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猫池罵詈雑言雑記帳
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 弁護士の白川勝彦氏(リスペクト!)のつぎのコラムを読むと、このニッポンという国が、いかにみっともない状態に、それも自らを陥れているかがよく窺えてくる。

永田町徒然草 北朝鮮・中国を嗤うことができない日本の政治状況


「窺えてくる」なぞとある種他人事のような書き方をしたのは、オレ自信はとうに報道という面でTVというメディアを(すべてとはいわないまでも)見限っているからであり、氏が取り上げているようなTV報道をほとんど目にしていないからだ。だが、インターネットポータルサイト上にリンクされる記事のうち、TV局や新聞社など大手メディアの配信を目通しするだけでも、そんな状況はあるていど理解できる(ポータルサイトといえば、いつの間にか、ヤフーヘッドラインの配信元にTV局の割合が格段に増えたようにみえることと、そこになんらかの意図があるのではないかと感じるのは気のせいだろうか?)。
> 国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を決めた英国で、離脱派が語っていた「バラ色の未来」が急速に色あせている。旗振り役の主な政治家が、投票に向けた運動で語ったことの誤りを認めたからだ。
(中略)
こうした動きに、親EUで若者の支持率が高い自民党のティム・ファロン党首は、「離脱派キャンペーンはうそによって人々の怒りをあおった」と批判した。(リンク記事)
 わが国・日本にとって、まさに他山の石とすべきザマなのではないかと思うがどうだろうか?
 関連記事ではあるが、ケッサクすぎて腹の皮がよじれるほど爆笑させたれた(というのはウソで、じつは「はぁ?」っとあっけに取られたというのが真相)のが以下の配信だ。

英離脱派主張「うそばかり」批判…拠出金額など 読売新聞 / 2016年7月1日

 内容はほぼ見出しどおりである。
>離脱派の中心人物である英国独立党(UKIP)のファラージ党首は24日、地元テレビのインタビューで「離脱派の間違いの一つだった」と、主張の誤りを認めた。(リンク記事)
 ちなみに、この記事に遭遇したのはインフォシーク上のヘッドラインで、その見出しは「ウソばかりだったEU離脱派」。そこで、「あぁ、わが国のTVだの新聞だの(ともにすべてとはいわない)も同じザマなりだろうなァ」と思ってクリックしたところ、こともあろうか配信元があのヨミウリだったという次第。ゆえに「はぁ?」となった(笑)。
 もっともこの記事。実際の見出しに「など」となっている割には「など」となっていないし、大英紙「ガーディアン」によればとしつつもさりげに「負担額は約1億6000万ポンド。これを全額、医療制度に充てることも現実的とはみられていない」としているあたりがいじらしい。
 まぁヨミウリサンよ、のちのちに同じ見出しをつけられないようにせいぜい精進なされなさいな。

*念のため、「ヨミウリ」が「ウソ」を言っているということではなく、事実なりを恣意的に誂えて報じるなり主張なりをしているとみられることの「たとえ」として取り上げた。同じ意味で、はたして「EU離脱派の言論が“うそばかり”だったかどうかという点にも疑問がある。


 ところで、自民党優勢が伝えられているが、自民党がじつは(共産党や公明党などと同じように)組織票に少なからず支えられていることを忘れてはならないだろう。もっとも巨大な組織は警察(推測では自衛隊も)で、以前なにかのおりに兄が警察官だという男の証言を紹介したことがある。つまり、組織として自民党支持が絶対だというのである。根拠はある。警察という組織の性格上、政権を保守するのは当然のタテマエだからというワケだ(民主党政権下の選挙でどうだったかはいざしらず)。
 さらに、ある種の会合や団体、宗教法人にも伝統的な自民支持の組織は山ほどある。
 
 そんななか、「生長の家」が自民不支持を表明したというのはポータルサイトのヘッドラインでもチェックしたが、今日になってつぎのような記事を目にすることとなった。

立正佼成会も与党支持せず 暴走政治阻止 「生長の家」に続き しんぶん赤旗 2016年7月1日


 >宗教法人・立正佼成会(庭野日鑛(にわのにちこう)会長、公称会員世帯数120万)が参院選に向けた声明「私たちの切実」を発表、宗教法人「生長の家」が発表した「与党とその候補者を支持しない」という参院選方針への賛意を表明していたことが、30日までにわかりました。安倍暴走政治阻止の動きが宗教界にも広がっています。両宗教団体は、かつては自民党の強固な支持団体でした。
 立正佼成会が6月21日発表した「私たちの切実」は、昨年の安保法制の強行で「憲法を守るべき時の政権が恣意(しい)的に解釈を変更できる、という既成事実が生まれました」としたうえで、「いま一度、『信頼』できる政治を取り戻すために、私たちは主権者として、仏教徒として、この選挙に真摯(しんし)に臨んで参ります」とのべています。(リンク記事)
 現在の自民党が、もはや保守でもなんでもないこと。また、共産党どころでない「イデオロギー政党」になったということ。あくまでもオレの推測だが、かれらはそんな実態にあやうさを覚えたのではるまいか?
 なお、同紙には、自衛隊員(退役および現役)や自民党員(同意)などの「反現政権」の声が掲載されていることがある。そこには発行元である日本共産党自身のプロパガンダという意味合いがあるのだろうけれど、とりわけ「あくまでわが国の平和を守り、災害復旧などに尽力したいのであり、他国の戦争の下請けをしたくて自衛隊員になったのではない」(抄録)という元隊員の証言などには、大いに共感を覚える。


 こんなことはよほどのバカじゃなければ簡単に理解できることだが、祖国防衛と安保法なんてのはまったくの無関係。見方と場合によっては、無関係どころか害悪でさえある。ただし、安保法のタッグ相手であるアメリカ合州国からわが国を防衛するということであれば、ある程度の効果はあるかもしれない。もっともそんなものはヤクザのみかじめ料と一緒なわけだが。みじめさにおいてもバカバカしさにおいても不法ぶりにおいても。
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 韓国で起きた加湿器用殺菌剤による「毒霧事件」を話のタネに、「コンプライアンス(法令順守)という言葉が、この国にはないのだろうか」と他国を揶揄していたのは「夕刊フジ(www.zakzak.co.jp/society/foreign/.../frn1605091140002-n1.htm)」だが、他人のことをとやかく言うまえに、てめぇのことを心配しろというのがわが祖国・ニッポンの昨今というものであろう(断っておくけど、なにも韓国のほうがエライなどとはこれっぽちも思ってないので念のため)。

 ぁあ、三菱自動車
 ぁあ、東亜建設工業(飛行場滑走路データ改竄事件)。
 ぁあ、東京五輪。エンブレム騒動やら聖火台お忘れ事件やら裏金疑惑やら……。平昌五輪も大変なザマに陥っているというウワサもあるけれど、もっと自分を大切にしないとなぁ(笑)。
 ぁあ、東京俗物知事……。この俗物についていえば、そんな人物であろうことはハナっからわかっていたり、あるいは想像のひとつでもついていてもおかしくはなく、ようは俗物を承知で知事にした東京都民が悪いともいえる。尻拭いは全部庶民(血税)。ゆえに選挙ってとっても大切なモノだと思うんだがなァ……。しかしいまの調子だと第2第3の俗物がお出ましになるのがせいぜいだろうなァ……。

 つい最近のちょっとした騒ぎだけを拾ってみても、これだけの重要なできごとが起きている。こういうのこそが、「コンプライアンスという言葉が、この国にはないのだろうか」にふさわしいのではないかとオレは思うのだがどうだろう?


 このところ当ブログのアップをサボっていたのは、もうあれこれ罵詈雑言するにはあまりに情けなさすぎて、そんなことに残り少ない時間を費やすよりは、先々の移住の可能性について検討してみるほうがよほど建設的だし心身の安寧にもよろしい思っているからだ。少なくとも自分個人にとってはだが。

 ところで、こんな配信記事が目に留まった。
※https://thepage.jp/detail/20160510-00000003-wordleaf
(日本の最低賃金は今いくら? 時給1000円実現しても、欧米諸国に比べ低水準
THE PAGE 2016年5月13日)

<日本の最低賃金については国際的に見て低いとの指摘がありますが、あながち間違いではありません。(中略)しかし日本の企業に高い最低賃金を支払う余力があるのかはまた別の話です。十数年ほど前までは、諸外国と日本の賃金水準に大きな差はありませんでした。しかし、諸外国はその後、順調に経済成長を続け、国内総生産(GDP)を1.5倍から2倍に拡大させています。一方、日本経済は横ばいという状況が続いており、物価はほとんど上昇していません。(中略)今の日本経済に時給1500円レベルの最低賃金を支払う余力はないと考えた方がよいでしょう。>(同記事)


 裏づけの一例として、IMFがこの4月に発表した「2016年の経済成長展望値」を挙げてみよう。
・全世界3.2%
・アメリカ合州国2.4%
・中華人民共和国6.5%
・大韓民国2.7%
・日本0.5%


 日本は、自他ともに認める先進国ではあるが、じつは転落あるいは衰退期に突入していたのではあるまいか? それもずっと以前に。これはけっして祖国を揶揄しているのではなく、己を正視すべしという未来志向の話である。たとえ失敗や後退があっても、そこから根強く立ち直るのが真のエリートだと(オレ自身が)考えているからだ。


 わが国産業の得意分野である自動車や家電。あるいは明治政府の富国強兵下で“実績”を挙げた軍事。それらは「先手」をとっているうちはたしかに強かった(ほかに映画やTVなどのエンタテイメントを挙げることもできるかもしれない)。しかし、気がついてみれば周囲に追いつかれ追い越され、屋台骨はボロボロになる寸前だったのだ。三菱自動車だのといった一連のザマは、そうしたなかで漏れ出してきた必然だったのではないのだろうか(あの俗物だって、先進国首都の首長なんだぜ・笑。恥ずかしいよねぇ、マトモな神経と常識の持ち主であれば)。
 心底情けないけれど、大げさにではなく、いまはまさに“岐路”に立っているわが祖国なのかもしれない。


●追記
 ニッポン政府が沖縄懐柔策の目玉(?)に仕立て上げようとしていたユニバーサルスタジオの沖縄出店は、とうのユニバーサルスタジオ側から断られたそうな。案外、こういうのは潮目の変わり目を予告しているかもしれず、そういう視点では面白いことになってきたという希望が持てる可能性もある。

 最初に断っておくが、いかなる形であれ権力の介入による言論封殺はあってはならないと考えており、そういう意味でのいわゆる「発禁」などとんでもないというのが個人的な立場である。
 したがって、ここに記すことがらはその原則とは相反することになるが(本当はならない。だって、オレは権力じゃないから)、原則とてモノには限度というものがある。ましてや、“商売敵”のミステイクをあげつらって「廃刊」だのと調子に乗って騒ぎ立てているような連中に対しては、ある種のユーモアとして表題のような発言だって許されるだろう。

 個人的にニッポン版「労働新聞」(相方として大部数の「人民日報」もある)と呼んでひさしい「産経新聞」が、調子に乗りすぎたのかどうかはともかく、アパルトヘイト擁護とも解釈しうる珍説をデカデカと掲載したことがちょっとした騒ぎになっている。
 問題の珍説を説いたのは売文をおもな生業とする曽野綾子女史。同紙の2月11日朝刊に「労働力不足と移民」と題し、偏見丸出しの暴論を堂々と発表したのだ。
 一読して驚いた。あの山本七平氏ですら真っ青になるではなかろうかというレベルの持論が、じつにあっけあかんと語られているのである。

 論旨のひとつは、少子高齢社会にあって問題化している高齢者介護に向けて外国人労働者を充当したらどうかという話である。高齢者介護という分野がますます重要になることは、間違いなく、個人的にはそういう社会的なフォローが整うことが、現役世代の労働力を保障するし、ひいてはわが国の経済にとって大いにプラスになると考えている(したがってアベ政権が強行する報酬削減など百害あって一理なし)。その現場に多方面からの人材を募ることも考え方のひとつだろうとは思う。
 しかし、この女史のお説ときたらどうか。いわく「(介護の職員など年寄りに対して)優しければそれでいいのだ」。すなわち、そこには技術や知識などまったく不必要で、しかもたいした訓練もなくだれにでもできる仕事だというのである。言い換えると、その肝心の介護という仕事についての己の無知ぶりを暴露したワケだが、とうのご本人はご自分のそんなザマにこれっぽちも気がついてないのであろう(売文屋なんだからマトモな取材のひとつぐらいしたらどうなんだ?)。哀れなものだ(女史の説のとおりだとすれば、国が定めている介護関係の資格の類はまったくの無駄ということになりかねませんな、サンケイさんよ・笑)。これについては、とうの介護の現場から正当な反論が無知なるご当人に浴びせられることになるであろう。

 そのうえで、「居住区だけは、白人、アジア人、黒人と分けて住む方がいい、と思うようになった」などと発言。つい持論が飛び出してしまったのであろうが、その後の報道をみても執筆した本人も掲載したサンケイもなんら反省を示していない。そりゃ、当人たちがそれ(アパルトヘイトだの介護蔑視だの)を正しいと思い込んでいる(?)のだから反省のしようもないのだろうが。

 とまぁ、こんなおばさんがアベンシンゾーのブレーンのひとりであることは、なんら驚くにあたいしない。たとえばオウム真理教に“エリート”が集ったその背景について云々するのとは異なり、思考や検討するに及ばないレベルのお話にすぎない(ク○にハ◎がたかるようなもんか?)。

 さて、こんな珍説をアピールした「産経新聞」は、相方のヨミウリとともにライバル社でもある「朝日新聞」に対し徹底的なネガティブキャンペーンを繰り広げている。それを助長したのは「朝日」側のミステイクあるいは勇み足であり、その後の同社の及び腰にあると考えるが、ミスと故意とでは、あったりまえだけれど「故意」のほうが重罪だわな。すなわち、今回の産経騒動はミスなどではけっしてありえず、同紙だからこそ起きた故意の言論事件だったのだ。
 
 事件の余波は大きく、すでに南アフリカ共和国をはじめとする外国からの批判の声が寄せられており、今後はさらに深刻化する可能性だって棄てきれない。コトは市井のおばあさんの繰言では済まないのである(繰り替えすが、政府の公職にも就いた大人物である。したがって、これは「産経」という一企業だけの問題ではなく、わが国の威信や“国益”とやらにも関係してくるであろう)。

 そこでだ。ここはひとつ「産経新聞」は自主廃刊してはどうだろうか? それこそが昨今繰り広げてきた持論に対しても矛盾がなく真摯な姿勢として世論の目に捉えられると思うのだが、ふと思い出したのが1995年に起きた「マルコポーロ事件」である。これは文藝春秋が発行していた雑誌「マルコポーロ」がホロコーストを否定する特集を組んだ結果、内外からの批判を浴びて廃刊に追い込まれたエピソードである。背景にはコマーシャリズムの問題もあったらしく、今回の件とは必ずしも合致しないが、「国際的な批判を浴びた末の廃刊」、その「前例」として「産経」の諸君の目にはどのように捉えられているだろうか。

 とはいえ、繰り返すがこれは「ユーモア」の類として発言している。「マルコポーロ事件」についても、はたして廃刊という措置が正しかったのかどうかという疑問は大いにある(これについては各方面の識者らがそれぞれ意見を表明している。もっとも、当時一読した記憶では、当該記事そのものがマトモな論評にあたいする以前のシロモノに思えたが……ぁあ、そりゃ今回の女史のコラムも一緒ですな・笑)。だが、今回の事件は、他社に対し浴びせた暴論がブーメランのごとく跳ね返ってきたということはいえよう。お粗末な話ではある。

「イスラム国」による邦人の拉致および殺人事件について、個人的に思うところは多々あるけれど、発言はこれまで見送ってきた。
 流布され続けている幾多の発言のなかで、オレとして腑に落ちたのは写真家・藤原新也氏の以下のコラムである。

*Link:ジャーナリストの命の値段について。(Catwalkより)@Shinya talk

 上記リンクは、このあと述べる所感にも関係することなので、ぜひお目とおしを願いたい。
 さて、本題。
 ネット配信記事につぎのようなものがあった。

朝日の複数記者、外務省が退避要請のシリア入国
読売新聞(2015年1月31日13時33分)
 イスラム過激派組織「イスラム国」とみられるグループによる日本人人質事件で、外務省が退避するよう求めているシリア国内に、朝日新聞の複数の記者が入っていたことが31日分かった。  同省は21日、日本新聞協会などに対し、シリアへの渡航を見合わせるよう強く求めていたが、朝日のイスタンブール支局長はツイッターで、26日に同国北部のアレッポに入り、現地で取材した様子を発信していた。(以下、略)引用ここまで>


 この御用紙の書きっぷりときたらどうか。いわく
「外務省が退避するよう求めているシリア国内に」
 であり、
「同省は21日、日本新聞協会などに対し、シリアへの渡航を見合わせるよう強く求めていた」
 である(もちろん、それぞれ事実ではあろうが)。
 
 同時に思い浮かべたのが、かつて雲仙普賢岳における大噴火のさい(91年)、ジャーナリストの鎌田慧氏が島原市が指定した「危険区域」内に立ち入って取材を敢行、書類送検されたという事件である。今回のシリアに関する渡航自粛とは異なり、災害対策基本法というエクスキューズが行政側にはあったが、当時、お行儀のよろしいメディア組織(おもに記者クラブ加盟組織の勤め人たち)が、こぞって鎌田氏の所業を批難。鎌田氏は不起訴になったが、彼らはジャーナリストとしての仕事、使命よりも自らの保身を大切にしたのであろう。それだけならいいが、ひょっとして、そこにはある種の嫉妬心がありはしなかったのか? あるいは予定調和でお互いの抜け駆けをしようもしない仲良しの輪を乱したよそ者に対するいじめかも?

*鎌田氏のような“インディーズ”がお気に召さないのであれば、あのNHKがかつて混乱下のソマリアにクルーを送って優れたドキュメンタリー番組を発表した。あの取材は、文字どおりの命がけだったのではないかと思うのだが。


 さて、日ごろのこのY紙の姿勢からして言わんとしていることは想像できる。すなわち「お上がきめた規律を乱すなよ(この場合は強制力のない勧告にすぎないが)」であり、言い換えると「お上の言うことを守れよ」ということであろう。よくいるでしょう? ふだんの素行をさておいて、大人の前では「先生のおっしゃることは守りましょうね」という“いい子”が(いや、この場合は適当なたとえじゃないかな?)。

 
 断っておくが、これが事実だとすれば、「なにを無謀な!」とオレも思う(少なくとも、オレにはそんな使命感も度胸もないし、己の分相応というものを自覚しているつもりだ)。これで仮に拉致でもされ日本政府との間でなんらかの交渉ごとの道具にでもされれば、またしてもあの醜き「自己責任」の大合唱となるに違いない。加えて、やおらとうの御用紙たちが嬉々として揚げ足取りを繰り広げるのは目にみえている。
しかし、にも関わらず、これはジャーナリズムの権利であるとも考える(義務や使命ではなく)。ここで、「お上(近ごろではこれに「大衆」が加わった感があり気味が悪い)がダメだから」と現場に背を向けるのは、自らの安全を確保するのと同時にジャーナリストとしての権利を放棄しているとはいえないのか。そもそもが──大きなお世話かもしれないが・笑──御用紙の勤め人にせよ、藤原新也氏が指摘するところの上位系カーストとして、まだしも身分を保証されてはいはしまいかと思うのだが。


 そうしてその大切な権利を反故にして、他紙やその記者を揶揄するメディア(あるいは「大衆」)とは、いったいなんなのだろう。これは件の「特定秘密保護法」にも通ずる。たとえ、国家としての機密、その存在を認めるにせよ、このような乱暴な法に対し迎合するのであれば、これもまたジャーナリズムの権利の放棄ということになると考えるからだ。それとも、単なる嫉妬からなのか?
 
 なんとなしにテレビをつけたら、NHKで魚釣り番組をやっていた。
 エモノはアジ。小田原沖での船釣りである。

 魚釣りは、近ごろはさっぱりやらなくなってしまったが、アジは食べておいしいし、釣り魚としても味のある魚だと思う。で、番組半ばからそのまま見ていたのだが、末尾の釣り場案内にいたって「おや?」と思った。

 問題の箇所は、旅行案内書などでいう「データ欄」にあたる。つまり、東京駅を起点に小田原までのアクセスを紹介していたワケだが、どうしたことか東海道新幹線だけしか紹介されなかったのである。「東京駅からは新幹線で40分」。JR在来線もなければ小田急も省略されており、いわんやマイカーの「マ」の字すらなかった。

 これが気になったのは、東海道新幹線、すなわち東海旅客鉄道株式会社の社長だか会長だかがあのアベシンゾーの“ブレーン”として知られている御仁であることと、いうまでもなくいまのNHKが事実上アベ政権の御用メディアと化しているからだ。まさか金銭の類が暗躍したとはこれっぽっちも思ってはいないが、いわゆる“同志”としての“手心”が加えられたがゆえではないかと想像するのである(案外、JR東日本から抗議されてたりして・笑)。

 そもそも、案内されていた東京駅起点の場合、新幹線の始発は6時。小田原停車の列車は6時26分までない(新横浜発6時というのはあるが、くどいようだけれど「東京駅発」が番組での紹介である)。するとべらぼうに高い特急券を払った挙句、小田原着は7時04分。しかし、こうした釣りではたいていの場合、夜明けをメドに出港するハズ。そんなお寝坊さんの船釣りって……まっ、ありえないとまではいわないけどさ(笑)。
 在来線でも東京発では6時37分になってしまうが、品川に目を向ければ小田原駅5時51分着が一番列車であり、いくらか現実的。沿線各駅からのアクセスは新幹線よりも格段に便利だ。
 しかし、いずれにしてもこういう内容(遊漁船での魚釣り)のアクセス案内としては、新幹線はほとんど適しているとはいえないだろう(前夜に会社などを退けてから現地入りするということはあるかもしれないが)。

 さすがに、こんな重箱の隅をつつくような質問をNHKにしようとまでは思わなかったが、たとえしたとしてものれんに腕押しなのは目にみえている(電話代のムダ!)。だが、ほかにも全国で499人ぐらいは同様の疑問を抱いた人がいたかもしれない。なぜあえて東海道新幹線だけがアナウンスされたのか・・・?
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