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猫池罵詈雑言雑記帳
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 つい2〜3日前、昼飯をとりながらふとテレビに目をやると、砂川事件のミニドキュメンタリーが流れていた。みのもんた氏が司会を務める「思いっきりテレビ」のワンコーナー、「今日は何の日」は、ときおりみかけると案外硬派なテーマを取り上げていて感心させられることがあるが、この日の題材ももちろん感心させられたもののひとつである(とはいえ、途中からざっとみただけなのだが)。
 砂川事件はいうまでもなく、米軍立川基地拡張計画にあたって地元住民が反発、最終的に計画撤回をさせたというわが国の近代史上に誇るべきできごとであったが、住民が勝利するまでには、暴徒と化した警官隊が測量強行にさいして反対のアピールをしていただけの住民に暴行を加え多数の負傷者を出すなどの流血沙汰があった。警官隊が暴徒と化した過程には、住民デモ隊の一部が米軍が設定した境界柵を越えたなどの事実も指摘されているが、このときの映像がテレビ電波に乗るなどして全国に波及、世論の見方は住民側を同情するものであり、国の取り締まりに対して批判的なものであったという。現在のこの国の連中にからは想像もできないけれど、その後の裁判では1審無罪を経たのち9条を含む憲法判断にまで及んだものの、最高裁の判決は形としては憲法判断を避け、被告(住民)の有罪が確定している。  



 件の番組では、米軍という外国の軍隊基地をめぐって日本人同士が血を流すことの愚劣さにも触れていたように思うが、映像に焼きつけられた現場で、丸腰の住民に対して棍棒の類で力一杯撲り続けていた警官たちは、いったいなにを考え、なにのために暴行を犯していたのか。武力でもって警察隊が住民を制圧するという事実は、警察という組織の役割の重要な一面をストレートに暴き出していた点で、大きな価値がある。そして、そうした事態は、現代にあってもなお……というより、現代にあってさらに起こりうる状況になっているということを、もう少しはナーバスな感覚で捉えておく必要があろう。砂川事件は過去の事件でもなければ、他人のできごともでない。
 それにしても、なにかにつけ“お上”に対して従順で大人しいと揶揄を含めて語られることの多い日本人だけれど、子細にみつめてみれば、そうではない面だってきちんと持ち合わせている。この先、動転の時代を控えて、そこにほのかな期待を持ちたいものではあるが、いかがなものだろうか。

 ところで、ここで書きたいのは砂川事件についてではない。件の映像が終わったあとのみのもんた氏のコメント、これである。
 記録したわけではないので、大雑把な要旨になるが(正確なデータをお持ちの方がいらしたらご教示いただければ幸いです)、
「(基地をめぐって)こういうできごと(砂川事件)がありました。そしていま、憲法改正が盛んに言われています。しかし本当にそれでいいのでしょうか? わたしたちはもっと真剣にそのことについて考えなければならないんじゃないでしょうか」
 あるいは聞き違いもあるかもしれないが、そんなひとことをつけくわえていたのである。真剣な面持ちで。もちろんあからさまに「憲法を変えてはならない」とか、逆に「改憲せよ」などとは言わない。だが、語り口やそのタイミングから察するに、みの氏の思惑は十分に伝わってくる。もっと事実を知り、知らしめよ。改憲という一方の側の論理でもって、議論にもなっていない議論もどきに疑問を持て、あるいは持たせよ。いま目前に迫っているのは、非常に恐ろしいことなんですよ。・・・誤解がないことを祈りつつ(?)、生放送を活かしたみの氏の発言に敬意を表したい。

 ひとりひとりの発言が、ますます重要になってきたと思う。

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 レジャーライター=植村誠の別館ブログです。
 ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
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