こういうのを“スクープ”とはいわないだろうか?
Link:http://lite-ra.com/2014/08/post-413.html
(中曽根元首相が「土人女を集め慰安所開設」! 防衛省に戦時記録が- リテラ)
朝方、ネット上のヘッドラインをチェックしていて、思わず読みふけったのがこのリンク記事である。
詳しくはリンク記事をお読みいただきたいが、内容はまさにその見出しどおり。あの「不沈艦」発言、わが祖国をアメリカ合州国という“宗主国”にとって奴隷以下の存在に貶めた中曽根康弘元首相の過去が、そのご当人の証言によって暴露されたのである。
恥ずかしながらその証言が綴られている『終りなき海軍─若い世代へ伝えたい』(松浦敬紀・編/文化放送開発センター刊)という著作は、このリンク記事を読むまでまったく知らなかった(早くに知っていればよかった。さっそくネット書店を検索したが、いまのところ品切れ状態。本日のベストセラーか?)。
記事によれば、本書に中曽根氏が寄稿、戦時中の思い出話を披露しているという。
タイトルは「二十三歳で三千人の総指揮官」。当時、インドネシアの設営部隊の主計長だった中曽根が、荒ぶる部下たちを引き連れながら、いかに人心掌握し戦場を乗り切ったかという自慢話だが、その中にこんな一文があったのだ。
「三千人からの大部隊だ。やがて、原住民の女を襲うものやバクチにふけるものも出てきた。そんなかれらのために、私は苦心して、慰安所をつくってやったこともある。かれらは、ちょうど、たらいのなかにひしめくイモであった。卑屈なところもあるし、ずるい面もあった。そして、私自身、そのイモの一つとして、ゴシゴシともまれてきたのである」
おそらく当時、中曽根は後に慰安婦が問題になるなんてまったく想像していなかったのだろう。その重大性に気づかず、自慢話として得々と「原住民の女を襲う」部下のために「苦心して、慰安所をつくってやった」と書いていたのだ。(リンク記事)
リンク記事では、さらに防衛研究所の戦史研究センターに保存されている当時の資料にあたり、中曽根氏の証言を裏づける内容を発見している。
すなわち、
「主計長 海軍主計中尉 中曽根康弘」「主計長の取計で土人女を集め慰安所を開設」という記載。それを裏付ける地図。中曽根元首相が自分で手記に書いたこととぴったり符合(後略。リンク記事)
である。
たとえていうなら、オセロゲームでずべてのコマがひっくり返るようなインパクトがある事実でありスクープだ(土人という表現にも注意。反動右翼というのは往々にして差別主義者である。本質的に“ドジン”なのはどちらか?)。だが、変わらないのだろう。この哀れな祖国とその国民とは。
それにしても。こんな“とんでも元首相”ではあるが、現在の自民党の諸君の面々と比べればおおよそマトモな政治家であり人物だったという気さえする。言い換えると、劣化する一方なのである。
■蛇足を承知で隣国の件
こうして“劣勢”が窺えてくると、「ほかの国だってやっている」だの「戦争とはそういうもの」だのといった言い逃れが飛び出してくるのも反動右翼の特徴といえるだろう。
しかしそんなことはなにも右翼じゃなくても事実は事実として承知しているものではないのか?
たとえば韓国についてはどうだろう。写真家の桑原史成氏はいくつかの著作のなかで駐在(占領と同義あるいは親戚)米軍相手に春をひさぐ韓国人女性の姿を捉えた写真と文章とを発表している。また、おもに日本人による買春ツアーをめぐる背景のひとつとして以下のような記述がある。
外貨高の乏しい韓国では、商工部(日本の通産省に近い)の黙認で妓生の宴が「商品」として外国人(おもに日本人)の観光ルートに組み入れられた。(『韓国真情吐露』(大月書店)
また、韓国元大統領・金大中氏(リスペクト!)によるつぎの証言。
ドル稼ぎ、いや今は円稼ぎかも知れないが、こうした売春行為を韓国政府が奨励しているふしがある。(『新・貧困なる精神 携帯電話と立ち小便』〈本多勝一/講談社〉中の本多氏との対談)
いずれも現大統領のご父君が君臨していた時代の話(前者は1970年代、後者は1973年)であるあたりも皮肉だが……。
これは大韓民国という国家、そして韓国人たち自らが総括しなければならない問題である(“客”であった日本人自身あるいは米軍の問題としても重要)。そして、中曽根氏が証言したようなわが国の過去は、日本という国家と日本人そのものが事実を知り、認め、その後の進路を選ばなければならないということにもつながる。「やられた側」が抗議するのは当然のことだが、それに対して「ほかでもやっている(から自分もやっていい?)」などという言い逃れをするのであれば、それはおのれの馬鹿ぶりを喧伝していることにほかならないではないか。恥を知れといいたい(祖国の過去を先んじて総括するのはどちらになるだろうか?)。
それはそれとしても、インパクトのあるスクープである。リンク記事にもあるとおり、「土人女を集め」たという元主計長・中曽根康弘氏の国会喚問の実現を望みたい。
※おまけ:
自民党(元・自民党幹部であった弁護士・白川勝彦氏=リスペクト! によれは反動右翼)が、わが国における「ヘイトスピ−チ(憎悪表現)」が国際的に問題視されたのに便乗し、首相官邸前や国会周辺での抗議行動などの規制を目論みはじめたという(ここでいう抗議行動の類は、たとえば「憲法を改悪せよ!」といったものではなく、原発再稼働や平成版治安維持法などに対するアンチテーゼであることはいうまでもない。それにしても人種・民族・国籍差別と原発問題との区別がつかないとは、底抜けの◎◎揃いですね)。
以前、当ブログで「日本版天安門事件」がいずれ起こることを予言(クーデター雑感の巻)したが、ひょっとするとこれはその予兆なのかもしれない。
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