前々回アップ(悪魔のシナリオが着々との巻・http://tocsin.blog.shinobi.jp/Date/20151118/1/)の続き。あるいは補足として。
<思うに、軍事介入をねらう軍部と冒険主義者とは切っても切れぬ関係にある。湾岸戦争はその好例である。イラクのフセインという冒険主義者なしにはアメリカの介入もなかった。軍産複合対といわれるアメリカの巨大産業が生きのびるにはどこかの地で紛争がおきることが必要である。第二次大戦も終わって五年もたち、不況をかこっていた軍需産業にとって「朝鮮は祝福であった。この地か、あるいは世界のどこかで、朝鮮がなければならなかったのだ」(米朝鮮前線司令官ヴァン・フリート将軍)。金日成はかれらにとって大いなる祝福であった。>(『朝鮮戦争 金日成とマッカーサーの陰謀』萩原遼・文春文庫297ページ)
引用したのは、同書「アメリカの大謀略」という章からの一節である。同書などの分析によれば、アメリカ合州国は朝鮮戦争にさいし先行南進を画策していた北朝鮮の動向をかなり正確につかんでおり、「知りつつやらせたのである。米軍側にとってその方がより大なる利益を手にいれることができるという計算であった(同書296ページ)」という事実が明かされている。
同書でも述べられているように、当時の米国は極右勢力がやや劣勢にあったといわれるが、「予想どおり金日成がとびこんでくるや、間髪をいれず米議会と国連を反共の大合唱に変えることに成功」(同)、「ハト派の比較的多かった国防省や良識派は完全に封じこめられてしまった。ダレスやマッカーサーら極右勢力の作戦勝ち」(同)となり、やがて朝鮮戦争は他国の領土を舞台とした米中戦争へとなだれ込んでいったのである(同時に韓国や日本の軍需産業がそれによって肥え太ったという事実にも触れておかなければならない)。
ここに語られている「朝鮮」は、そのまま「パリ」に置き換えられるし、「ニューヨーク」とすることも可能だろう。あるいは「IS」そのものとすることだってできるかもしれない。同時に、その実質的な被害者があのときパリやニューヨーク、あるいは旅客機に乗っていた無辜のひとびとであり、殺虫剤を浴びせられるように爆弾の雨を喰らいつづけている(た)シリアやイラクの罪なき市民たちであることは疑いようがない(同様にして朝鮮半島でも無数の血が流された)。
「パリは祝福であった。この地か、あるいは世界のどこかで、パリがなければならなかったのだ」
オレにはどうもそういう声が聞こえてくる。実質的被害者の片方を利用し、片方に対しては無視を決め込む。ベトナム戦争のさいには、戦場としてのベトナムの実態が日々報道されていたように思うのだが、シリアにせよイラクにせよ、そうした報道に接する機会は極めてまれだ。
こうして、謀略に乗せられているかあるいは便乗した連中とその提灯持ちとしてのマスメディアが「偏向」報道に徹し、自分たちもまたそうした犠牲者になりかねないという事実に気づかされないままに無辜のニッポンジンたちが操られてゆくのである。
やがてやってこないといえるだろうか?
「日本は祝福であった。この地か、あるいは世界のどこかで、日本がなければならなかったのだ」
■おまけ
ところで、我が家にも「マイナンバー」とうやらが届けられた。どんなものかと中身を検分してもほとんど要領を得ないが、あんなものはほっとくが勝ちである(顔写真つきカードなんて、中華人民共和国かと思いMASITAねぇ。もちろん申し込むような奴隷根性は持ち合わせていないが)。ざっと見たところでは、あんなのはオレが言うところの典型的な「パワーポイントなお仕事」である。パワーポイントはたしかに便利なソフトだが、どうもあの資料画面の体裁をそれらしくでっちあげるのに執心のまま、その実さっぱり中身のないプレゼンの類が跋扈しているように思えてならない。形だけ整ってりゃいいやという学力テストや形式書類的な発想でもあるが、ようなあんなものを考え出したヤツらのドアタマの中身がよ~く覗えてくるようである(笑)。
それにしても、あの名前。ありゃぁ「ユアーナンバー」の間違いなんじゃないのか? 別段、こっち(国民の側)が「くれ」といったシロモノでもなく、十全な説明も了解もないままにズルズルと予算が組まれ一方的に送られてきたんだから(「みなさまのNHK」の「みなさま」も同じ?)。もっともそんなエイゴもどきでごまかす(これも「パワーポイントなお仕事」に共通するセンスだ)のではなく、「国民管理番号」と正直にわかりやすくするほうが「理解」を得やすいと思うのだが、幸いにしてそんなまやかしにごまかされない日本人もまだまだ多いようである。
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