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猫池罵詈雑言雑記帳
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「東京新聞」。今日8日の一面見出しは「内閣支持率 続落36%」である。
 これは、共同通信社が6・7日に実施した世論調査の結果をベースに情勢を伝えたもので、鳩山内閣の支持率は前月より5・1ポイント落ち込み36・3%、不支持率にいたっては3・8ポイント増の48・9%にものぼったという。今日はそれに関する所感を……。

 支持率下落の主因。筆頭に挙げられているのは「首相に指導力がない」の29・0%だが(*注1)、下落傾向に拍車をかけているのは小沢一郎氏らに関係する胡散臭いカネの問題であるらしい。小沢氏に対して「幹事長を辞めるべきだ」が74・8%。もっともこれは調査における選択肢上の理由でそういう数字と結果とが出てきたにすぎず、もっと大きな要員としては、政権成立から半年余が経過したなかで、政権に対する不信感が少しずつであろうとも積み重なったがゆえではないかとみている。カネの問題がかくのごとく結果をしうるのであれば、たとえわずかであろうとも自民党の支持率が上昇するなどありえないからだ(24・4%→26・3%。これについてはあとで触れます)。
 内閣支持率36%というのは、そういう意味では妥当な数字に思えなくもない。つまり、現政権の施策や方針には民意がそれ相応に反映されている部分とそうでない部分とが大きく混在しているのである。個人的には、現政権に対して(いまの段階では)「支持・不支持」の二者択一でシロクロをハッキリさせるつもりはない。言い換えれば支持できる部分もあればそうでない部分もあるということであり、批判を繰り広げる一方でせっかちに結果や結論を求めるべきではないとも考えている。そうした見方をしているひとは案外多いのではないかとも思うが……。目下落ち続けている支持率の数字は、国民からみた政策に対する警告である。

 さて、そうしたなかわれわれが注目すべき項目は政党支持率のほうであろう。

・民主党:33.6→29.0
・自民党:22.8→24.6
・公明党:3.7→3.4
・共産党:2.3→3.1
・社民党:1.9→0.9
・みんなの党3.9→3.9
・国民新党:0.8→0.3
・ほか:ー→0.2
・支持政党なし:30.4→34.0
・わからない・無回答:0.4→0.8
(共同通信社電話世論調査・東京新聞3月8日づけから抜粋して引用)

 民主党の下落と自民党の上昇。小沢一郎氏が会談をもった(?)と伝えられる公明党の支持率がわずかながらとはいえ落ちているのは慶賀にたえないが、自民党がやや上昇しているのはどういうわけなのだろう(*注2)。下落と上昇との数字が必ずしも合致しているわけではないにしても、本質的にはなんとなく自民党支持者であるという層が、民主党支持者のなかにどれほどの割合を持つのだろうかと疑いたくなる数字である。さきの政権交代は、散々のように自民党政権に痛めつけられてきたことに対するひとつの審判だったハズなのだが、仮に“出戻り組”が相当数を示すとしたら、一体全体彼らはなにを求めているのだろうかと訝らざるをえない。
 この傾向が顕著に出ているように感じられるのが「最も首相にふさわしい政治家」はだれかという項目である。小沢一郎氏の1・4%はとにかくとして、舛添要一氏の23・7%とはいったいなにか? 舛添氏が一定の人気を持っている政治家であることは知っているが、彼はコイズミスネオとともにトヨタやキヤノンといった一部企業のトップらと共謀して「小泉改革」とやらを押し進めてきた主犯のひとりである。かくも自民党政権が否定されたのは、それによって生活が破壊されたことに対するカウンターではなかったのか? 舛添氏の思想や「小泉改革」の類を根っから支持しているならばそれもまた考え方のひとつではある。だが、この異常ともいえる数字を導き出したひとびとは、はたしてそうした支持者ばかりなのだろうかと不思議でならないのである(加えていえば、石破実氏の5・4%も脅威だ。あのスーパー右翼にして軍事愛好家、有事ノ●●ーゼとしか思えない危険人物──同じ考えを持つひとびとにとっては魅力的に映るであろうけれども──の人気がここまで高いとは、けっして大袈裟にではなく、一寸先のわが国やもっといえば周辺諸国はどうなってしまうのかと恐ろしくなってくる)。

 しかしまぁ、民主党というのがまごうことなき保守政党であり、保守の砦であった自民党はもはや保守を通り越した“極右政党”であることをあらためて認識してもいいのではないか。近ごろの地方選挙で民主党候補が連敗していることに関連し、「保守回帰」のような論をみかけたが、保守の受け皿が変わっただけの話で、「回帰」などというのはもちろん大きな誤解。一般的な意味での保守を望むのか、はたまた戦前型への「回帰」を望むのか、それともリベラルという視点でこれまでとは異なる要素を取り込んでゆきたいのか……。こうした世論調査から窺えてくる実態について、いつも考えさせられてしまうのである。


*注1:
 相変わらず曖昧模糊とした選択肢と選択だ。こうだからあのコイズミスネオが高い支持率を持ってきたがことが理解できる。かくも“指導力”が重要視されるなかにファシズムの萌芽を感じるというのは大袈裟だろうか?

*注2:
 世論調査と踵を接して、自民党が徴兵制導入を画策しているという報道が一部でなされ、ほどなくして火消し報道が謀られた。いちおうは自民党側が徴兵制導入報道を否定しているという形をとっていたようだが、自民党(とその一部支持者)のホンネがどういうものなのかは明らかである。これなどは、ホンネを小出しにしながらその反応を窺っているというふうにしか思えないのだが、はたしてこの世論調査の数字にどこまで反映されたのだろうか(もっとも彼らにしてみれば「これは徴兵制導入が支持されたがゆえ」と強引に解釈するのでろうけれど)。
 それとともに思うのだが、現在の大不況をつくりだしたのがアメリカ合州国を根城とする一部の連中であることは大雑把にはいえると考えているが、自創政権が進めてきた政策というのは、その不況を悪化させることはあっても改善することなどハナっから眼中にないのではないか。八百長的ともいえる一部企業に対する優遇政策(それは形を変えていまなお続いている。自動車や家電製品、今日は住宅と続く「エコ」を看板にした税金の注ぎ込みだが、この「エコ」が「エコロジー」などではなく「エコノミー」こそが主体なのだということはすでに述べてきた)によって莫大な利益を囲い込んだところもある。しかし、それとセットにして不安定な雇用が正当化され、いまや先進国にあっても食うや食わずのひとびとが大きな層を占めるに至ってしまった。その一方でアブクゼニの消費がまかり通っている事実。つまり、コイズミ改革というのは、ごく一部のカネ持ちの所得と消費活動とを多数の貧困者が一方的に支えるという仕組みづくりなのである。その「おこぼれ」をもらっていればいいという竹中平蔵氏らスネオの子分の主張の主張がそれを証明している。支えさせられる側がそれを支持するというのは、まさに筋金入りの奴隷根性としかいいようがない。

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 ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
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