2012Jul/03 ささやかな期待を申し上げます．．．の巻。敵の敵は味方だ！

　小沢一郎氏決断。民主党執行部では除籍を中心とした“処分”気取りでいるようだが、そんなモノ、オレの目には虚勢にしか映らない。それが本来は有権者によって政権党になったという点で、民主党はもはや死んでいる（ついでにいえば、政党助成金のとりぶんが減らされるのは痛快だ）。

　断っておくが、個人的には小沢一郎氏そのものを支持するつもりは毛頭ない。そもそもが思想からして相容れない存在だからだ。一部では氏をさも救世主のごとくまつりあげているムキ、それもどちらかといえばリベラル指向と思われる層にこそそれがみられるが、それを含めた所感については当ブログでなんどか述べてきたのでここでは繰り返さない。
　だが、今回の件にかぎっていえば、オレは小沢一郎を支持する。あえて「立派じゃないか！」とまで言いたいとすら思う。民意に無視を決め込み、こともあろうか彼らが有権者から否定されたがゆえに自らが政権をとった相手である自民だの“池田党”だのと密室談合を進める哀れな野田政権。やっていることは自池時代をしのぐ悪政である。じつは、そんなものは意外でもなんでもなかったのだが、それにしたってこのザマを望んで民主党に票をくれてやった有権者がどれだけいたかについては大いに疑問がある。実態はむしろ逆で、旧来からの自民党政治から脱することに期待がかけられていたのではなかったのか？　腰砕けで失敗こそしたものの、たとえば「脱官僚」だのといった政策を押し進めることが民主党に課せられた政治だったハズなのだ。ところが、想像を遥かに超える羞悪なザマをさらしてやまないのが野田政権なのである。したがって、仮にも当初の有権者からの期待に応えたいのであれば、そんなくだらない集団にさっさと決別を下すことこそが正論なのである。

　しかも、小沢一派は消費税大増税や原発再稼働について真っ向から異論をぶつけている。ともに国民の多く（過半数超えか？）から支持されていない現政権の愚行である。国民の訴えを「大きな音」としかとらえないファシストないしバカが牛耳る政権である。個人的には、はたして小沢氏がそれらについて本質的にどう考えているかについて疑念を抱いてはいる。本音の部分では、なんのと理屈をつけて双方ともに推進する側ではないかと考えているからだ。だが、現段階では同志である。ともに、目下最大級の懸案なのであり、ここでストップさせなければ、将来の長きにわたって負の遺産をもたらす結果になりかねない。ようはそういう重要なタイミングでの決断をしたのが小沢氏とその賛同者だと考える。したがって、ここでの“共闘”は是が非ともすべきなのだ。

　それにしても一般的報道における扱いはおそろしい。露骨な小沢（ここでは反権力）つぶしではないか。あの「東京新聞」でさえ「小沢新党　国民そっぽ」と大見出しをつけ、小沢攻撃を展開している（見出しは「国民」から「そっぽ」を向かれているような“茶番”とでもいいたいようなのだが、一見すると「小沢」が「民意」に「そっぽ」を向いているともとられかねない）。これが、政局などではなく、小沢氏自身の思想や政策そのものに対するものならばいい。だが、実態は政局的な面や（ヨミウリなどが率先しているが）スキャンダルめいた怪文書騒動によって展開されている。そんなモノに左右される側もどうかと思うが……。

　ともあれ、この動き（脱党そのものについてではなく、反原発・反消費税増税）には支持を表明したい。過剰な期待はしないけれど、その控えめな期待に対しては応えていただきたいものだと思う。