しかしまぁよかったじゃないか。
これでめでたく消費税は10%に上げられるし、大企業の内部留保も増える。消費税についていえば、10%に留まる必然性はなく、遅くとも次期政権時にはその倍程度にまで引き上げられても文句はいえまい。
TPP締結によって農産物などの大幅値下げもあるだろうから、消費税増税ぶんぐらいなどそれで相殺できるぞ。よかったですねぇ。もっとも、円安による輸入経費の増加ぶんがどなるかは知る由もないが。
武器輸出、あるいは自国による兵器消費拡大が進めば、軍需産業はわが世の春。当然、宗主国からの輸入も増え、“貿易摩擦”問題も軽減される。もちろん実戦だってOK。やりたければ好きなだけ戦争ができるように、これからはなってゆくのだ。それがアメリカ合州国型の戦争、すなわち自国の一切を戦場にせず、ひたすらに外国およびその領土・領海を戦場にしてゆくのであればともかく、反撃を食らって祖国に爆弾の雨が降るようになれば、増えすぎた人口にも歯止めがかかるであろう。よかったじゃないか。もっとも、アメリカ合州国型であれば、死ぬのは若者が中心になるのは必定で、生き残るは高齢者ばかりということにもなりかねないが。
しかしそれには大きな覚悟が必要だぞ。ヘタをすれば、宗主国を除くすべての国々を敵に回す可能性すらあるからだ。隣国の韓国にとってもアメリカ合州国への従属度は高いが、それでもニッポンに対する警戒を高めるであろう。中国も然り。ロシアも然り……。もちろん、イスラム諸国からもにらまれる可能性は高い。
ぁあ、原発。せっかくだから、日本中を原発要塞にしてみたらどうだ? まさに原発立国として世界にアピールするのだ。なにを恥ずかしがることがある。これがニッポンだと胸を張ればいいんですよ。
しかし、祖国はますます荒廃するだろう。経済的には、不労所得を得られる者のみが冨を享受し、それどころかマトモに働いたところで正当な報酬すら受けられなくなる社会になってゆくだろう。いつのころからだったか、小学生向けに「投資教室」なんぞを開いているとも伝えられるが、これなどは「働かないでカネを得るべし」と子どもたちに吹き込んでいるようなもので、そんなのを間に受けた子どもたちが、長じてどうなるかは知れたものではない。「働くヤツはバカだ」とでも真顔で言い出しかねないのではないか?
それとともに、不労所得に対する税負担はますます喪失され、言い換えると真面目に働く人や企業ばかりが税を負担するという仕組みになってゆくのである。当然、税収入の減少にもつながり、ここでまた消費税増税に頼ることになる。
もちろん税の一種としての健康保険税収入もますます厳しさを増すだろう。あるいは、年金負担をできない層がさらに拡大する。そうなれば、国家としての社会保障は破綻せざるをえない。
ああそうだ。御用マスコミのみなさんもよかったじゃいですか。これでコムズカシイこともせず、政府・与党、あるいは財界の意に沿ったネタを従順にタレ流せばメシが食っていけるのだ。北朝鮮の「労働新聞」なみに生活が保障されるわけだが、“粛清”のリスクもそれなみか(笑)?
いまや、祖国は死の寸前にある。
一方であべのなんとかなる妙ちきりんな名称を戴いた「危険ドラッグ」によるトリップに酔い、一方でヤケクソを起こしているようにもみえる。そのヤケクソのひとつが、異常とも思える選挙の低投票率にも顕われているように思うが、それはまた、アベ政権がこれから目論むヒステリー政治として噴出してゆくのだ。
言い換えよう。
ニッポンジは、祖国の死を早めたのだ。本質的治療の機会を棄てて……。
以上が、今回の総選挙を受けての最初の感想である。
しかし、一方では沖縄が大きな結果を出した。その根底にあるのは「怒り」であろう。その「怒り」の意味を、これからどれだけのニッポンジンが理解し、自らに結びつけていけるか。今度に託せる希望があるとするならば、それだけのような気もする。
一部では、自民党が実質的に議席を減らしたことなどを挙げ、自民の勝利を否定ないし揶揄するムキもあるが、とんでもない。こと選挙結果だけからみれば、連中の大勝利である。なぜか? それは、野党の大半がもはや自民と同列ないしそれをしのぐ右翼に寡占されつつあるからだ(唯一、ウルトラ右翼の次世代(あの世@藤原新也)の党が豪快に議席を減らしたのは痛快だったが)。
つぎの表は、オレ個人の勝手な視線で現在のニッポンのおもな政党の位置づけをしてみたものである(クリックで拡大)。
なにがいいたいか?
維新だの次世代(あの世)などは自民と同類ないし、それ以上の反動勢力であり、もはや「保守」といいえるのが皮肉にも共産じゃないのかということだ。もちろん、旧来からの左翼的な面は持つにせよ、その主張を読むかぎり、本当の意味(ニッポン流れに「保守=右翼」ということでなしに)での「保守」勢力に思えてならない。言い換えると、それだけもともと「保守」と呼ばれていた勢力が反動化したということだ。
その保守・共産に「安倍批判票」とも解釈できそうな票が集まったのは興味深い。同じだけの議席を民主だのにくれてやるよりは、よほど野党にあるべき抵抗勢力となるであろう。この点だけは明るい材料といえるかもしれない。
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