つい2〜3日前、昼飯をとりながらふとテレビに目をやると、砂川事件のミニドキュメンタリーが流れていた。みのもんた氏が司会を務める「思いっきりテレビ」のワンコーナー、「今日は何の日」は、ときおりみかけると案外硬派なテーマを取り上げていて感心させられることがあるが、この日の題材ももちろん感心させられたもののひとつである(とはいえ、途中からざっとみただけなのだが)。
砂川事件はいうまでもなく、米軍立川基地拡張計画にあたって地元住民が反発、最終的に計画撤回をさせたというわが国の近代史上に誇るべきできごとであったが、住民が勝利するまでには、暴徒と化した警官隊が測量強行にさいして反対のアピールをしていただけの住民に暴行を加え多数の負傷者を出すなどの流血沙汰があった。警官隊が暴徒と化した過程には、住民デモ隊の一部が米軍が設定した境界柵を越えたなどの事実も指摘されているが、このときの映像がテレビ電波に乗るなどして全国に波及、世論の見方は住民側を同情するものであり、国の取り締まりに対して批判的なものであったという。現在のこの国の連中にからは想像もできないけれど、その後の裁判では1審無罪を経たのち9条を含む憲法判断にまで及んだものの、最高裁の判決は形としては憲法判断を避け、被告(住民)の有罪が確定している。
砂川事件はいうまでもなく、米軍立川基地拡張計画にあたって地元住民が反発、最終的に計画撤回をさせたというわが国の近代史上に誇るべきできごとであったが、住民が勝利するまでには、暴徒と化した警官隊が測量強行にさいして反対のアピールをしていただけの住民に暴行を加え多数の負傷者を出すなどの流血沙汰があった。警官隊が暴徒と化した過程には、住民デモ隊の一部が米軍が設定した境界柵を越えたなどの事実も指摘されているが、このときの映像がテレビ電波に乗るなどして全国に波及、世論の見方は住民側を同情するものであり、国の取り締まりに対して批判的なものであったという。現在のこの国の連中にからは想像もできないけれど、その後の裁判では1審無罪を経たのち9条を含む憲法判断にまで及んだものの、最高裁の判決は形としては憲法判断を避け、被告(住民)の有罪が確定している。
レジャーライターという生業は、趣味と実益とを兼ねた仕事とはいえ、必ずしも楽しいことばかりとは限らなければ、いろいろな意味で楽ではない部分もある。ではあるのだが、「つれなのふりや」にアップしたような取材ものはかなり楽しいものである。
プライベートとしても寝台列車は好きな乗りもので、あるていど以上の距離に対する移動手段としてはたいてい筆頭候補に挙がる。今年は今日までに6泊したが、新幹線の利用は名古屋ー静岡間の1回だけ(それも「こだま」だ)、空路の利用はゼロである。どこがいいのかと訊ねられればあれこれ記したくなるけれど、本題ではないのでここでは避ける。ただ、JR化後に進化した寝台の個室化が夜の旅を快適なものにしていることは間違いないだろう。紀行作家の宮脇俊三氏は「ホテルのベッドより寝台車のベッドのほうがよく寝られる」のように記しているが、まったくもって同感したくなるぐらい、じつは便利でステキな乗りものなのである。よさを知らないひとがお気の毒ですらある。
さて、上にリンクした報告は、上野と札幌とを結ぶ「カシオペア号」を舞台としたもの。食堂車とラウンジカーを除く全車が2人用A個室寝台という豪華列車だが、「北斗星」や大阪ー札幌間の「トワイライトエクスプレス」と並んで寝台券のとりづらい列車としても知られている。とりわけ最後尾(上野発の場合)に1室だけ設けられている展望スイートは「総理大臣でも不可能」とたとえられるほど確保が困難だといわれ、そういう稀少さもひとつの価値となって人気を支えているようである(もちろん、現に運転していてだれかが乗っている以上は入手の可能性はゼロではないのだが、これについては真偽は別としていろいろなウワサがある)。
で、ここからが本題なのだが、今回の仕事の依頼があってまた思い出したのだ。ダフ屋というあさましい商売を。
プライベートとしても寝台列車は好きな乗りもので、あるていど以上の距離に対する移動手段としてはたいてい筆頭候補に挙がる。今年は今日までに6泊したが、新幹線の利用は名古屋ー静岡間の1回だけ(それも「こだま」だ)、空路の利用はゼロである。どこがいいのかと訊ねられればあれこれ記したくなるけれど、本題ではないのでここでは避ける。ただ、JR化後に進化した寝台の個室化が夜の旅を快適なものにしていることは間違いないだろう。紀行作家の宮脇俊三氏は「ホテルのベッドより寝台車のベッドのほうがよく寝られる」のように記しているが、まったくもって同感したくなるぐらい、じつは便利でステキな乗りものなのである。よさを知らないひとがお気の毒ですらある。
さて、上にリンクした報告は、上野と札幌とを結ぶ「カシオペア号」を舞台としたもの。食堂車とラウンジカーを除く全車が2人用A個室寝台という豪華列車だが、「北斗星」や大阪ー札幌間の「トワイライトエクスプレス」と並んで寝台券のとりづらい列車としても知られている。とりわけ最後尾(上野発の場合)に1室だけ設けられている展望スイートは「総理大臣でも不可能」とたとえられるほど確保が困難だといわれ、そういう稀少さもひとつの価値となって人気を支えているようである(もちろん、現に運転していてだれかが乗っている以上は入手の可能性はゼロではないのだが、これについては真偽は別としていろいろなウワサがある)。
で、ここからが本題なのだが、今回の仕事の依頼があってまた思い出したのだ。ダフ屋というあさましい商売を。
「週刊現代」が報じた大相撲の八百長疑惑にからむ事件は、日本相撲協会が民事訴訟に踏み切る展開となった。ここまで、同協会では疑惑の中心とされた横綱=朝青龍から事情聴取をなど独自に事実関係についての調査を続けてきていた。提訴に及ぶということは、協会としてきちんとした裏取りができたということもあるのであろう。
大相撲をめぐる八百長疑惑というのは、なにも今回にはじまったことではないし、実際にあるのかどうかはわかりようがない。実際にテレビで観戦してみても、「あるとは思わないけれど、あるのかもしれない」というのがオレの感想だ(つまりはわからない)。もちろん、仮にそうした事実があるとすれば大問題であり、報じた「週刊現代」側だけでなく、事実関係を明らかにする絶好の機会といえるかもしれない。
提訴については、ここに至るまでにとうの協会内部で調査をくり返したうえでなされており、そういう点を含めて、いちおうは正常な手続きを踏んでいる。提訴云々以前の段階として、版元に抗議の意志を表わし、同時に内部での調査をしてきた。あたりまえのことである。版元としても裏取りの強化はしてきたことだろう。そのうえで双方の見解が大きく異なっている以上、仕方のない展開といえる。
ところが、こうした一切の手続きや事実確認の作業をなしにしていきなり提訴に踏み切った事件が起きている。フリージャーナリストの烏賀陽弘道(うがやひろみち)氏が現在巻き込まれている訴訟がそれで、流行歌のヒットチャート作成などで知られる株式会社オリコンから5000万円もの損害賠償を求められているというものだ。
大相撲をめぐる八百長疑惑というのは、なにも今回にはじまったことではないし、実際にあるのかどうかはわかりようがない。実際にテレビで観戦してみても、「あるとは思わないけれど、あるのかもしれない」というのがオレの感想だ(つまりはわからない)。もちろん、仮にそうした事実があるとすれば大問題であり、報じた「週刊現代」側だけでなく、事実関係を明らかにする絶好の機会といえるかもしれない。
提訴については、ここに至るまでにとうの協会内部で調査をくり返したうえでなされており、そういう点を含めて、いちおうは正常な手続きを踏んでいる。提訴云々以前の段階として、版元に抗議の意志を表わし、同時に内部での調査をしてきた。あたりまえのことである。版元としても裏取りの強化はしてきたことだろう。そのうえで双方の見解が大きく異なっている以上、仕方のない展開といえる。
ところが、こうした一切の手続きや事実確認の作業をなしにしていきなり提訴に踏み切った事件が起きている。フリージャーナリストの烏賀陽弘道(うがやひろみち)氏が現在巻き込まれている訴訟がそれで、流行歌のヒットチャート作成などで知られる株式会社オリコンから5000万円もの損害賠償を求められているというものだ。
前回に続いてテレビネタである。
ちょっと古い話になってしまうが、先月末ごろに給食費不払いについてのテレビ番組がいくつかあった。これを取材先のホテルのなかでみていたが、あれこれ思うところがあったので、遅ればせながら少し記してみたい。
もともとは「読売」など一部の新聞が報じていたらしいし、すでにご存じの方が大半だと思うので詳細は割愛するが、全国小中学校のおよそ44%で給食費の未納が起きており、その額が22億円にのぼるというものである。
*参考:文部科学省の“お知らせ”
テレビ番組では、この額を強調したうえで、未納の理由について「経済的にはなんら問題がないのに払うつもりがない」「義務教育なのになんで払う必要がある?」といった例を挙げ、「とんでもないことだ!」という論法が目立った。たしかに、なかには海外旅行を楽しみ、高級車に乗り回すていどの経済力を持っていながら「払わん」と居直っている例もあるといい、こういう点だけをみれば、本当にとんでもないことだといえる。給食費は1カ月あたりおおむね3000〜5000円内外だというが、仮に問題なく払えるのに払っていないとしたら、それはたしかに大問題であろう。ルール違反であり、モラルの欠如も甚だしいからだ。
ちょっと古い話になってしまうが、先月末ごろに給食費不払いについてのテレビ番組がいくつかあった。これを取材先のホテルのなかでみていたが、あれこれ思うところがあったので、遅ればせながら少し記してみたい。
もともとは「読売」など一部の新聞が報じていたらしいし、すでにご存じの方が大半だと思うので詳細は割愛するが、全国小中学校のおよそ44%で給食費の未納が起きており、その額が22億円にのぼるというものである。
*参考:文部科学省の“お知らせ”
テレビ番組では、この額を強調したうえで、未納の理由について「経済的にはなんら問題がないのに払うつもりがない」「義務教育なのになんで払う必要がある?」といった例を挙げ、「とんでもないことだ!」という論法が目立った。たしかに、なかには海外旅行を楽しみ、高級車に乗り回すていどの経済力を持っていながら「払わん」と居直っている例もあるといい、こういう点だけをみれば、本当にとんでもないことだといえる。給食費は1カ月あたりおおむね3000〜5000円内外だというが、仮に問題なく払えるのに払っていないとしたら、それはたしかに大問題であろう。ルール違反であり、モラルの欠如も甚だしいからだ。
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レジャーライター=植村誠の別館ブログです。
ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
なお、トラックバックおよび「コメント」は受けつけない設定にしております(当面はBBSへどうぞ!)。
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