3月31日、道路特定財源と暫定税率が期限切れとなった。テレビニュースなどでは各地で起きているガソリンスタンドの値下げや一部で起きた品切れの模様などをこぞって伝え、この国民の関心事について大きく取り上げている。この期限切れが意味するところは重要だ。すなわち、過去に得た数にモノを言わせてあれこれ策を弄する自創政権に対し、国民の多くが参院選という場で「ノー」をつきつけたからこそ実現した事態なのである。仮に、あそこで政権側に勝たせていたとしたら、これは間違いなく租税特別措置法も道路整備財源特例法も自動的に延長されていた。つけ加えるならば、そうなったときのその議論の席上で民主がどういう態度に出たかどうかもわからないが、それをとにかくとしても、与党の横暴に一定の歯止めをかけることが可能なのだという事実を目の当たりにできたことの意味は極めて大きい。
それにしても、現政権はすでに脳死状態にあるようである。もがけばもがくほどドツボにハマっている。なにを思ったか、とうとう首相をして「ガソリンが安くなると消費が増えて困る」式のトンデモ発言まで口走る始末だ。地球温暖化対策に反するとてもいいたかったのだろう。庶民が必要最低限に使わざるを得ない石油燃料の消費になにをイチャモンをつけるのかといったところではあるが、だとすればこれ以上の道路建設もストップするほうがいいということですな(笑)。道路建設については後で触れるような実態を見逃してはならないが、一方的侵略戦争のために多量の石油を恵んでやっていることについて、このオッサンがどう思っているのかなどなど、いっちいちマトモにとりあっていたらこっちのアタマがおかしくなってしまいそうである。
その口だけ木偶の御仁が道路特定財源について2009年度から一般財源化するとかなんとか言明したことになっているが、おそらくは裏で牛耳る官僚の思いつきを代弁しただけなのであろう。それどころかガソリン税などを今後十年間、道路建設にあてる道路整備特別措置法を期限の切れた道路整備財源特例法の代わりに強硬採決する動きさえあるというのだからまだまだ目を離すわけにはいかない。
それどころか、白川勝彦氏によれば、自創政権は4月29日に衆院で再可決をする動きすらあるというのである。
http://www.liberal-shirakawa.net/tsurezuregusa/index.php?itemid=564
「4月29日は「昭和の日」で休日だ。「まさかそんなことはないだろう」といったら、4月28日に延会手続きをして休日の4月29日の未明に衆議院本会議で再可決するというのだ。要するに1日でも安いガソリンの実感を許さないようにしたいのだろう」(リンク記事)
というのだが、自民党の歴史をみるに十二分にやりそうなことである。そして、この29日の根拠と思われる事実を、森田実氏が指摘している。
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C04159.HTML
すなわち、直前の4月27日には山口県第2区の衆院補欠選挙があり、与党も野党も、きわめて重要な選挙と位置づけているというのだ。したがって、早々に再可決したくでもできないのである。仮にそれ以前に強硬再可決をしたらどうなるか。少なくとも与党有利に働かないことはよほどのバカでもない限りわかろうというものだ。
しかし、補選の結果いかんに関わらず、仮に本当に再可決を謀った場合、成立の可否がどうあれ、そのまま政権を維持することはできないのではないだろうか。むしろ政権にとどめをさすチャンスかもしれない。
ところで、それまでして維持したい財源でもって、どういう道路をつくろうとしているのか。その最大のものがおよそ59兆円という予算を被せた「道路中期計画」であり、これが東京湾口道路(横須賀〜富津間……現状の「東京湾アクアライン」の赤字をみよ!)をはじめとする6つの海峡横断道路や、総延長1万4000キロメートルに及ぶ「高規格幹線道路」、同じく7000キロメートルの「地域高規格道路」建設の財源なのである。いずれもアブクゼニ景気(いわゆるバブル経済)のころに立てられた計画だ。もちろん必要な道路建設というのはあるのであり、計画の中身のすべてを否定しようとも思わないが、たとえば宮崎県知事あたりが騒いでいる「地方の道路をどうするんだ?」という“願い”とは相容れない実態があるとはいえる。むしろ「高規格幹線道路」や「地域高規格道路」の建設にかかる地方負担分が増額され、一方で地域の生活道路などにあてられるべき「維持補修費」が減額されているのである。さらにいえば、計画されている海峡横断道路について、赤字が出た場合の補填を自治体が負担するという方針が明らかになっている(http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-03-22/2008032202_04_0.html)。
これでは地方の負担は増える一方であり、それなのに本当に望まれている道路整備すらきちんと進まない可能性すらあるといっていいのではないか? いや、むしろ予算ありきカネ遣いありきで「必要だから」道路をつくってきたわけではないというのが実態ではないのか。ちょっと以前の記事になるが、天木直人氏のつぎの言説はまさに正鵠を得ている。
http://www.amakiblog.com/archives/2008/02/20/#000721
「ふざけるんじゃないぞ、そのまんまひがし。どっちを向いてしゃべっているんだ。お前が文句をいう相手は政府であり自公政権だ。なぜ宮崎の道路が遅れたか。それは自民党、政府、建設省が宮崎県の道路を後回しにしてきたからだ。宮崎出身の族議員が弱かったからだ。
お前が真っ先に文句を言うべき相手はそいつらだ。予算編成権限もない野党の民主党相手に何を大声をあげているんだ」(リンク記事)
正論である。こんな実態を持つ予算など破棄しなければならない。再可決など許してはならないのだ。話はそれからであろう。
*補足:
ガソリン値下げったって、ひところの1リットルあたり80円台からすればまだまだたまげるほどに高い。その高騰の重要な要因として投機マネーによるカジノ経済があることはもはや否定できないが、この点について触れられている報道がきわめて少ないように感じられる。「ガソリン(石油)が下がった」「よかった」というのは実感ではあるけれど、道路特定財源問題の本質はガソリンの値段がどうのということではない点に気をつける必要はあるし、ガソリンの値段という面ではもっと別の角度から報道する必要があるのではないかと思う。参考までに「JーCAST」の関連記事をリンクしておく。
http://www.j-cast.com/mono/2007/12/18014655.html
その口だけ木偶の御仁が道路特定財源について2009年度から一般財源化するとかなんとか言明したことになっているが、おそらくは裏で牛耳る官僚の思いつきを代弁しただけなのであろう。それどころかガソリン税などを今後十年間、道路建設にあてる道路整備特別措置法を期限の切れた道路整備財源特例法の代わりに強硬採決する動きさえあるというのだからまだまだ目を離すわけにはいかない。
それどころか、白川勝彦氏によれば、自創政権は4月29日に衆院で再可決をする動きすらあるというのである。
http://www.liberal-shirakawa.net/tsurezuregusa/index.php?itemid=564
「4月29日は「昭和の日」で休日だ。「まさかそんなことはないだろう」といったら、4月28日に延会手続きをして休日の4月29日の未明に衆議院本会議で再可決するというのだ。要するに1日でも安いガソリンの実感を許さないようにしたいのだろう」(リンク記事)
というのだが、自民党の歴史をみるに十二分にやりそうなことである。そして、この29日の根拠と思われる事実を、森田実氏が指摘している。
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C04159.HTML
すなわち、直前の4月27日には山口県第2区の衆院補欠選挙があり、与党も野党も、きわめて重要な選挙と位置づけているというのだ。したがって、早々に再可決したくでもできないのである。仮にそれ以前に強硬再可決をしたらどうなるか。少なくとも与党有利に働かないことはよほどのバカでもない限りわかろうというものだ。
しかし、補選の結果いかんに関わらず、仮に本当に再可決を謀った場合、成立の可否がどうあれ、そのまま政権を維持することはできないのではないだろうか。むしろ政権にとどめをさすチャンスかもしれない。
ところで、それまでして維持したい財源でもって、どういう道路をつくろうとしているのか。その最大のものがおよそ59兆円という予算を被せた「道路中期計画」であり、これが東京湾口道路(横須賀〜富津間……現状の「東京湾アクアライン」の赤字をみよ!)をはじめとする6つの海峡横断道路や、総延長1万4000キロメートルに及ぶ「高規格幹線道路」、同じく7000キロメートルの「地域高規格道路」建設の財源なのである。いずれもアブクゼニ景気(いわゆるバブル経済)のころに立てられた計画だ。もちろん必要な道路建設というのはあるのであり、計画の中身のすべてを否定しようとも思わないが、たとえば宮崎県知事あたりが騒いでいる「地方の道路をどうするんだ?」という“願い”とは相容れない実態があるとはいえる。むしろ「高規格幹線道路」や「地域高規格道路」の建設にかかる地方負担分が増額され、一方で地域の生活道路などにあてられるべき「維持補修費」が減額されているのである。さらにいえば、計画されている海峡横断道路について、赤字が出た場合の補填を自治体が負担するという方針が明らかになっている(http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-03-22/2008032202_04_0.html)。
これでは地方の負担は増える一方であり、それなのに本当に望まれている道路整備すらきちんと進まない可能性すらあるといっていいのではないか? いや、むしろ予算ありきカネ遣いありきで「必要だから」道路をつくってきたわけではないというのが実態ではないのか。ちょっと以前の記事になるが、天木直人氏のつぎの言説はまさに正鵠を得ている。
http://www.amakiblog.com/archives/2008/02/20/#000721
「ふざけるんじゃないぞ、そのまんまひがし。どっちを向いてしゃべっているんだ。お前が文句をいう相手は政府であり自公政権だ。なぜ宮崎の道路が遅れたか。それは自民党、政府、建設省が宮崎県の道路を後回しにしてきたからだ。宮崎出身の族議員が弱かったからだ。
お前が真っ先に文句を言うべき相手はそいつらだ。予算編成権限もない野党の民主党相手に何を大声をあげているんだ」(リンク記事)
正論である。こんな実態を持つ予算など破棄しなければならない。再可決など許してはならないのだ。話はそれからであろう。
*補足:
ガソリン値下げったって、ひところの1リットルあたり80円台からすればまだまだたまげるほどに高い。その高騰の重要な要因として投機マネーによるカジノ経済があることはもはや否定できないが、この点について触れられている報道がきわめて少ないように感じられる。「ガソリン(石油)が下がった」「よかった」というのは実感ではあるけれど、道路特定財源問題の本質はガソリンの値段がどうのということではない点に気をつける必要はあるし、ガソリンの値段という面ではもっと別の角度から報道する必要があるのではないかと思う。参考までに「JーCAST」の関連記事をリンクしておく。
http://www.j-cast.com/mono/2007/12/18014655.html
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