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猫池罵詈雑言雑記帳
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 先月27日から4日までの日程で韓国取材に繰り出してきた。夏を挟んでおよそ3カ月ぶりの訪問である。今回は釜山から晋州、陜川などを経てソウルに到達したが、その過程で妙なことに気がついた。

 どうも体格のよろしい韓国人の若者が増えているようなのである。体格がいいといってもモノの言いようであり、あからさまに言えば肥った若者がこれまでになく目立ったのであった。
 ここ数年にかけて、個人旅行としては比較的頻繁に訪問しているほうだとは思うが、そう感じたのは今回がはじめてである。それだけでなく、テレビをつけていたらおそらくはその体格を売り物にしているらしい女性タレントがステージに上がっていた。ある集団(民族・国民など)の平均的体格が目にみえるほどに変化するためにどれだけの時間が必要なのかはわからない。あるいはこれまで街などを歩いてこちらが気づかなかっただけかもしれず、そういう意味ではこんな観察に意味があるとも思えない。しかし、ことに成長期にある高校生以下(下は小学校就業以前と思われる子も)の若者にこそその傾向が目立って感じられたことから、ひょっとするとみたとおりのことが起きている可能性だって捨て切れないのではないかと思うのだ。

 このごろの日本では、いわゆるKーPOPのタレントたちが人気を呼んでいるが、その多くが規格化されたかのようにファッションモデル並のスタイルで迫り、とりわけ“脚線美”がファンの目線を捉えているムキもあるようだ。しかし、彼らはそれ相応に抜きん出ているかもしれないが、ごく大雑把に観察して、韓国人のスタイルは彼らタレントのそれに近いほどに“向上”しているといっていい。とくに若い層になればなるほどその度合いは高く、中高生あたりでも平均的な身長は日本人より高く、足腰や肩回りの骨格もしっかりしているよう思える。これは数値化されたデータなどによらない印象にすぎないが、たとえば高校生などの下校集団を目視で比べると、否応なしにその違いがみえてくるに違いない。その一方で、いわゆる“肥満児”の度合いはさほど高くないという印象があったのだ(もちろん「いない」ということはないが)。
 断っておくが、ひとそれぞれの体格(個性)にあれこれイチャモンをつける気はまったくなく、むしろ“痩せぎす”よりはいくらかでもふくよかなほうに好印象を持つこともしばしばだが、ここで気になったのはその背景なのである。

 あくまでシロウト観察ではあるが、そのひとつとして注目しているのが若者の食生活である。おやつやちょっとした買い食いなどは、子どもや若い層にとって楽しみのようなものだが、韓国で日本と大きく異なるのがおやつの内容である。まず主役を務めるのが屋台であろう。トッポキ(辛い餅)やおでん、ホトック(小麦粉生地の焼き菓子)、タイヤキなどで、これらは子どもだけでなく仕事帰りのOLなども自然につまんでいる大衆食だ。例外はあるかもしれないが、これらに共通するのは工業製品でないというところにある。ひとつひとつが手づくりで、いちおうは自然食の仲間にできる。一方で、日本やアメリカ合州国はどうか。日本での主役はもはやコンビニであり、そこで口に入るものの大半が工業製品であったりごく規格化された商品である。そして日米ともに共通するファーストフード店……。アメリカ(合州国)人の極肥満化については、たとえば『新・アメリカ合州国』(本多勝一・朝日文庫)などに報告されているが、ここでの断言を措くとしてもそうした規格商品が集団としての体型に影響していないとはいえないのではないだろうか。
 こうしたコンビニやファーストフード店は、もちろん韓国でも盛んだ。コンビニにいたっては日本よりも密度が高いのではないかとすら感じられるが、ではなにが違うかといえばその価格帯なのである。品物や品目によっても異なるとはいえ、コンビニでの物価はじつは日本と大差があるワケではない。ビールや焼酎などは日本の感覚からすれば割安だが、子どものおやつ的品目では負担は小さくはない。たとえば街の食堂でチゲ(鍋料理)定食にビール1本の夕食をとって8000〜1万ウォン。ところがその足で翌朝のサンドイッチやコーヒー、宿で飲むビールや飲料水、そこに菓子のひとつでも含めると簡単に1万ウォンを超えてしまうのである。ファーストフード店ではなおさらで、ハンバーガーや揚げイモ、あるいはそのセットものなどの価格は実感として日本よりも高い(セットで8000ウォンなど)。この円高にあってもそういう実感なのである。
 そうなると、これらの店が日常的なおやつに使えるとは思えないが、たしかにファーストフード店をみるとその軒数はけっして多くはない。その一方で、屋台は割安。さきに挙げたラインナップであれば、ひとつ(皿・串)500〜1000ウォンていどで楽しめる。単に友だちや仲間をわいわいやりながら小腹をみたすにはもってこいの庶民食といえるだろう。

 ところが、韓国内でみた複数のテレビニュースによれば、その構図に変化が生じているらしい。学校帰りの買い食い先にコンビニやファーストフード店が好まれるようになっているというのだ。コンビニではカップ麺の人気があり、店内に設けられた休憩スペースでつついてる風景によく遭遇するが、そうした習慣はさておいても、平均的な所得の変化などに起因した現象と捉えることもできるかもしれない。
 そうしたことは今回の取材で感じたような現象に結びついているのだろうか? いずれにせよ具体的データにはよらないため断言は避けるけれども、じつはわが国とも関連していまひとつ注目すべき点を含んでいるのがこうした食生活なのである。

 その注目すべき点とは歯である。以前、雑誌「愛してるっ!! 韓国ドラマ・VOL35」で紹介したことがあるが、大雑把にいえば、こうした新興食の多くが「かまなくていい」といった類の食品であり、それが習慣化することによって歯や歯列に悪影響を及ぼすというのである。とりわけ歯列(歯並び)への影響は深刻で、やがて身体全体の骨格が崩れてゆくことになる。当然、運動能力への悪影響も出るが、取材させていただいた丸橋賢医師によれば、運動部所属の中学生が杖なしには歩けなかったなどの激烈な症例に事欠かないというから、コトは深刻だ。

 丸橋医師は最近の「かまなくていい」食に対し、もっと「かむ」食をとることと奨励しているが、これはなにもガチガチのモノをかめというのではなく、リンゴやナシのような果物やタクアンなどの漬物、ニンジンやキュウリなどの野菜類、メザシなどの干物ていどで十分だという。もちろんハクサイキムチやカクテギ、トッポキなどもそれにあたる。
 じつはこうした現象は韓国内でも注目されており、ファーストフード店で食事をとる子どもたちを“イメージ映像”に、最近みられるという歯列の変化を報じるテレビニュースをやっていたこともある。先の丸橋医師も韓国人医師との連携をとっているという。しかし、逆にみればそうした現象が注目されてきたことがすなわち若年層における食の変化が顕在化しているということになりはしまいか。伝統的な「かむ」日常食から「かまなくていい」工業製品への移行はひょっとすると想像以上に進んでおり、それが集団としての体型の変化ということで旅行者に感じられた可能性はある。

 資料の入手とともに具体的な取材ができたところで、いずれまた触れてみたいと思う。さしあたりは、わが祖国・日本の現状を顧みつつ、隣国の変化の観察を自分なりに続けてゆきたい。
 
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