総選挙について、自分なりの総括的な感想でも書かねばと思いつつ、ついついズルズルと放置してしまった。だが、ネット上を中心に、ときにはかなり鋭い見方による論評もみられるなか、新政権に対する期待感とともに冷静な意見もごくふつうにみられることから、いまさらながらに民主党を中心とする体制について、いまの段階であれこれ所感を述べることを避けてきた部分もある。憲法問題ひとつをとっても、鳩山由紀夫氏という人物がどのようなスタンスを持っているのかということがすでに常識になっており、民主党を支持するひとのなかでもきちんと牽制する意見があることなど、案外冷静な視線が送られていることに安堵に近い思いがするのである(鳩山氏の著作に目をとおすと、思想云々はさておいて、それ以前のレベルにある妙な錯覚が述べられていてやや頭痛がしたが)。
そこで、ひとつだけ記事を紹介してさしあたりお茶を濁すことをお許しください。
※「小選挙区「死票」3270万票」
記事は今回の選挙の小選挙区での死に票を分析したものである。記事によれば、その率は46・3%。一方で民主党が47・4%の得票率を示すなかで議席獲得率が73・7%にのぼることなどが紹介されている。
小選挙区制度については、当初から死に票の問題が取り沙汰されていたが、ここであらためてその実態が浮き彫りにされたわけである。今回の得票率をもとに比例制度で試算してみると、民主党は204議席(▲104)、自民党は128議席(+9)だったといい、はからずも推進した張本人である自民党が、制度ともども自らの刃で倒されたという構図が窺えてくる(それだとしても大敗には違いないが)。さらに公明党が55議席(+34)、共産党34議席(+25)、社民党21議席(+14)、みんなの党21議席(+16)、国民新党8議席(+5)というのだから、この選挙制度がいかに民意とかけ離れた結果を生むかということがみえてくるというものだ(なんと護憲政党だけで55、さらに民主党内の護憲勢力を合わせると相当数にのぼる。心強い感じがしてくる)。
民主党は、小選挙区よりはよほど民意が反映されやすい比例について大幅な削減を目論んでいるが、自民・公明党がはからずも比例区によって救われたという事実からすれば、皮肉にも自創を含めた勢力によって改悪を免れる可能性がある。なにしろ、比例が民主の狙いどおりになった場合、共産および社民党にとっては議席を確保できるかどうかの瀬戸際にもなりかねず、2大保守政党である自・民の巨大翼賛体制を生み出しなけないのだから、民主と連立を組むといわれる社民党らも、この問題には覚悟を決めて臨んでいただきたいというほかはない。
だがいかにも平等に民意が反映されてみえる比例選挙にも、こと民主党に関してのみ問題があることを指摘しておかねばならないだろう。いうまでもなく、民主党というブランドを背負ってるだけで、その議員や候補者のひとりひとりはまったく相反する考えを持っているからである。個人名投票であれば(ちょうどオレがそうしたように)民主右派を排除することが可能だが、単純に比例で民主党を推した場合、それによって議会に送り込まれる人物がどのような考えや立場なのかが判然としないわけだ。あくまで自民党とは大きく異なる政治を期待して投じた票が、じつは自民となんら変わらぬ御仁に活かされてしまうのでは、死に票どころか自殺票である(今回の選挙、単に「民主だから」と票を入れた有権者が多いハズだが、はたして投票者が信頼できるだけの議員を生んだのかどうか、きちんと検証してみるべきだ)。
こう考えてみると、やはり民主党という存在そのものが、かなり異例かつ異様な集団なのではないかという思いに立ち返ってしまう。呉越同舟とくくるのも結構だが、どのような政策に向かうのか判然としない部分が多く、なんとも無気味な感じがするのである(逆に、相反する考えが同席しているからこそ、一方向への暴走というリスクを軽減できるかもしれないともいえそうだが……)。
※「小選挙区「死票」3270万票」
記事は今回の選挙の小選挙区での死に票を分析したものである。記事によれば、その率は46・3%。一方で民主党が47・4%の得票率を示すなかで議席獲得率が73・7%にのぼることなどが紹介されている。
小選挙区制度については、当初から死に票の問題が取り沙汰されていたが、ここであらためてその実態が浮き彫りにされたわけである。今回の得票率をもとに比例制度で試算してみると、民主党は204議席(▲104)、自民党は128議席(+9)だったといい、はからずも推進した張本人である自民党が、制度ともども自らの刃で倒されたという構図が窺えてくる(それだとしても大敗には違いないが)。さらに公明党が55議席(+34)、共産党34議席(+25)、社民党21議席(+14)、みんなの党21議席(+16)、国民新党8議席(+5)というのだから、この選挙制度がいかに民意とかけ離れた結果を生むかということがみえてくるというものだ(なんと護憲政党だけで55、さらに民主党内の護憲勢力を合わせると相当数にのぼる。心強い感じがしてくる)。
民主党は、小選挙区よりはよほど民意が反映されやすい比例について大幅な削減を目論んでいるが、自民・公明党がはからずも比例区によって救われたという事実からすれば、皮肉にも自創を含めた勢力によって改悪を免れる可能性がある。なにしろ、比例が民主の狙いどおりになった場合、共産および社民党にとっては議席を確保できるかどうかの瀬戸際にもなりかねず、2大保守政党である自・民の巨大翼賛体制を生み出しなけないのだから、民主と連立を組むといわれる社民党らも、この問題には覚悟を決めて臨んでいただきたいというほかはない。
だがいかにも平等に民意が反映されてみえる比例選挙にも、こと民主党に関してのみ問題があることを指摘しておかねばならないだろう。いうまでもなく、民主党というブランドを背負ってるだけで、その議員や候補者のひとりひとりはまったく相反する考えを持っているからである。個人名投票であれば(ちょうどオレがそうしたように)民主右派を排除することが可能だが、単純に比例で民主党を推した場合、それによって議会に送り込まれる人物がどのような考えや立場なのかが判然としないわけだ。あくまで自民党とは大きく異なる政治を期待して投じた票が、じつは自民となんら変わらぬ御仁に活かされてしまうのでは、死に票どころか自殺票である(今回の選挙、単に「民主だから」と票を入れた有権者が多いハズだが、はたして投票者が信頼できるだけの議員を生んだのかどうか、きちんと検証してみるべきだ)。
こう考えてみると、やはり民主党という存在そのものが、かなり異例かつ異様な集団なのではないかという思いに立ち返ってしまう。呉越同舟とくくるのも結構だが、どのような政策に向かうのか判然としない部分が多く、なんとも無気味な感じがするのである(逆に、相反する考えが同席しているからこそ、一方向への暴走というリスクを軽減できるかもしれないともいえそうだが……)。
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ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
なお、トラックバックおよび「コメント」は受けつけない設定にしております(当面はBBSへどうぞ!)。
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