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猫池罵詈雑言雑記帳
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 続発する米兵犯罪。これについて「被害者にも落ち度がある」と抜かす連中に対しては、お前ら自身がいちど強姦でもなんでもされろという旨を2月19日に記した(文末の「おまけ」参照)。そして、その不愉快極まるひとりが、中田宏横浜市長である。あえて極端な言い方をすれば、オレの目には強姦犯と同様にみえる。この中田という男が。  

 2月16日放送のテレビ番組「ウェークアップ! ぷらす」(日本テレビ系)が沖縄で起きたさきの強姦事件を取り上げ、この中田を出演させたのは、沖縄と同様に米軍基地を抱える自治体の長ということがあったらしい。そこで飛び出した発言。

「14歳だからという話であるならば、しっかり教育もしなければいけない。街角で声をかけられてバイク(に)乗っていっちゃったわけですね。(中略)教育もちゃんと徹底しないと。ある意味、ちょっとこれから先まだ不安だなと。それが本当の再発防止につながる」

 オレは真面目に怒っている。このまるでわずか14歳の少女、被害者自らが犯罪を招いた、犯罪に飛び込んだかのごとき発言、そんなことをしゃぁしゃぁと、それも全国ネットのテレビ番組で抜かす男に対して(テレビであることはオマケにすぎないが)。おまえ、実際に強姦されてみろ。フィニッシュはおまえの名前にふさわしいスラングのとおりにキメてもらえ! ・・・ぐらいに思う。
 とうの本人は「ご批判覚悟で」と前置きしたが、こういう事件に対するコメントとして考えると、虫酸が走らざるをえない暴論といえる。破廉恥というたとえがピッタリ! あるいは冷酷。まさに本質的な意味で犯罪者の論理そのままだ。

 被害者が犯人に対する警戒が足りなかったかもしれないことについては、2月19日に触れたのでここでは繰り返さない。ことは単純なのである。いかなる事情があれ、強姦そのものが許される行為なのか? まずはそこにつきる。そして、その“野蛮・危険”な連中が堂々と日本に駐留し、闊歩している状態が正常といえるのかどうか? そういうことである。たしかに駐留軍があるから犯罪が起きるという単純な問題ではないだろう。米兵全体からいえば、こうした一般的犯罪を犯す者の数は突出していないかもしれない(しているかもしれないが)。だがやはり異常なのだ。(このいちおうは)独立しているハズの国に治外法権的な外国軍が一方的な権利で鎮座していることそのものが。そうした原理原則から目を背けた中田の発言はおよそ常識を持つ人間のものとは思えないが、そこになんら触れようとせず被害者の“落ち度”とやらをことさらのように指摘するセンス、あるいは狙いとはなんなのか?

 むろん、彼としてもそれをもって犯罪を正当化しようなどというつもりはないだろう。おそらくは、犯罪防止のためには“被害者予備軍”の心掛けも大切だぐらいに思っているのであろう。しかし、この論でいけば、いかなる犯罪や事故も“被害者の落ち度”をもって相殺されることになりかねない。道を歩いてるからクルマにはねられた。通り魔がいるのも知らずに街に出歩いているから刺された。米軍の駐留する街を歩くから強姦された(かつての横浜でも沖縄と同種の米兵がらみの事件は多発していたハズだが……)。そうやって犯罪の本質的部分は免罪したいというがこの中田論なのだ。極論? そうではない。中田発言をつきつめれば当然こうなるという見本なのだ。彼自身は気がついていないかもしれないが、件のごとき発言することの根っこの部分に犯罪者側の論理が居座っていることをわれわれは知っておくほうがいい。

 むろん、常識的な意味で気をつけることは必要だし大切だ。お笑いになるかもしれないが、オレ自身のことでいえば、たとえば鉄道のプラットホームで列車が入線するさいには背後にも若干の気を配っている。治安がいいといわれがちな日本においてさえ、小さな手荷物であっても網棚には載せない(取材旅行のさいのバッグなど周囲の邪魔になりそうなものはさすがに載せるが)。いうまでもなく突発的殺人や盗難防止だが、こんなことはあたりまえの備えなのである。だが、いざ事件が起き、現実問題として被害者が傷つき、社会問題化している渦中にあってそんな“常識”をぶってみてもなんにもなりはしない。そういう部分の気配り、人間としてのやさしさがあるかどうか? そこが大切な問題なのだ。中田宏という男には、どうもそういう点が著しく欠けているようである(なるほど、それでわかった。よしにつけ悪につけ昨今の横浜市の施策に横たわるその姿勢の意味が)。だからこそ虫酸が走らざるをえないのだ。
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 レジャーライター=植村誠の別館ブログです。
 ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
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