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猫池罵詈雑言雑記帳
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 29日、福島第一原発の廃炉に向けた行程の原案がとまったとの報道があった。これは国の原子力委員会の専門部会が28日にまとめたというもので、報道によれば廃炉の完了までに「30年以上の期間を要する」としているという。

 どういうことか? ようは、原発とはそういうシロモノだということを、ほかならぬ“推進者側”が表明したということである。しかもこの「30年」という数字は、あくまでも作文上に示された「目標」にすぎず、「30年以上」の「以上」が実際にどれほどのものなのかがとうの本人たちからしてわかっていない「推定」である(それとも、本当はもっと精確に捉えられているものを少なく見積もったか?)。
 くわえて愚かなのが、核燃料の回収という重要部分について、世界でも前例ながく、したがって技術開発からはじめなければならないという事実であろう。言い換えて差し上げれば、いま現在事故を起こしていない世界中の原子力施設についても、その後始末がお手上げ状態であり、事故に対する実際面の備えもなければその開発すら進められていないということにほかならない。ということは、原子力がなんのといったところで、人類はそれを本質的に使いこなす技術も権利も持ち合わせておらず、「赤ん坊に刃物」状態であったというワケだ。大方、どうにかなるさぐらいに高をくくっていた(る)に違いないが、地球レベルでみて、これほどに無責任な事実がほかにあろうか?

 それにしても、ひとくちに「30年」といったら、ひとの1世代ぶんである。今日、この瞬間に産まれた子どもが、つぎの世代を産むまでに十分な時間だからだ。「30年」あれば、ひとや社会はどれほど多くのことをできるのだろうと思うし、この「30年」だけをみても、世の中は大きく変化してきた。そしてこの机上の作文が、「廃炉」までに「30年以上」かかるとした。あくまで「廃炉」だから、現状復旧以前までの数字であり、かつ単純に「以上」である。ふざるにもほどがある。
 原発に限らず原子力を使うということがなにを意味するのかについて、いまいちど考え直す必要があろう。繰り返すが、これは事故処理だけでなく、このいまも生産されている核廃棄物についても同様だからだ。

 ところで、この作文には、目標の実現に向けて「オールジャパン体制」の構築が必須と書かれてあるという。これは、各省庁や民間などで協力体制をとるという意味だとはいちおう理解できるが、考えようによっては、これほど傲慢かつ恥知らずな言いようもないのではないか? 原子力で儲けていた連中が、いざ自らのカネモウケのタネに問題が起きるや「おまえら(国民)も手を貸せ」。もっといえば「おまえらの責任だろ」との開き直りにすら思える。以前記したが、原発の最大の受益者は原発メーカーやその周辺の有象無象である。たしかに国民ひとりひとりが使っている電力の一部には原発によって発電されたものが含まれていたとしても、それは国民の側が望んだことではないからだ。われわれ一般庶民は、本当は原発の電気など欲しくはないのに(まぁ、日常はそこまでは考えていないとは思うが)、否応なしに原発の恩恵をさも受けているがごとき状態にされているにすぎないのである。したがって、この「オールジャパン体制」とやらには、必ずその責任の所在を明確にすることが前提でなければならない。でなければ、こうした事件は今後も起きうるであろう。

 さて、蛇足。この「オールジャパン」って言い方そのものも恥知らずだとは思わないだろうか? いうまでもなく、わが国は「日本」である。「ジャパン」というのは英語という一外国語が言うところの「日本」にすぎなく、ほかの言語上では通用しないローカル語であろう。ドイツ語ではどうか。フランス語では。あるいは韓国語や中国語、ペルシャ語、ギリシャ語、オランダ語、インドネシア語、スワヒリ語……etc.。そうした国々を旅(一般的にいうビジネスでの出張はさておき)したことのあるひとならば、英語なんぞが特権的言語であるなど幻にすぎないことを体験しているハズだ。ビジネスの場やホテルなどでは通じるケースも多いとはいえ、一般庶民にとっては単なるよその国や他民族の言語にすぎないのだからあたりまえだ。したがって、オレ個人のやりかたでいえば、「どこから来た?」と英語圏の外国人に英語(母語)で問いかけられればいちおう「ジャパン」と答えるけれど、ドイツであれば「ヤパーナ」だし、韓国では、それがたとえ韓国人に英語で聞かれたとしても「イルボン」である(ついでに、ホテルなどで署名するときや自己紹介のときは断固として姓ー名の順である。もちろんこれで問題になることはないし、必要ならば日本名の順序についてひとこと添えればいいだけの話)。
 かようにして、英語など、世界的にみればイギリス発祥のローカル言語にすぎないのだが、幸か不幸か、“宗主国”のアメリカ合州国が国語としているがゆえに(ただし先住民の言語もあれば、同じ侵略言語のスペイン語もいちおうの“公用語”とされている)、わが国やその国民の多くが“国際共通語”だと祀りあげているだけではないのか? これはサッカーにける「ザックジャパン」だの野球では「ナガシマジャパン」だのといった使われ方もされて、そんなのにいちいち目くじらをたてるのもどうかとは思うにしても、どこかしら恥ずかしい感じがしてくる。誇りある祖国の名を他民族言語、それも宗主国の公用語で言い合わすことについて、もう少し感性を鋭く持ってもいいのではないかと思うのだがどうだろう?
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 ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
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