>いったんそうなってしまえば、元通りにするには“ハードランディング”が必要になるだろう。大英のEU離脱を撤回するよりも遥かに困難を強いられることになるのだ。
ここでいう「そうなってしまえば」というのは、いうまでもなくアベとその一派が目論むニッポンという国家のことである。“ハードランディング”の前に「相当危険な」をつけてもよかったが、意味は違えど、先の15年戦争の敗戦はそれに通ずるところがあるかもしれない。
さて、そういう見方をしている人は存外少ないわけでもなさそうで、つぎのネット記事に遭遇することができた。
※安倍政権下での改憲はどうなる?実現すると日本にどのような影響があるのか? JIJICO?/ 2016年7月3日
詳しくはリンク記事をお読みいただきたいが、この記事の末尾にはまさにこうあるのだ。
>先日のイギリスがEU離脱を決めた国民投票のように,事の重大性があまり理解されないまま憲法改正が進み,内容がよくわからないけどとりあえず賛成,として改正がなされてしまうのは望ましくありません。
この記事は、「安倍政権が考える憲法改正の内容,特に緊急事態条項について,法律家の立場から分析を加えた」(リンク記事)ものだ。なにも“サヨク”的論評ではなく、オレの目にはかなりニュートラルな立ち位置が読み取れるが、選挙前にどうしても言っておきたかったことが明快に述べられているのでやや長くなるが引用させてもらうことにした。
>弁護士として絶対に述べておきたい点をあと1点だけ指摘しておきます。
ここで弁護士(法律の専門家)が指摘している「立憲主義に基づく憲法の価値観とは正反対の内容になりえるもの」こそが、アベ自民党の宣う「憲法」とうやらの正体であるわけだが、残念ながら「立憲主義に基づく憲法」ではないと見破られているのである。
国家は国民のものなのか? それとも国民が国家に隷属しているのか?
やや乱暴かもしれないが、そういう選択肢がここにはありはしないだろうか?
隷属したければそれでも結構だが、残念ながらそういう国家は、えてして隷属させている自国民を守りはしない。あえて具体名は挙げないが、例はいくらでもあるだろう。
さて、このアベ改憲と切っても切れない関係にあるのが現憲法第9条である。
この条項を破壊することによって、自衛隊を軍隊に改組し、権力者にとって必要とあらばいつでも交戦できるようにしたいわけだ。抵抗勢力の多くは、まさに戦争そのものに対する危機感を煽っているが、オレ自身の見方では、アベはそんな威勢の持ち主ではないし、いわんや、9条を破棄したところで即戦争を起こそうなどとは思っていないだろう(もっとも、アベはともかく、そういう点でアブナイ政治家はいるとみるているが)。ではなにがしたいのか?
軍事費(現在は「防衛費」と呼ばれている)の青天井化。
ここにひとつの狙いがあるのではないだろうか。
アベとその一派は、ようはこの額と割合とを青天井にしたいのではあるまいか? GDB比3割を超えるといわれる北朝鮮はともかくだが、戦争の当事者でもないクセに、もっともっとカネ(税金)をつぎ込みたくて仕方がないのだ。なぜか?
おそらく、彼らにとっては、軍需産業を太らせることが経済発展に欠かせないのであり、いまひとつは宗主国であるアメリカ合州国からのお盛んなセールス攻勢もあるに違いない(同時に自国の軍需関連産業からも?)。そのためには9条なんかないほうがいいのだというのがホンネのひとつなのではあるまいか?
とはいえ、アメリカ合州国は、それどころでなく自国がからむ戦争の下請けさせるつもりに思えるし、それを承知のうえでの改憲騒ぎである可能性も低くはなさそうだ。どちらにせよ、いいようにあしらわれる運命にあるのが善良な国民ということに違いはないわけだが、なんともナメ切られた話ではないか……。
本日、年老いたわが母堂がふともらした。テレビ報道の話である。
そうもらしているそばでは、ダッカにおけるテロが延々と取り上げられている。
つい先だって当ブログにリンクした弁護士・白川勝彦氏のコラムがアタマをよぎった。
>最近私は、「日本国民が可哀想だ」と思うようになってきた。選挙だというのに、主権者として正しい判断を下すために必要な情報が入ってこないのだ。政権与党とマスコミはグルになって、いま行われている参議院選挙から国民の目を逸らそうとする情報を、集中豪雨のように流している。これじゃ、自由な報道などない独裁国や選挙権がない国と同じじゃないか ─ 私には、そう思えて仕方がないのだ。
高島礼子の夫であるという高知某の覚醒剤事件など、いまこの時期に大騒ぎするほどの話題ではない筈だ。碑文谷公園の88歳女性の死体遺棄事件は誠に無残だが、これだって、限度というものがある筈だ。
※永田町徒然草・北朝鮮・中国を嗤えない政治状況
ダッカのテロに対しては怒りを禁じえないし、重大事件であることは否定しようがない(だいたいが、こんな罪もない市井のひとびとを虐殺してなんになるっていうのかと思う。同じことをアメリカ合州国は建国以前から止めたことがないが、若干の意味は違えど、ともに「卑怯」であることに違いはないだろう)。
だが、テレビ放映を眺めていると、こうも感じてしまうのだ。
「彼らは“嬉々”としてはいまいか?」
いささか不謹慎なのは承知のうえだが、オレにはどうも「奇禍として」という言葉が結びついてしまう(仮にこれがオレ個人の妄想でなければ、連中こそが「不謹慎」の極みになるが)。オウム真理教や白装束集団、北朝鮮、あるいは著名人への「表彰」の類……。某人気タレントのご父君云々だって根は一緒であろう。一部ゴシップ系報道には、清原~高知の先に、オオモノ芸能人が取りざたされているとささやかれているが、案外そんなのも選挙に間に合うように「懸命の努力が続けられていたりして(笑)。そんなこんなのいずれもが、これと同義に扱われているような気がするのはオレだけだろうか?。
白川氏は、昨今のニッポン報道界のザマをさして、「北朝鮮と中国を笑いものにしている連中」を戒めた。これは、オレ自身も常日頃に思っていることとまったく同じだ。しかし、さらにつけくわえるならば、北朝鮮や中国を笑っている場合ではなく、むしろ彼ら以上に悲惨かつみっともないツラをさらしているのがわが祖国・ニッポンではあるまいか?
なぜか?
すでに知られているとおり、北朝鮮や中国には報道の自由が存在していない。まさに「ああはなりたくない」の見本である。日本はどうだろう? 憲法によって国民主権が守られ、報道や言論の自由が保障されている。ところが、にも関わらずの翼賛化。つまり、ハナっから自由がなく、政治参加すらマトモにできないという点で中国や北朝鮮の一般市民に罪はないといえるのに対し、ニッポンでは自らが率先して自由を放棄し、わっざわざ北朝鮮や中国のような窮屈な国に自国を仕立て上げんとしているのである。言い換えれば、ニッポンジンには罪があることになってしまう。
ちなみにいえば、表題の「共和国」というのは「朝鮮民主主義人民共和国」のことである。
そうしたければ勝手にすればいいが、いったんそうなってしまえば、元通りにするには“ハードランディング”が必要になるだろう。大英のEU離脱を撤回するよりも遥かに困難を強いられることになるのだ。
●おまけ:
クルマを走らせていたら、元アイドルへの投票を呼びかける自民党の選挙ポスターが目に入った。キャッチフレーズは「比例区は●●へ」。なんのかんのいっても、政権党である。なんだって堂々と「比例区は自民党へ」としないのだろう?
どうもオレには、その元アイドルの顔写真には腐臭が漂っているように思えてならなかった。白川氏の弁を借りれば「可哀想だ」。それがたとえ自業自得であるにせよ。
※永田町徒然草 北朝鮮・中国を嗤うことができない日本の政治状況
「窺えてくる」なぞとある種他人事のような書き方をしたのは、オレ自信はとうに報道という面でTVというメディアを(すべてとはいわないまでも)見限っているからであり、氏が取り上げているようなTV報道をほとんど目にしていないからだ。だが、インターネットポータルサイト上にリンクされる記事のうち、TV局や新聞社など大手メディアの配信を目通しするだけでも、そんな状況はあるていど理解できる(ポータルサイトといえば、いつの間にか、ヤフーヘッドラインの配信元にTV局の割合が格段に増えたようにみえることと、そこになんらかの意図があるのではないかと感じるのは気のせいだろうか?)。
※英離脱派主張「うそばかり」批判…拠出金額など 読売新聞 / 2016年7月1日
*念のため、「ヨミウリ」が「ウソ」を言っているということではなく、事実なりを恣意的に誂えて報じるなり主張なりをしているとみられることの「たとえ」として取り上げた。同じ意味で、はたして「EU離脱派の言論が“うそばかり”だったかどうかという点にも疑問がある。
※立正佼成会も与党支持せず 暴走政治阻止 「生長の家」に続き しんぶん赤旗 2016年7月1日
>宗教法人・立正佼成会(庭野日鑛(にわのにちこう)会長、公称会員世帯数120万)が参院選に向けた声明「私たちの切実」を発表、宗教法人「生長の家」が発表した「与党とその候補者を支持しない」という参院選方針への賛意を表明していたことが、30日までにわかりました。安倍暴走政治阻止の動きが宗教界にも広がっています。両宗教団体は、かつては自民党の強固な支持団体でした。
なお、同紙には、自衛隊員(退役および現役)や自民党員(同意)などの「反現政権」の声が掲載されていることがある。そこには発行元である日本共産党自身のプロパガンダという意味合いがあるのだろうけれど、とりわけ「あくまでわが国の平和を守り、災害復旧などに尽力したいのであり、他国の戦争の下請けをしたくて自衛隊員になったのではない」(抄録)という元隊員の証言などには、大いに共感を覚える。
こんなことはよほどのバカじゃなければ簡単に理解できることだが、祖国防衛と安保法なんてのはまったくの無関係。見方と場合によっては、無関係どころか害悪でさえある。ただし、安保法のタッグ相手であるアメリカ合州国からわが国を防衛するということであれば、ある程度の効果はあるかもしれない。もっともそんなものはヤクザのみかじめ料と一緒なわけだが。みじめさにおいてもバカバカしさにおいても不法ぶりにおいても。
大英がEU離脱をする道を選んだ。
正直、あれこれ伝えられてくる情報を目にしても、そこで起きたもろもろをめぐる真相や真意に対する実感がなかなかわかないが、そんななかでEUと新自由主義政策、また“グローバル経済”に触れた記事や論評がいくつかあり、あくまで自己流にだが興味を引いた。すなわち、EUが是としている(という)これらの経済政策が、慢性的ともいえる不況の元凶になっているのではないかというのだ。そして標的とされた。
こうした点について、その実態はわからない。ゆえに、たとえ他愛のない個人ブログ上だとしても、1シロウトであるオレがテキトーなことを書き捨てるのは、とりあえず避けておきたい。
が~……。
せっかくだから(?)、ひとつ思った。
わが祖国ニッポン。あんた、“アメリカ合州国”から離脱したらどうかね?
・PS.
大英でEU離脱が支持された理由のひとつに、移民問題も取りざたされている。そこには単なるレイシズムの類もあるに違いないが、同時に雇用問題といった市民にとって切実なテーマも含まれているという。
それはそれで大変重要な案件であることをアタマから否定するつもりはないが(一方で、本当に移民問題だけが雇用や治安などに悪影響を及ぼしているのかという疑問もわく)、そんな声をネット上などでみていて、ふと思ったことがる。
なんつうか、アフリカやアジア、アメリカ大陸などを好き放題に侵略し、相手が好むと好まざるとに関わらずそこに住み着いたうえで搾取三昧を演じたのはどこの国のどの民族なのか? もっとも、少なくともロンドンなどでは、各地からさまざまな人種・民族が移り住み、地域社会を形成してきた実績もあるわけだが……。
これはわが日本を含む無視できない問題かもしれない。
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