たしかにホテルでみた29日付の『労働新聞』は、なぜか赤十字会談関係の記事を1行も載せていなかった。(『ルポ・朝鮮最近史』江口浩・現代史出版会・1973年・170ページ。原典は漢数字)
引用は、南北分断後にはじめて平壌入りした韓国代表団を乗せた自動車の一団が平壌の大通りをゆく様子を観察していた著者の驚きについて触れたものである。すなわち、1972年に開催された第1回南北赤十字本会談のため、北朝鮮民衆にとって祖国南側の代表団が27年ぶりに平壌の土を踏んだという歴史的できごとにも拘わらず、街ともども通りゆく一般市民たちは歓迎はおろか一切の関心を示していないように著者の目に映ったのであった。
それは一瞬の白昼夢にも似た光景だった。すれ違う車もない大通りをすさまじい勢いで疾走する高級車の長い行列。それを見ながら、ほとんど立ち止まりも振り向きもせず、無表情で歩き続ける通行人たち。(中略)ひょっとすると、韓国赤十字代表団がこの日共和国入りすることを民衆が知らされていなかったためだろうか。(前掲書)
さてここまでは話のマクラである。
話に聞くところによれば・・・各家庭に映された10月30日の19および21時のNHKニュースは、なぜか沖縄県知事選挙関係についてひとことも触れていなかった(同日は告示日)。
オレ自身がその現場に立ち会ったワケではないので「聞くところによれば」とした。また、あるいは地方によっては挿入された可能性もあるが、これが事実だとすれば、なんとソックリではないか。『労働新聞』とNHK。そしてその背後に蠢く面々が(まぁ『労働新聞』の場合は背後とはいわないかもしれないが)。
さすがに、選挙投開票日にはさしものNHKも沖縄の選挙について触れざるをえなかった。しかし、たとえば19時のテレビニュースはどうだったか?
なんとトップは単なる“マイナーな”イベントにすぎないプロ野球・ヨミウリと阪神とのOB戦だったのだ。まぁ、こんなのはいつものことで……などと達観してる場合ではない。驚きを通り越して怒りに昇華していたころ、「週プレNEWS」がこの件についてコラムを配信していた(11月27日06時00分)。題して「沖縄知事選より巨人vs阪神OB戦に錦織? 民意を無視して政権の味方をするマスコミは大丈夫か!」。
オープニングの話題はその日行なわれた「巨人×阪神のOB戦」。その後に解散・総選挙関連のニュースが続き、テニスのATPファイナルで活躍した錦織圭の話題、G20での安倍首相動向と続いて、ようやく沖縄県知事選のニュースというオーダーだったのだ。
(同記事)
まさにその通りなのであるが、同記事では御用メディア仲間であるヨミウリとサンケイの社説についても触れており、仰天をはるかに通り越した腐敗ぶりをあからさまにしている。
翁長氏の圧勝で示された「民意」の重さを強調する朝日・毎日に対して、読売・産経の2紙は「辺野古移設を停滞させるな」(読売)、「政府は粛々と移設前進を」(産経)と、沖縄県民の選択を正面から否定する社説を掲載。
産経が翁長陣営を「辺野古反対の一点で結集した砂上の楼閣」と断ずれば、「(反対だけで)代替案を示さないのは責任ある態度ではない」と批判する読売。さらには「普天間固定化するのでは」(産経)、「振興策どうなる、不安」(読売)と、脅し文句まで繰り出して政府の立場を代弁するかのようだった。 (同記事)
もちろん、意見を表明するのは悪いことではないし自由というものだが、こうしたザマからこそ、以前触れた(嬉々とするマスメディア・・・の巻)御用マスコミの重大無責任ぶりがよくわかるというものだ。
ところで、テレビをはじめとする大半の御用マスコミを除くメディアを中心に、自民党がマスメディア相手に妙ちきりんな“要請”をしたことが報じられ一部で話題になっている。
これは11月27日に報じられたもので、自民党が在京テレビ各局に対し「選挙期間中の報道の公平性を確保するように」という旨の“怪文書”を送りつけたというのである。
最初、この報を目にしたときに、こりゃぁとんだブラックユーモアだと噴出しそうになったものだが、彼ら自民党(およびその背後に巣食う賊ども)の理想はといえば、冒頭に引用した『労働新聞』と各メディアが成り下がってくれることなのは間違いない。ついいましがた、NHK17時50分のBSニュースを目にしたが、殺人事件の死刑判決確定だのアメリカ合州国の黒人抗議行動関連といったヘッドラインであり、国内の重要な問題としての国政選挙についてはこれっぽちも触れていなかった(この時間はいつものことだが、それでニュース番組をやる意味があるのだろうか? 受信料を強制しておいて)。
もはや、こう断言するほかはない。
この、腐れクズどもが!
◎ついしん:今回の総選挙、その真の争点を、白川勝彦氏(リスペクト!)が明快に打ち出している。ぜひご一読を。
*ストップ the 安倍ー永田町徒然草
引用は、南北分断後にはじめて平壌入りした韓国代表団を乗せた自動車の一団が平壌の大通りをゆく様子を観察していた著者の驚きについて触れたものである。すなわち、1972年に開催された第1回南北赤十字本会談のため、北朝鮮民衆にとって祖国南側の代表団が27年ぶりに平壌の土を踏んだという歴史的できごとにも拘わらず、街ともども通りゆく一般市民たちは歓迎はおろか一切の関心を示していないように著者の目に映ったのであった。
それは一瞬の白昼夢にも似た光景だった。すれ違う車もない大通りをすさまじい勢いで疾走する高級車の長い行列。それを見ながら、ほとんど立ち止まりも振り向きもせず、無表情で歩き続ける通行人たち。(中略)ひょっとすると、韓国赤十字代表団がこの日共和国入りすることを民衆が知らされていなかったためだろうか。(前掲書)
さてここまでは話のマクラである。
話に聞くところによれば・・・各家庭に映された10月30日の19および21時のNHKニュースは、なぜか沖縄県知事選挙関係についてひとことも触れていなかった(同日は告示日)。
オレ自身がその現場に立ち会ったワケではないので「聞くところによれば」とした。また、あるいは地方によっては挿入された可能性もあるが、これが事実だとすれば、なんとソックリではないか。『労働新聞』とNHK。そしてその背後に蠢く面々が(まぁ『労働新聞』の場合は背後とはいわないかもしれないが)。
さすがに、選挙投開票日にはさしものNHKも沖縄の選挙について触れざるをえなかった。しかし、たとえば19時のテレビニュースはどうだったか?
なんとトップは単なる“マイナーな”イベントにすぎないプロ野球・ヨミウリと阪神とのOB戦だったのだ。まぁ、こんなのはいつものことで……などと達観してる場合ではない。驚きを通り越して怒りに昇華していたころ、「週プレNEWS」がこの件についてコラムを配信していた(11月27日06時00分)。題して「沖縄知事選より巨人vs阪神OB戦に錦織? 民意を無視して政権の味方をするマスコミは大丈夫か!」。
オープニングの話題はその日行なわれた「巨人×阪神のOB戦」。その後に解散・総選挙関連のニュースが続き、テニスのATPファイナルで活躍した錦織圭の話題、G20での安倍首相動向と続いて、ようやく沖縄県知事選のニュースというオーダーだったのだ。
(同記事)
まさにその通りなのであるが、同記事では御用メディア仲間であるヨミウリとサンケイの社説についても触れており、仰天をはるかに通り越した腐敗ぶりをあからさまにしている。
翁長氏の圧勝で示された「民意」の重さを強調する朝日・毎日に対して、読売・産経の2紙は「辺野古移設を停滞させるな」(読売)、「政府は粛々と移設前進を」(産経)と、沖縄県民の選択を正面から否定する社説を掲載。
産経が翁長陣営を「辺野古反対の一点で結集した砂上の楼閣」と断ずれば、「(反対だけで)代替案を示さないのは責任ある態度ではない」と批判する読売。さらには「普天間固定化するのでは」(産経)、「振興策どうなる、不安」(読売)と、脅し文句まで繰り出して政府の立場を代弁するかのようだった。 (同記事)
もちろん、意見を表明するのは悪いことではないし自由というものだが、こうしたザマからこそ、以前触れた(嬉々とするマスメディア・・・の巻)御用マスコミの重大無責任ぶりがよくわかるというものだ。
ところで、テレビをはじめとする大半の御用マスコミを除くメディアを中心に、自民党がマスメディア相手に妙ちきりんな“要請”をしたことが報じられ一部で話題になっている。
これは11月27日に報じられたもので、自民党が在京テレビ各局に対し「選挙期間中の報道の公平性を確保するように」という旨の“怪文書”を送りつけたというのである。
最初、この報を目にしたときに、こりゃぁとんだブラックユーモアだと噴出しそうになったものだが、彼ら自民党(およびその背後に巣食う賊ども)の理想はといえば、冒頭に引用した『労働新聞』と各メディアが成り下がってくれることなのは間違いない。ついいましがた、NHK17時50分のBSニュースを目にしたが、殺人事件の死刑判決確定だのアメリカ合州国の黒人抗議行動関連といったヘッドラインであり、国内の重要な問題としての国政選挙についてはこれっぽちも触れていなかった(この時間はいつものことだが、それでニュース番組をやる意味があるのだろうか? 受信料を強制しておいて)。
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