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猫池罵詈雑言雑記帳
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 都議選がたけなわである。東京都民ではないけれど、今後の東京のゆきかたを占う選挙ということで関心を持っている。
 争点のひとつは、石原都政に対する審判であろう。たとえば新銀行東京問題。たしか民主党はさんざん持ち上げて推進した側であるハズなのに、(知る限りにおいては)なんら反省することもなく批判の声を挙げている。形のうえではいちおう野党ではあったらしいが、事実上の与党であった民主の無反省ぶりに対して都民がどのような判断を下すのか非常に興味がある。

 同じく築地市場移転問題。さらに東京オリンピック招致問題。個人的にはいずれも猛反対である。そもそもがなんのための移転であり招致なのか。あるテレビ番組でベルリンオリンピック関連のフィルムなどが紹介されたさい、ときの指導者・ヒトラーがまさに国威発揚を主目的としてオリンピック招致をゴリ押ししたというエピソードが流されていたが、それをみながら「あぁ、どこかの知事と同じですな」と素朴に思った。そのファシストぶりを含めて。さらに、下準備を含め、浮き世離れしたカネを注ぎ込んで、その果に待ち受けているモノを想像するとゾっとするというものだ。あるいは外環道建設問題はどうか。いや、そうした巨大事業だけの問題ではないだろう。都民ひとりひとりの経済問題や相次ぐ言論弾圧……問題(テーマとしても)は山積しているのである。

 テレビニュースでも都議選については日々放映されている。だが、そのなかにどこまで本来の関心事に迫ったものがあるだろうか。もっともひどいのがNHKである。
 7月5日正午のニュースでなにが“報じ”られていたか? たしかに都議選関連の話題はあった。だが、その内容たるや東京都議選として本来争われるべき点がものの見事に欠落しているのである。毎度おなじみの枕詞「衆院選の前哨戦として注目」といった紋切り型(*注)ではじまり、自創かあるいは民主のどちらが過半数を獲るのかという勢力争いにつながったかと思うと、あるべき争点がまったく語られないままにつぎの話題に移ってしまったのだ。いわんや、有権者の声の類は一切報道されていない。そのあとに報じられた殺人事件では、近所の住民の声が複数流されていたのにである。いったいこれはなにを報道したかったのか?

 ちなみにその番組の流れは大雑把に以下のようになる。
都議選〜自由の女神〜殺人(死体遺棄)〜マイケル ジャクソン〜松井(アメリカ野球)〜ローカルトップ=殺人・・・

 都議選といちおうしておいたけれど、実態はすでに記したとおりだから、報道というよりも薄めたオピニオンに近い。しかし、なんともバランバランな展開ではないか? 都議選のあとになぜ自由の女神が登場するのか? その直後には栃木だかどこだかの殺人(の疑い)事件が挿入され、いきなりマイケル ジャクソンなのである。それで国内のもっと重要な話題はないのかと思っていると野球の話に流れていってしまうのだ。これだって、たとえばサイクルヒットだの逆転サヨナラホームランだのノーヒットノーランだのを日本人選手が達成するぐらいの話題であればみる価値もあるというものだが、いかに日曜日とはいえ、ごく限られた時間枠のニュースということを考えるとどうしてそんなニュースがここで必要なのかクビをかしげざるをえないではないか。
 想像でしかないが、ある種の効果を狙ってこうしたとんでもない構成にしているのではないか。裏には入念に大衆の動向をシミュレーションした広告代理店の類が入っており、とすればサブリミナル効果を狙った構成である可能性だってある。少なくとも雑誌ではここまで無茶苦茶な流れにはしない。「都議選関連がこれっぽっちでいきなり自由の女神だ? 台割をつくりなおせ!」というのがごく常識的な編集というものであろう(エロ本ならともかく、報道番組である)。それほどに奇怪な構成をNHKが全国版ニュースで堂々とやらかしているのである(ただし、民放もまたまったく同じといっていい腰の座らないような構成になっているので、NHKがというよりも電波媒体に共通する現象であろう)。制作者のセンスがよほどないのか、でなければなんらかの意図があると穿ってもあながちマト外れではないのではないかと思うのだが……。

 もっとハッキリ言うと、あんなものばかりをみていると人間、バカになる。それほどにひどい。都議選に関するモノなど、極論すればニュースですらない。
 もっとも、この点に関しては視聴者のほうがよほど賢明らしく、たとえば『ジャーナリズムの可能性』(原寿雄・岩波新書)にはメディアに対する批判や不信を抱いている実態が紹介されている(138ページ〜)。問題の根幹は、権力批判という発想すら持ち得ないジャーナリズムもどきの腐敗というところにありそうだが、受け手としてもその取捨選択を含めて常識が問われているともいえよう。


*注:
 ほかに、経済や不景気の話題だと、「アメリカのサブプライム問題に端を発した」。そんなのがいくつもある。そうした紋切り型の枕詞を耳にするたびに、このニュース原稿をつくっているヒトは、はたしてモノを考えているのだろうかと不思議になってくるのである。そういや、同じニュースでは「同時多発テロ」なんていう誤っている可能性のある“流行語”をいまだに使っていた。「同時」はあるていど事実だろうが、「多発」とはいったいぜんたいいくつからを指すのだろう。こんな初歩的な疑問をいまさらのように取り上げても仕方のないことではあるが(笑)。

 おまけとして、「東京新聞」の都議選関連のページをリンクしておきます。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/09togisen/rensai/
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 レジャーライター=植村誠の別館ブログです。
 ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
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