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猫池罵詈雑言雑記帳
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 フェイスブック運営者が、報道写真を「児童ポルノ」と解釈のうえ一方的に削除するという事件があった。
 いくつかの報道によれば、ベトナム戦争当時、米軍が実行したナパーム弾による大虐殺のさなかに逃げ惑う子どもたちの写真をノルウエー人のトムエーゲラン氏が投稿したところ、フェイスブック“当局”が直ちにその記事を削除。この事態に対し反発の声が巻き起こり、会員らが続々と同じ写真を投稿することによって抗議の意を示すこととなったという。

 フェイスブック側の言い分は、「裸の子どもが写った画像の投稿はわが社の規定に反する」であり、「一部の国では児童ポルノに該当する」(ゆえに削除しなければならない)というものだ。ところが、フェイスブック側の措置に対する批判は拡大を続け、“抗議の投稿”にはノルウエーの首相までが参加するという騒ぎに発展。結局、フェイスブック側がその検閲措置を撤回することとなった(ただし、いまのところ謝罪には至っていないらしい)。

 個人的にはフェイスブックはまったくやっていないしやるつもりもないので、たいした興味を持ってもいない。また、その当局者による検閲についてはネット上の話題で何度も目にしており、必要な面をあるていど認めつつも、それゆえに余計に関わりたくないと考えてきた。

 そこに現れた今回の事件を取り上げてみたのには意味がある。

 オレの予想どおりにといおうか(厳密には遅かったが)、アベ政権が共謀罪の創設に向けてスピードアップをはかっている。タテマエとしてはテロの未然防止などが挙げられ、そこだけをみれば「必要悪」との解釈をするムキもあるかもしれない(同時に、現行法の範囲での対策が本当にできないのかどうかについての検討をすべきだ)。
 しかし、具体的な犯罪に至る以前に罪人あるいは容疑者として身柄の拘束などを可能とするこの法案は、われわれ一般市民の日常生活をも脅かすことになる点を見逃してはならないだろう。単なる話し合いや行動が、共謀罪に該当する「共謀」であると判断するのはわれわれの側ではなくあくまで権力側である。「そんなものあとで無実が証明されるさ」(強姦事件で逮捕された役者のように? あの事件もよくわからない点が多いようだが、仮に不起訴となったとしても、あるいはあれが“冤罪”だったとしても、当人とその周囲は無傷ではいられなかった)とのんきに構えるのも結構だが、それを決めるのまた権力側であることを見逃してはならない。

 ちょうど、今回のフェイスブックの検閲事件、その検閲の是非や内容そのすべてを握っているのが“当局”側であるようにだ。

 その自覚がない層がことのほか大きいと思わされたのが、フィリピンで起きている無法状態に対するとあるポータルサイト上の投稿であった。

 たびたび報道されているように、薬物犯容疑者について、一切の司法手続きなしに“死刑”に処すべしと強行する大統領。すでに数千人規模とも伝えられる“被処刑者”。フィリピンにおける治安の悪さについてはあれこれ目にしており、あるていどは強硬な手段を用いることをアタマから否定できないようにも思う。しかしおそろしいのは、強硬どころか一方的虐殺手段に出たフィリピン当局について、「こうでもしなきゃダメだろう(治安を守るためには)」といった投稿が相次ぎ、それに対する「賛同」が圧倒的に多いことなのだ。そんなひとびとをさして「平和ボケ」と片づけるのは簡単だが、それが有罪であろうとなかろうと、「薬物犯罪者・容疑者」と断定するのはあくまでも当局者・権力者の側であり、断定される側には逮捕されるか殺されるかの二者択一しかないことをきちんと認識すべきであろう。そして、われわれ一般市民の大半は、その「断定される側」に属していることも知らなければならない。

 フェイスブック事件では、権力者を含む多くのユーザーが抗議の声を挙げ、“当局”側に撤回まではさせることに成功した。だが、繰り返すが、それがなんであれ、対権力という点での決定権がどちら側にあるのかということを認識しておく必要がある。そして、その決定権を覆す手段があるということについても、今回の事件は暗示してくれたわけだが……。


■補足
「児童ポルノ」を取り締まるのは正当な行為だが、報道写真を安易にポルノと断定してしまうフェイスブック“当局”者の程度の悪さには心底驚かされた(やはりあんなものに手を出さなくてよかったとしみじみ思った)。だが、いくらかのエクスキューズがないとはいえないかもしれない。
 これはあくまでオレ個人の想像ではあるが、たとえぞれが悲惨な場面を切り抜いた映像だとしても、単に裸の女児(いや、男児もか?)が写っているというだけで、性的興奮を覚える人間がいないとは限らないからだ。しかしそれをつきつめてしまうと、ニンゲンが写った写真のほとんどが「ポルノ」と解釈されかねないことにもなってしまう(ただし、性的興奮の誘発がイコールで取り締まりの要件となるのかどうかという問題もある。そこに被害者がいる場合は別問題ではあるが)。
 一般にポルノといえば若い女性がモデルなりにされるイメージがあると思うが、題材はいくらでもある。別段、ヌードになっている必要もなければ年齢どころか性別さえ容易に飛び越えてしまう。性的な傾向というのはあまりに広範囲で、なかには当人たちがそれゆえに大きな悩みを抱えている場合も少なくないだろう。マイノリティ中のマイノリティのようではあるが、肥満した中年から初老の男性を好む男性だっているという。言い換えると、そこらのおとっつぁんを“ネタ”にして性的興奮を覚えている男性だっているワケだ。あまりこうした点を挙げると差別になりかねないしキリがないのでこのへんにしたいが、その「ポルノ性」云々の判断を権力者に委ねていいのか? フェイスブック事件は、そのあたりを再考するきっかけにもなったかもしれない。

 なお、仮に共謀罪が創設されてしまった場合、その矛先のひとつとされるのが沖縄であるような気がしてならない。すでに進行している日本版天安門、あるいは日本版光州……。本当に誇れない国になってしまった。

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