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猫池罵詈雑言雑記帳
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 八ッ場ダム問題。衆院国土交通委員会において、八ッ場ダムに関係する工事を受注した企業による政治献金などの調査報告がなされた。詳細は割愛するが、浮かび上がった問題のひとつに談合の疑いがある。報道によれば、全体の7割をこえる受注において、予定価格の95%を超えていたというのである。なかには99%台という数字も公表されており、「これだけ予定価格に張りついているのは極めて異常。客観的にみれば、談合が行なわれていたと疑われる状況だ」と前原誠司国交相が疑念を明かしている。

 ダムそのものについてムダという見方がなされているなか、推進したい側の論理としてはもはや「いまさら中止できない」といった現状追認もどき、あるいは「カネのなる木をいまさら手放せるか!」といった“ホンネ”によるほかはないとみているが、今後、この調査が進められてゆくなかで、そうした膿の根源が明らかにされてゆくことに期待したい。これなどは、(少なくともいまのところは)民主党政権になり変わってこそ可能になった進歩であろう。手を緩めず、徹底的に追求・解明すべし! である。

 2月26日づけの「東京新聞」が、「こちら特報部」においてこの問題を取り上げている。
 そのなかで、何人かの当事者に対する取材が報告されている。たとえば、八ッ場ダムの地元(群馬5区・自民党)の元首相の世襲=小渕優子衆議院議員は「献金をもらっているから、ダム建設を推進しているわけではない」としたうえで、(献金そのものは)「ルールにのっとってやっている」との開き直りの姿勢をみせているほか、中曽根弘文参議院議員(同じく元首相の世襲)も「すべて法令にしたがい適正に処理している」などと取材に答えている(しかしこれらの論理は、小沢一郎氏のそれと大同小異であろう。記事中では。小沢氏の関与が取り沙汰されている胆沢ダムについて反ばくする自民党関係者の声を紹介している。ともに哀れな連中としかいいようがない)。推進側でもっとも呆れ返らされたのは石原条みどり市市長(自民党)である。いわく「(略)違法でも脱法でもない。それに献金してくれた会社が八ッ場ダム事業を受注しているなんて今回初めて知った」ときた。これが事実ならそれだけで市長失格というものだが(同記事によれば、明らかになっただけで11の関係企業から計594万円もの献金を受けている)、それよりも「違法でも脱法でもない(から構わない)」という論理こそが、政治の世界のみならず社会に蔓延する“悪”なのではないかと強く思う。

 そしてまた。やはりといおうか、民主党内部にもまた、そうした論理でもって献金を正当化する発言があるあたりに、もうひとつの問題というか悲劇がある。
 石関貴史衆議院議員(民主党)は、(明らかになったのは1社24万円と少ないものの)「なんら問題はない。僕が(八ッ場ダム建設)反対の活動をずっとしているのを分かっての献金なのだから」と、これまた開き直り発言をしたというのだ。建設に反対していたのは事実であろうけれど、こんなものは考えようによっては推進派に対する献金よりもタチが悪いことに本人のみならず民主党としても気づかなければ、「自民と民主、どっちもどっちという様相」(同記事。ジャーナリスト横田一氏のコメント)から延々に脱することなどできはしない。もっとも、幹事長らトップからして似たり寄ったりのセンスなのだから、いかんともし難いのではあるが……。

 繰り返すが、違法じゃないからOKというセンスが必ずしも通用しない、させてはならないのだということを噛み締めるべきではないのか。英語でいうところの「フリー」と「フリーダム」とを履き違えてはならない。「人間としての矜持……」などと記すのは大袈裟かもしれないけれど、そうした「OK」という考えがこれ以上に積み重なってゆく社会の未来が明るいものだとはとても思えないからだ。
 なにも、政治家すべてが「聖人君子」のごときあれなどと極論をぶつつもりはない。そこには先代などからの長いつきあいというものだってあろうし、カネの問題はさておいても、ひとりの人間としての失策や思い違いだってある。だが、せっかくこうして問題点が明らかにされてゆくなかで、それを完遂するためにも、新政権たる民主党はここで衿を正す必要があるのではないか。少なくとも、同記事の見出しのように「癒着の定番 政党問わず」などといつまでも書かれるようでは政権失格だし、ますます政治や社会そのものに対する不信が失望が広がることになってしまうだろう。


*おまけ:
 オリンピック・女子フィギアスケートの浅田真央選手は、結果そのものは一歩及ばすの「銀」だったけれど、シロウト目にも素晴らしい演技を展開し、今後の活躍がますます楽しみになった。
 で、これをアップする直前にテレビ番組でインタビュー(キャスターらによる)を受けていたのをみたが、その堂々とした受け応えもまた、触れていて気持ちのいいものであり、競技はなによりも選手自身のためにあるという事実を、あらためて認識したものである。が〜。こうしたインタビューが、ちんとしたスポーツジャーナリストによるものだったら、どんなにか充実した語りが聞けたのだろうかとも思う。こう断言しては失礼だけれど、インタビューにあたったキャスターらの態度はまったくのタイコ持ち、ご機嫌とりにすぎず、それがまぁテレビ視聴者のセンスに合わせたのだと反論されればそれまでだが、あくまで浅田選手という“素材”のみによってどうにかみられるといったレベルにしか思えなかったからだ。そしておでましになった毎度お決まりのセリフ。
「感動をもらいました!」
 アホか。
 あるいは思い違いかもしれないが、「〜もらいました」のひとことがキャスターから飛び出した瞬間、浅田選手の顔に「しらけ」が浮かんだようにもみえた。それは、ほんのつかの間にしか過ぎなかったけれど……。
 アスリートは自らのために努力し、競技に臨む。みている側にとってのそれは、たしかに「エンタテイメント」のひとつではあろうし、それをもって「感動する」のはごく自然な感情だけれど、はたして浅田選手ほどのアスリートに「感動を与える」などというセンスが、ほんのささいにもあるとはとても思えない。こんな「〜をもらった」だのという常套句は、そろそろおしまいにしませんか?
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 ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
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