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猫池罵詈雑言雑記帳
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 状況は刻一刻と悪化の一途を辿っている。
 今回の震災を受け、まず感じたことのうちのいくつかを当日の夕方にアップした(※「人的要因が被害を拡大する」)が、その後の展開を目の当たりにし、ますますその感が強まってきた。

 そのさいたる主役が東京電力である。計画停電という名の「無計画停電」が首都圏各地を惑わし続けており、通常の市民生活はともかく(非常時ゆえ)、被災地や医療施設に対する配慮を著しく欠くその愚かしさ。1日をおいて、被災地域での停電を避ける方策がいちおうはとられたようだが、いかに想定を超えた非常事態とはいえ、一連の対応にはクビをかしげざるをえない。
 通常の市民生活でいえば、各種企業などへの配慮からか、東京23区内は一部を除き停電の実施区域から外されていたが、当然考えられるべき通勤のことがなんら考慮されなかったというていたらく。15日づけの「東京新聞」では、千葉県在住の同社記者が自宅からの出勤の模様を綴っているが、出勤したくとも鉄道をはじめとする交通機関が停電を理由に麻痺し、仮に職場に辿り着いたとしても、こんどは帰宅の心配をしなければならない状況だ。宮仕えの身である。鉄道が動かないからといって勝手に出勤を止められるワケではないのだ。企業側にもそれぞれの対応はあるにせよ、東京電力および半ば便乗的とも疑いたくなる運休を決め込んだ鉄道会社には、そうした配慮やら発想の類が一切ないように思える。

 鉄道会社でいえば、JR東日本の津田沼駅を利用している友人から以下のようなメールが届いた。


 いくら節電しなくてはならない状況でも、総武線全線運休なんてあり得ない。せめて少しでも動いていれば、全然状況は変わっていたはず。バカな判断のおかげで、どれ程一般市民が苦労してることか。帰りも総武線は走ってはいたが、西船までの運行。西船から千葉まで行くのに、致命傷になるほど電力がかかるの? なんだか地震やら電力やらを利用して、さぼっているとしか思えん。
──友人からのメール

 鉄道会社のほうにいかなる事情があったのかまではわからないが、友人が指摘するように、西船橋での運転打切りを理解するのは難しい。総武緩行線の千葉側の車両基地は津田沼にある。ならばせめて津田沼まであと3駅と思うのが利用者としての切実かつ正当な思いであろう(西船橋以東、隣の船橋では東武野田線および京成本線が接続、津田沼では松戸方面とを結ぶ新京成が接続しており、それぞれ乗継ぎ客は多い)。

 鉄道会社については機会をあらためる。問題は東京電力および政府、さらにごく一部を除く報道機関である。停電の件しかりだが、目下もっとも危険なのは原発であることは間違いない。ところが延々と続けられるテレビ報道からはごく小出しにしかその状況が伝わってこず、しかもおそろしいのはそれがどこまで事実であるのかがわからない点である(ざっとみたところ、原発関連では「朝日新聞」が力を入れているように思える。政府の対応を含め、ここ近年にあまりみられない報道姿勢をみせている。がんばりぬいて欲しい)。
 NHKをはじめ、大方のテレビ番組では、東京電力側の発表情報をおもなニュースソースとし、ようは“大本営発表”と大差がない。あるいは原発を推進した側の解説ばかりをタレ流し、安全だなんのと繰り返す。事故の主体者である東京電力の言い分など、どこまでが信用できるというのか? 原発での火災やら爆発事故の発生に関し、「現場職員が消防署に通報しました」などとトボケる幹部が居座るあの無能会社にだ。あるいは、管理責任者でありながら、いざ事故が起きるや、本来は原発関連の作業などとは関係のない自衛隊任せにし、挙げ句に原発作業訓練など受けているハズのない隊員への被爆を誘導した無責任会社にだ。
 しかも電力会社を利用して原発を推進してきた政府もまた、先んじた対応が一切できないのである。この国家の一大事にあたって総理大臣の姿がちっともみえてこないのも妙だが、調査も対応も基本的には東京電力任せ。ところが任された側にはその対応力も管理能力もまったくないことが明らかになったのに、なお具体的な対応をとれずにいるのである。もはや、調査や発表、対応などあらんかぎりの権限を東京電力から取り上げ、IAEAなど国際的機関を含む外部の専門集団にリーダーシップを譲る段階にすらきているのではないか? これ以上無能かつ無責任組織に任せることは、それこそ想定を遥かに超える大災害への道というものである(こう決めつけては悪いが、東京電力の社長を含む幹部サラリーマンや関係官庁のおエライサンの関心事は自らの責任回避と退職金、つぎの金のなる木探しに安定した老後……といったところがせいぜいなのではないか?)。

 いまなすべきことは、あらんかぎりの事実を明らかにし、考えうるかぎり最悪の事態までを想定して数歩先んじた行動をとることである。いかに酷い事実であろうとまずそれを受け止める。そのうえで対応をはかるというのが本当の意味での前向きな姿勢である。根拠なき楽観などは逃避と同義。前向きでもなんでもない。

「日刊ベリタ」によれば、現地ではテレビ報道とは段違いの汚染が拡がっている可能性が示唆されている。

「計器メーター振り切れ、放射線測定不能」
「針が振り切って測定できなかった」

 政府や東電が安全だ、安全だと言うばかりで、数値を発表しない、私は40回以上,チェルノブイリを取材していて、こういう状態は、おかしいと思い、自分の 目で確かめてみたい(中略)。飯館町(やはり50kmほど)というところで、食事をしたんですが、その付近で測定器にスイッチをいれたら、やはり針が振り切れそうで、車に乗って一寸移動したら、針が振り切れました。チェルノーブイリの 200mほどのところの倍くらい放射能があったわけです。
──リンク記事

 ここには、大本営発表をタレ流すばかりのテレビなどとはまったく異なる状況が窺える。
 あるいは写真家の藤原新也氏のつぎの指摘はどうか?
「巧妙な言葉のレトリックに惑わされてはならない。」

 先日はある学者が原発から10キロ離れた地点に1分間立っていて浴びる放射線の量は人が1年間で浴びる放射線の量より少ないから安心できるレベルだ、というようなことを言っている。(中略)この言葉を逆に読めば、10キロ圏内に住む人は人間が1年間365日に浴びる放射線に近い数値の放射線をわずか1分間で浴びることになるということになる。つまりかりにこの地点に1年間人が住めば60(時)×24(日)×365(年)=実に約52万5千600倍もの放射線を浴びるということになるのではないか。
──リンク記事

 長くなったので今日はこれぐらいにするが、もう1本だけ、昨日に続き白川勝彦氏のコラムを紹介しておくことにしよう。白川氏もまた、人為的混乱や災害を指摘している。

「2本を1本へ!!」

 今日の夕方、私は政府の本気度を確かめるために霞が関・内幸町を歩いて回ってみた。霞が関のビルは、どの庁舎も煌々と電灯が点っていた。内幸町にある電力供給のヘッドクォータ・東京電力本社ビルも同じであった。
 私が注目したのは、窓から見える蛍光灯の数であった。事務系や店舗の事業所の蛍光灯は、普通2本1組で設置されている。その2本の蛍光灯を手で外して1本にすれば、首都圏の電力需要は大幅に減少できる筈である。もし政府や東京電力が本気で節電を模索しているのであれば、その程度のことは当然に実施されていると思ったのだ。ところがそんな気配は全く無かった。
──リンク記事
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