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猫池罵詈雑言雑記帳
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 2月18日の「東京新聞」朝刊「こちら特報部」が釣り道具の1分野である「エコタックル」について触れている。「エコタックル」と言われてもなんのことかわからないひとも多いのではないかと思うが、“環境に優しい釣り具”であるらしい。従来型の釣り具は環境に優しくないことを釣り具メーカーがいわずもがなにしているという皮肉な見方も可能だが、釣りが自然に対する負荷がかかりやすい遊びであることは否定できないだろう。
 その「エコタックル」だが、記事によればナイロンやテトロンの代わりに微生物による分解が可能だという素材を用いた釣り糸(生分解ライン)や、同様のルアー、鉛の代わりに鉄を用いたオモリなどがあるという。メーカー側としても釣りのイメージアップにあれこれ策を弄しているのであった。だが、肝心の消費者(釣り師)の評判がいまひとつだという。ええ、ええ。記事を読んで思いましたとも。「そりゃぁそうだろう」と。


 どういうことか? 極論を承知で言い切ってしまえば、大方の釣り師などそんなものなのである。ようは釣果さえ挙がればいい。釣り魚がいなければ放流して「釣り場」をでっちあげてしまえ。ブラックバスがダメな理由……自分の好きな釣り魚に悪影響がでるから。しょせんそんなものである。例外はあるけれども。
 記事にもそれは書かれている。
「生分解ラインは使っていない。結局魚を釣ることが目的だから…」(同記事)という釣り師のコメントだ。
 ここで「使われていない」生分解ラインとやらは、従来の製品と比べて強度が落ちるなどの欠点があるという。実際問題として、釣り糸は細いほうが獲物に違和感を与えずに釣果につながりやすいから、同じ太さの糸であればより強いほうがいいにきまっている。だから、釣り師の立場からすれば、メーカーに対してさらなる努力を期待したいところであろう。だが、仮に性能をクリアした製品が登場したとしても従来型の道具からどれだけの釣り師が移行するかについてはいささかの疑問がある。彼らにとっては、環境がどうのという以前に、自分の釣果だけが関心事であるからだ。釣れる道具には大枚をはたいても、環境に配慮したらしい商品にはサイフを開きはしない。

 釣りをやらないひとにはわかりづらいだろうが、たとえばオモリひとつとっても、海や川や湖には日々どれだけのものが捨てられているのかと思う。アユ釣りを趣味としているひとは自慢げに言った。
「川底にどうしてもオモリがひっかかってしまうので、オモリだけが残って(ハリなど仕掛けのほかの部分の)被害が少なくなるようにしています」
 こうした仕掛けはなにもアユ釣りだけでなく、磯釣りのステオモリ(磯にオモリがひっかかったさいにオモリ部分だけが切れるように糸の太さなどを調整してある仕掛け)などいくらでもある。オモリというのはいうまでもなくむき出しの鉛だ。すべてがゴミ! ぁあ、そんなのがたんまり捨てられているところで釣った魚を食ってるんだなァ(ついでに言うと、まき餌と称して捨てられる魚のミンチやオキアミの団子も悲惨だ。房総のある磯に潜ったひとの話では、ヘドロのように厚くつもり、あるべき海藻は壊滅状態、そんなところに満足に魚がいるわけではないのだが、釣りをしているだなぁとのこと。さらにゴミを撒きながら……千葉県ではまき餌は禁止されているのだが)。
 ほかにもルアーやルアー以外の釣りバリ。ナイロンやテトロン製の釣り糸。ルアーの一種であるプラスチックワームを飲み込んで死んでしまう魚(これが釣りの対象でもあるのだが)の話はいくらでもあるし、釣り糸がからまってのたうつ水鳥の話だって珍しいものではない。ブラックバス釣り場のでっちあげだけでなく、釣りというのはかくのごとく自然に負荷を与えているのである。

 しかし、これが趣味と割り切って、「環境のことなんかホントはどうでもいいんだ。魚さえ釣れれば楽しいじゃないか。川や海が死んで魚が釣れなくなっても管理釣り場(釣り堀)があるさ」ぐらいに開き直っていればわかりやすいだろう。ところが、釣り師ってのはたいていの場合「釣りは自然を相手にする高尚な趣味」のようなカン違いをしているものなのだから笑う前に気の毒にすらなってしまう。
 むろん趣味は趣味として、自然との関わりを理解している釣り師も大勢いる。同記事にはマンガ家の矢口高雄氏がコメントを寄せているが、そこにあるとおりゴミの不法投棄を見張ったり、自ら川や海のゴミ拾いを実践しているひとも知っている。「釣り人はむしろ環境保護に貢献できる立場」(同記事)だというわけだ。だが、すべてを否定しようとまでは思わないが、このなかに錯覚があることを忘れてはならない。すなわち、彼らのすべてとはいわないまでも、その「環境」に配慮した行為というのは、自分が釣りをすることが前提にあるがゆえなのだ。以前なにかのおりに北海道で密漁監視をしているひとについて記したことがある。絶滅が取り沙汰されているイトウ釣りを趣味とするひとびと。オレはイトウなどは徹底的に保護の対象とすべきで、たとえキャッチ&リリースが前提であったとしてもその一切を禁漁にすべきだと考えているが、これが釣り師の論理にかかると、「イトウ釣りをしているわれわれがいるからこそ密漁監視ができるのだ」となってしまうのであった。だったら、釣りをしないで密漁監視をしろよ(笑)。つまり、彼らの関心事は釣り魚としてのイトウにすぎないのだ。

 オレ自身も釣りをやってきた。少なくともなかなか楽しい遊びである。子どものころ、海や川で遊ぶ恰好の手段でもあったし、釣りを通じて学んだこともたくさんある。だが、いまは積極的にでかけることはなくなってしまった。別段やめたわけではないけれど、自分もまた釣り具という名の道具を海や川や湖に棄ててきたという事実に反省……。

 さて、今日のメインイベント(?)。

http://www.shinmai.co.jp/news/20080214/KT080213FTI090011000022.htm

 リンク記事(「信濃毎日新聞」2月14日づけ)は、長野県におけるブラックバスなどの外来魚の再放流(リリース)禁止決定を伝えるものである。しかし、「原則として」という玉虫色のただし書きがあるだけでなく、「地元漁協などが解除申請し、管理委が「(外来魚の)拡散・逸出が防止されている」と認めた場合に限定的に解除できる−との方針を決定」(同記事)という中途半端な内容である。しかも、バス釣りで商売をしている野尻湖と木崎湖が例外扱い。実際問題として、わが郷土とくらべれば進歩的ではあるけれど、まだまだ解決への道のりは遠いようである。



*おまけ:
http://www.j-cast.com/2008/02/18016810.html

 またしても沖縄で起きたアメリカ合州国の兵隊による強姦事件。
 この件についてはとくに取り上げなかったが、この国の家畜どもの動向をみるに必ず出てくると思っていたたわごとがある。すなわち、「米兵(強姦犯)も悪いが、ついていった被害者にも落ち度がある」という意見だ。このリンク記事で取り上げられた「週刊新潮」の記事ではたしかにそこまであからさまには書かれていないようだが、ネット上での言い合いのなかにはたしかにそういう声もあるようだ。しかし、「被害者も悪い」などと抜かしているバカどもは、いちどでいいから強姦されてみやがれとハッキリ書いておく。
 いいですか? これが仮に(タチの悪い言い方だが)「米兵は鬼畜の集まりなんだから近寄ってはいけません」ぐらいに「米兵イコール強姦犯」などと吹き込まれていればとにかく、自分の近くにたとえ軍隊であろうとも異国の集団があって、しかもそれが一般的な意味での日本人が憧れるアメリカ合州国サマサマの持ちものであれば、子どものことだ、憧れてあたりまえではないか。きっと学校で英語を習いはじめて、そんなところにも興味があるだろう。もっとも、沖縄でのそれは日本のほかの地域のそれと異なる感じ方をされているかもしれないが、警戒心や悪意よりも興味のほうが勝っても仕方のないことである。そんなあたりまえの気持ちを否定したければどうぞだが、そんなあんたらのほうがよほどの鬼畜にみえますな。オレの目には。

 それはそれとして、なんともお粗末。こんなものは朝日も新潮もヘッタクレもない。繰り返される同種の事件こそが問題であり、その背景にあるアメリカ合州国の軍隊が問題であり、なんら抜本的な解決策も持たないわが国の政治の問題なのである。それともアメリカ人イコール婦女暴行魔のようにイロメガネでみてゆきますか?
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 レジャーライター=植村誠の別館ブログです。
 ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
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