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猫池罵詈雑言雑記帳
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 24日、国連安全保障理事会の席上で核軍縮および不拡散を議題に首脳級特別会合がもられ、「核兵器のない世界」を目指す決意を前文に明記したアメリカ合州国提案の決議が、核保有5大国を含む全会一致で採択された。これは紛れもない前進といえるだろう。まずは歓迎したい。

 そして、さらに歓迎したいのは、わが国の鳩山由紀夫首相が国連安保理首脳会合で演説、「(日本は)唯一の被爆国として果たすべき道義的責任」として「核軍拡の連鎖を断ち切る道を選んだ」と表明し、「核廃絶の先頭に立つ」との決意を世界に向けて発信したことである。同時に、近隣国家の核開発にからめて日本の核武装を疑う声が出るなか、「それはわれわれの強い意志を知らないがゆえの話だ」とわが国の核武装化を否定した点も大きく評価したい。これは、周辺諸国を含む諸外国に向けわが国の非核政策を表明したということであり、同時にとうの民主党内部にすら根強く巣食っている核武装論に対する強力な牽制となるハズだからだ。
 誤解してもらっては困るが、鳩山氏は強硬な改憲論者である。そのなかでは当然のごとく9条がターゲットにされ、かつ1条やそれに関連する項目にも手を入れたがっているフシがある。したがって、たとえここで事実上の非核宣言をしたところで、それがすなわち平和外交の推進とは必ずしも直結しないだろうことに注意を払う必要もあろう。だが、歴代の自民党の面々によるそれとくらべれば、今回の表明は明らかな前進といえるのではないか。いかにオバマ政権による主導があったにせよ、である。

 一方、核密約問題についての調査も具体的に進められる方向にあるようだ。これは日本国民が民主的手法によってはじめて体験する大きな変化といえるのではないだろうか。これらの点について、大いに期待する。

 それにしても。
 こうした歴史的重大事を伝えるマスメディア、とりわけ民放テレビのバカぶりにはあらためて吐き気すら催された。世界レベルでの前進的できごとが起こっているというのに、やれ“ファーストレディー”がどうしただの、“(鳩山夫人に)単独インタビューが実現した”だのというおよそとんちんかんな話題に終始しているとは……。こんなのが公共の財産である電波を伝ってタレ流されているかと思うと、この国の将来がホントに心配になってくるというものだ。それとも、とうのご夫人を有頂天にでもさせながらワナにでもかけようという算段ってワケでもありまいに(笑)。優秀であるハズのテレビマンらよ、自分らが“報道”あるいは“ニュース”と称しているクズ番組に対し、少しは恥ずかしいと思う常識を持ち合わせていないのだろうか?

 いまひとつは鳩山氏に対する不満もある。なぜ母語である日本語で堂々と語らないのだ? あそこが国際的舞台だからか? しかしむしろそれだからこそ、母語で通すというのが筋というものではないのか。冒頭にでもひとこと「母語である日本語で語ります」と礼を入れれば済むだけの話で、世界のなかでみれば、使えるひとがいくらか多いにすぎないローカル語のひとつである英語を、なぜわざわざあの場で使わなければならないのか……。あるいは、国連の内規として英語を“公用語”としているのかもしれないけれど、ああした場に集うひとびとはともかく、世界には英語以外の言語を使っている人口のほうが圧倒的に多いのである(ローマ字圏の先進国グループであるヨーロッパにしても然りだ)。これは鳩山氏に限ったことではないにせよ(アジアのほかの国の代表も英語でしゃべっていたが)、あのセンスはまったくもって100パーセント理解できない(*注)。

 閑話休題。
 話を戻すと、核不拡散問題でいえば、とうのアメリカ合州国こそが最大の保有国であり、かつての競争相手であるロシアとともに、いまなお戦争を繰り広げている暴力的国家だという事実を消すことはできないであろう。あるいは、各地で紛争や軍事的緊張が絶えず、現に新たな核保有国すら生まれてきているなか、こうした宣言のどこに意味があるのかと訝ったり冷笑したりするムキもあるに違いない。だが、そんな各論はさしあたり脇に置いてしまえといいたい。コトは単純であり、核兵器は人類にとってあるべきなのか否か? 仮に歯止めを失うような事態になったら人類は、地球はどうなのるのか? 世界的平和を実現するという意味で、そろそろつぎの段階に入ってもいいのではないか? もっと単純化してしまえば、「でも、やるんだよっ!」ということなのである。


*注:
 話し合いという面でも、そこで使われる言語という点で有利不利が生じるということにも注意を払う必要がある。それが英語でも日本語でもスワヒリ語でも結構だが、もし特定の1言語でのみを強制されたとすると、たまたまその言語を母語としてきたひとにとってはなんら違和感なく話し合いが進められる一方で、たとえそれなりに使えて馴れていたとしても、外国語を強制される側がどうしても不利になるからだ。繰り返すように、ああした場での出席者は、おそらく外国語としての英語もかなり使いこなせるのであろう。だが、はたして母語とまったく同様に意志を相手に伝えることがはたしてできるのだろうか。ほんの儀礼的内容ならばとにかく、重要な会合のなかで使用言語による差別が生じかねないのはやはりおかしいと言わざるをえない(ただし、解決策として用いられている同時通訳にしても、はたしてそれで十二分な意志が伝達できるのかという疑問もあるから、あえてひとつの言語を選ぶということも考えられないことではない。しかし、それでも言語による差別は避けられないであろう)。
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