常事態とは呼ばないだろうか……。
一方、共産党の“躍進”はたしかにあったようだ。さきの沖縄知事選に続いて。あるいは東京都議選に続いて。前回は大阪と高知を除いて比例全選挙区でひとケタ台だった得票率のおよそ半数が2ケタ台を示している。率・数ともすべての選挙区で伸ばしているが、組織力はともかく、マスメディアの恩恵をまったく受けないなかでここまでの結果を出せた意味は大きいかもしれない(細かいところでは、保守風土カチカチの鹿児島など九州やアベのお膝元・山口=4.7→8.19などで大幅アップしているのが興味深い)。願わくば、その力となったのが有権者の「怒り」であってほしい。日本人にもっとも切実に欠けているのがそれだと思うがゆえ(外国にばっか揶揄や文句をタレている場合じゃねぇぞ!)。
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