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猫池罵詈雑言雑記帳
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 くだらない見出しを立ててみた。
 計画者と実行者とは別途にある。
 言論の自由が憲法によって保障され、経済的にはまごうことなき先進国であり、社会インフラも十分に整備されているわが祖国・日本。国民皆保険をはじめ、社会保障制度の充実度だって、けっしてバカにできたものではないだろう。もちろん上には上がいるし、詳細に見ていけば不備や不満は多々あるにせよ、これはこれで評価すべき実績だったのではないかと思う。

 こんなわかりきったことを記すのは、いうまでもなくこれら立派な実績を反故にしようという連中が実権を握っているからであり、その恐ろしさに気づいていないであろう国民(「平和ボケ」の一種だ)があまりにも多いように感じられるからである。

 こうした暮らしやすいハズだった国が変容をはじめたのは、実態経済から金融経済(投機経済)へと大シフトしたころと合致するようにも思える(いうまでもなく日本だけの問題ではない)。

 先月、ワルシャワを訪れたが、ポーランド社会主義の根城であった旧労働党本部が、いまでは証券取引所と化している。
「これは面白い」と思った。
 社会主義時代の遺跡が、金融経済という意味で資本主義経済におけるひとつの核となったからだ。しかし、これは「膿」でもある。証券取引そのものは必ずしも不健全ではないと考えるが、金融経済が主導を握ったかにみえる現代にあって、それを助長するという見方に立てば、破滅への乗り物にすら思えてくる。

 金融経済が主導を握った社会。
 ブログのアップをひと月以上サボっていたが、これは前回のアップで記した「醜コマーシャリズム」にも通ずることで、もはや「売り物・買い物」が欠乏し、飢えに飢えた資本主義経済の悲鳴なのかもしれない(個別にはヒット商品はあるにせよ)。上り坂にあっては、モノをつくりだし生産し告知し流通に乗せれば売れに売れた。買う側にとってもそれは励みにもなり、ひとびとはそうして形のある商品を手にしてきた。だが、そうした基本的ともいえるビジネスモデルの一角は崩れた。モノをつくらない代わりにカネそのものを商品とすることがまかり通るようになった。それはカネを余らせている側にこそ顕著で、余剰のカネを証券や他国通貨、先物取引などにつぎ込む形でその利ざやを稼ぐことに熱中するようになってしまったのである。そしてそれはさらに進化し、たとえば(多額の)「内部留保」のようにそうした「運用」にすら用いられることのないカネが腐った膿のように滞留したりもしている。

 こうしたセンスは、少なからず庶民にも及んできたが、その多くはごく限られた自己資金を少しでも増やして将来に備えたいなどといった切実な思いからきているのかもしれない。そうやっておいて、たとえばFXのような「借金バクチ」で酷い目に遭っているひとがどれほどいるかまでは存じ上げないけれども、次やその次の世代(つまり若者や子どもたち)は、そうしたオヤ世代の貧困と「カネの稼ぎ方」を見て育っているのであろう。

 つい前置きが長々としてしまった。
 TPPである。
 言いだしっぺのアメリカ合州国のなかでさえ反対論が根強いアナーキズム経済(個人的造語)に祖国を差し出そうと躍起になっているアベ政権とニッポンのお役人。これは、中国の領海侵犯だの北朝鮮のミサイル実験(それらももちろん大問題ではあるが)が及ぶべくもないレベルの影響をわが国にもたらしかねない暴挙である。TPPというのは、ようはそういうシロモノなのだ。
 もちろん反対の声はわが国でも多い。確実に影響を受けるであろう農業や畜産業はもとより、知的財産権といった範疇でも疑問の声が出ている。例外はごく限られた輸出産業であろうが、以前にもこのブログで述べたように、オレ個人は金融経済にも多大な影響(保険業界を含む。わが国のとっては多くの場合で悪影響であろう)を与えると考えている。目先のミクロな利に妄想を抱いている場合ではないと思うのだが、昨今の乏しい報道によればここ2~3日中にも衆議院における強行採決が自民創価政権によって目論まれているようだ。

 さて、ここではTPPだけを取り上げたが、現在の国政はまさに重要問題がそれも差し迫った形(より正しくは「差し迫らせられた」のだが)で山積している。アベが企む「改憲」もまた、許してしまえば、わが国にとってTPPをしのぎかねないインパクトになるのは間違いない。
 ところが、わが国のマスコミ、とりわけテレビの自称「報道」番組の類を見るにつけ、そうした差し迫った問題などどこ吹く風であるのがおそろしい。

 個人的にはテレビのそうした自称「報道」番組の類はほとんど見ないので、たとえば白川勝彦氏が昨今の「豊洲問題騒動」に辟易としているというのも、想像の範疇にしかなかった(氏公式サイト参照)。しかし、実際にテレビのそうした番組を見てみれば明快で、白川氏が指摘するのと同様に、なにか臭いものにフタをしているとしかオレには思えなかった(同じ熱心さをもって、TPPやアベの改憲問題を追求すべきなのだ)。

 そんななか、ただひとつだけ、あの石原のおとっつぁんの狼狽ぶりはケッサクであった。
いわく、「記憶にない」「覚えてない」。

 う~~む(笑)。
 これではあのロッキード事件における小佐野賢治の「記憶にございません」と一緒じゃないか(ついでに「(オレは)シロウトなんだから」なんていう逃げ口上もあったな。そんなのを言い訳にするドシロウトを知事になんかするなよ)。

 あんたさぁ、なんとかっていう賞までもらったような元小説家なんだからさぁ、もっとオリジナリティのある言い訳でもしなさいよ。

 このていたらくをみて、あんな痴れ者を長々と知事の座に座らせていたことを東京都民がどれだけ自覚し恥じているかまでは知らないが、「バカなヤツだなぁ」ぐらいにせせら笑ったひとは存外少なくないだろう。もっとも、当時の「責任者」だかなんだかをあぶりだして見せしめを演出したはいいが、本丸についてはお目こぼしになりそうなのが、まさにニッポン的といえよう(先の大戦の“戦犯”に通ずるような気もする。「命令あるいは指示文書が残ってないから」といった理由で責任者が逃げ仰せかねないあたりがとくにね)。

 閑話休題。
 豊洲問題(もっと東京五輪開催そのものについての議論が深まればいいのだが)。北朝鮮。中国。通り魔。著名人不祥事。・・・オウム真理教。白装束……。
 そういや、新潟県知事選で「反原発派」が勝利した報道はネットのポータルサイト上にもヘッドラインが出た。しかし、そのうちのいくつかではごく短時間のうちにトップページ上から消滅。代わりにどうでもいいような雑ネタが延々と並んでいたのが印象に残る。逆の結果だったらはたしてどうなったのだろうか?


●おまけ
 アメリカ合州国の大統領選挙も、上記のように散々タレ流されている。もちろん無視できない案件であり、どうなるにせよわが国にだけでなく世界的な影響をもたらすであろうことは想像できるので、そういう意味では報道する価値が高い。しかし、今年訪問した7カ国におけるテレビ報道番組で比較すると、(たとえわずかな機会に限られるとはいえ)わが国におけるその比重の高さが異常に思えてならなかった。
 それはともかく、あれやこれやと話題を振りまいているエンタテイナー・トランプ候補ではあるが、あの御仁こそアメリカ合州国大統領にふさわしいように思うのだがなぁ……。たしかに、レーガンやらブッシュ(息子)やらと比べて正直すぎるきらいはあるにせよ、きわめて「アメリカ的」だと見ているのは、はたしてオレだけだろうか?

 嗚呼、しばらくサボっていた反動でとりとめのない無駄話になってしまった。失敬。
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自己紹介:
 レジャーライター=植村誠の別館ブログです。
 ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
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