ウォール街への抗議行動は、その後全米各地に拡がったばかりでなく、わが国をはじめ韓国や香港、欧州へと拡大している。ロンドンでの参加者は「1%の大金持ちが世界を支配し、99%が犠牲となっている。いまの制度はうまくいっていない」と語ったといわれるが、“制度”を背景のひとつとして捉えた点にまず注目する必要があろう。問題の根幹のひとつは、そうした“制度”、あるいは構造であり、それをつくりあげ利用している連中にあるからだ(わが国でいえば、経団連を筆頭とする財界──すべてとはいわないが──およびコイズミスネオだのタケナカヘイゾーだのといった政治家らがひとつ思い浮かぶ。現政権首脳の一部にもそれはいる)。
こうした動きを、先般からアフリカやアラブ地域で起きたある種の革命との関連づけや対比をしようとはいまのところ思っていないが、こうした大衆意識の変化は、ひょっとすると世界を大きく変貌させるエネルギーになる可能性もあるのではないか。ことに、世界中から“カネ持ち”とされているアメリカ合州国内部からのうねりであることは重要だ。
以前、当ブログの「資本主義の崩壊?の巻」では以下のように記した。
抗議行動が標的に挙げる「99%のわれわれ」に対する「1%富裕層の貪欲」という構図は、まさに現代社会の実相を示しているように感じられるが、これはまさにアメリカ合州国型現代資本主義が「ひとびとの幸せにつなが」っていないことを示唆するものにほかならないのではないか。むしろ、なんのために経済を成長させる(富を得る)のかとの意味に立ち返れば、貪欲きわまる「1%富裕層」こそがその目的を失っているとみることも可能であろう。そうした目的を失った数字なぞカジノのチップと同様であり、しかも終わりなき道にハマリ込んでいる。そこにあるのは生活の向上やその糧としての経済活動に利するカネではなくなっているからだ。同じ回には以下のようにも記した。
こうした大衆行動が、ことにアメリカ合州国国内においてどれほどの規模であり力となりうるのか、同時に世界規模でどこまでの潮流となってゆくのかはわからない。しかし、「99%」のひとびとが自らが置かれる事態をみつめる切っ掛けとして期待したいし、それがひいては経済活動の健全化を生み出す力となってゆくのかもしれない。
さて、本題はじつはここからである。
アメリカ合州国での行動を伝える報道をみて感じたのは、はたして彼らひとりひとりがほかの国々のひとびとのことをどれだけ慮っているだろうかという疑問であった。ほかならぬ自分が属する国家(究極的には財界)が、ほかの国や地域のひとびとをどれだけ苦しめてきたか。アジアやアフリカ、アラブ、南米……。こういう視点に立つと、じつは彼ら自身もまた「貪欲」な少数の側にあるのであり、ではさて「99%」の側に対し、彼らがどういう態度をとっているのかということになってしまうからだ。
断っておくが、真の意味での「グローバル」な視点に立ったとき、“親米”の国や大衆などごく限られた存在だ。この点では、日本や韓国こそが例外なのである。そうした現実とそこへの道のりを、彼らはどこまで知り、理解できているのだろうか(同時に、アメリカ合州国“国民”とされた先住民と彼らの現状にからむ“建国”についての理解はどうなのか)。
かつては有事として「冷戦」に関心を寄せてきたアメリカ合州国大衆。それがいまや「テロ」に向けられているが、いままさに自分たちが気づき、行動に打って出ているのとじつは近しい理由が「テロ」を生み出すひとつの要因になっているという見方もできるかもしれない。もちろん、大衆による平和的行動と「テロ」の類とを同列に並べようとは思わない。だが、その発露の仕方や結果は別物であっても、行動を生み出す構造という見方をするとき、はたしてアメリカ合州国を好ましく思っていない諸外国のひとびとの心情を無視することができるのだろうかと思うのである。逆にいえば、彼ら(といってもなにもアメリカ合州国市民だけでなく、自分を含むわが祖国についても同様)の思いや行動がその段階にまで達したとき、その力が世界を変えてゆく手立てにすらなるのではないかという希望を持ちたいワケだ。
ところで。そんな潮流が起こりつつあるなか、相も変わらずアメリカ合州国に盲従し「1%」のための寄与に邁進するわが国政権と政府。TPPについては、大衆の間にもかなりその真の狙いと問題点とが伝わってきていると思うが、しかるに「おばけ」がどうのとあの前原発言。ありゃぁ「おばけ」というより仏教でいうところの「餓鬼」であり、ひょっとするととっくにカビてしまったかもしれないある種の経済論にからめとられた“時代遅れの王様”であろう。掬いようのないドジョウといい、なんともおめでたいひとびとではある。
以前、当ブログの「資本主義の崩壊?の巻」では以下のように記した。
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抗議行動が標的に挙げる「99%のわれわれ」に対する「1%富裕層の貪欲」という構図は、まさに現代社会の実相を示しているように感じられるが、これはまさにアメリカ合州国型現代資本主義が「ひとびとの幸せにつなが」っていないことを示唆するものにほかならないのではないか。むしろ、なんのために経済を成長させる(富を得る)のかとの意味に立ち返れば、貪欲きわまる「1%富裕層」こそがその目的を失っているとみることも可能であろう。そうした目的を失った数字なぞカジノのチップと同様であり、しかも終わりなき道にハマリ込んでいる。そこにあるのは生活の向上やその糧としての経済活動に利するカネではなくなっているからだ。同じ回には以下のようにも記した。
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こうした大衆行動が、ことにアメリカ合州国国内においてどれほどの規模であり力となりうるのか、同時に世界規模でどこまでの潮流となってゆくのかはわからない。しかし、「99%」のひとびとが自らが置かれる事態をみつめる切っ掛けとして期待したいし、それがひいては経済活動の健全化を生み出す力となってゆくのかもしれない。
さて、本題はじつはここからである。
アメリカ合州国での行動を伝える報道をみて感じたのは、はたして彼らひとりひとりがほかの国々のひとびとのことをどれだけ慮っているだろうかという疑問であった。ほかならぬ自分が属する国家(究極的には財界)が、ほかの国や地域のひとびとをどれだけ苦しめてきたか。アジアやアフリカ、アラブ、南米……。こういう視点に立つと、じつは彼ら自身もまた「貪欲」な少数の側にあるのであり、ではさて「99%」の側に対し、彼らがどういう態度をとっているのかということになってしまうからだ。
断っておくが、真の意味での「グローバル」な視点に立ったとき、“親米”の国や大衆などごく限られた存在だ。この点では、日本や韓国こそが例外なのである。そうした現実とそこへの道のりを、彼らはどこまで知り、理解できているのだろうか(同時に、アメリカ合州国“国民”とされた先住民と彼らの現状にからむ“建国”についての理解はどうなのか)。
かつては有事として「冷戦」に関心を寄せてきたアメリカ合州国大衆。それがいまや「テロ」に向けられているが、いままさに自分たちが気づき、行動に打って出ているのとじつは近しい理由が「テロ」を生み出すひとつの要因になっているという見方もできるかもしれない。もちろん、大衆による平和的行動と「テロ」の類とを同列に並べようとは思わない。だが、その発露の仕方や結果は別物であっても、行動を生み出す構造という見方をするとき、はたしてアメリカ合州国を好ましく思っていない諸外国のひとびとの心情を無視することができるのだろうかと思うのである。逆にいえば、彼ら(といってもなにもアメリカ合州国市民だけでなく、自分を含むわが祖国についても同様)の思いや行動がその段階にまで達したとき、その力が世界を変えてゆく手立てにすらなるのではないかという希望を持ちたいワケだ。
ところで。そんな潮流が起こりつつあるなか、相も変わらずアメリカ合州国に盲従し「1%」のための寄与に邁進するわが国政権と政府。TPPについては、大衆の間にもかなりその真の狙いと問題点とが伝わってきていると思うが、しかるに「おばけ」がどうのとあの前原発言。ありゃぁ「おばけ」というより仏教でいうところの「餓鬼」であり、ひょっとするととっくにカビてしまったかもしれないある種の経済論にからめとられた“時代遅れの王様”であろう。掬いようのないドジョウといい、なんともおめでたいひとびとではある。
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ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
なお、トラックバックおよび「コメント」は受けつけない設定にしております(当面はBBSへどうぞ!)。
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