のっけから個人的な話になるが、わが家ではゴキブリが滅多にお出ましにならない。
それでも、10年以上前にはそうではなかったハズで、思うに巨大なクモが居つくようになってから、ゴキブリの数が激減したのではないかと推測している。
とはいえ、ごくたまには現れる。
「昨日、洗面所にゴキがいたから始末したわ。でも、あんな生き物でも殺すのはちょっとかわいそうかなと思って」
とわが母堂。
わかる。とくに、こっちの殺気を察してか、けなげに逃げようとしているのを目にしたりすると、生命という点では我々と一緒なんだなぁとも思う。が~。同時に思ったもんだ。
「う~む……。ってことは安倍晋三ってのは(少なくともオレにとっては)ゴキブリ以下のシロモノってことか(笑)」
閑話休題。
さきの台風15号。とりわけ房総にとっては最悪ともいえるコースを辿ったこともあるのか、千葉県を中心として予想外の被害が続出しているらしい。
わが家も例外ではなく、およそ40時間にわたる停電と三十数時間に及ぶ断水に見舞われた。幸いにしてペットボトルのお茶などの飲料の心配はなかったし、自動車で7~8分の距離にある産地直売店とその付近では断水はなく停電も早い時期で復旧したとかで、パンやつくりたての惣菜、おこわなどを買うことができて助かった。トイレや汗を流すのは風呂の残り水を大事に使った。母堂が熱中症などにならないか心配させられたりもしたが。
そんななか、情報がないのにはヘキエキとさせられた。
防災無線というのか、近所に据えられたスピーカーを通して、ごくたまに行政からこんな放送が流される。
「こちらは●●市役所です・・・●●課からお知らせします・・・。ただいま・・・台風15号の影響により・・・市内全域で停電(断水)が起きています(このあとに給水車や学校の休校案内などが流れる)」
「こちらは●●市役所です・・・東京電力から知らせします・・・。ただいま・・・台風15号の影響により・・・市内全域で停電が起きています。復旧までいましばらくお待ちください」
2例目は10日の朝に一度きり流されたものである。なんら具体性のないこの話はなんなんだろうと思った(ほとんど「ポエム」もといガキの使いってもんですな)。送電線の鉄塔が倒壊したらしいことはその朝の新聞で知ることができたものの、新聞の情報もはなはだ不十分で、双方併せても状況がさっぱりわからないままに過ごさざるを得なかったのである。
停電についての具体的な情報は、わが家で電力が復旧した2~3時間後だったと思うが、行政を通じて翌朝までに復旧見込みであることが告げられるまで、まったくなかった。
これは、とうの東京電力や行政としても十全に状況を把握できなかったということもあるのであろう。しかし、「いましばらく」と宣言したのだ。たとえばそれが「むこう1週間はかかる可能性がある」といった厳しい内容でもいいから、市民に情報を開示すべきではなかったのか? 高齢者の独居世帯もあれば、幼児の心配をしなければならない家庭もある。たとえば、長くかかりそうなのであれば、(体調管理のためにも)親類などのところに避難することも考えられるだろうが、なにもわからないのでは相談のしようもない。また、仕事のスケジュールを立てるためにも、そうした情報を欲している人もけっして少なくないだろう。
ついでにいえば、給水車を市役所駐車場など数箇所に用意してくれていたそうだが、自動車のない高齢者などはどうしたのだろうかとも思う。
「広報車でも出して状況を直に伝えながら、市民の様子や被害状況を検分してみたらどうなんだ」
と素朴に思ったものだが、そのテの広報車をやっとこさ見かけたのは我が家の停電が復旧した数時間後のことであった……。
こんなのもあった。
「こちらは●●市役所です・・・●●課からお知らせします・・・。本日は・・・台風15号の影響により・・・JR●●線が全面運休しています。明日以降の運行状況につきましては、JRのホームページをご覧ください」
う~~~~~む。停電でパソコンが使えないのだが? オレはスマホを持ってないに持つつもりもないが、持っていたとしてもそろそろ充電がピンチになるころなのではあるまいか? ましてやスマホでTV番組を見る習慣のある人なら、それはなおさらなのではないのか?
もちろん、行政のHPだって見ることはできない。
ぎりぎりセーフといおうか、校了直前の原稿を無事に送ったあとではあったが、校正がマトモにできないため、電話で編集長と内容の確認をとった。そのさなかに編集長がわが市のHPをチェックし、そこに載せられている電力と水道の復旧情報(といってもほとんど役に立つ内容ではなかったが)を口頭で教えてくれた。
しかしその市HPの情報、いったいぜんたいだれのためのものだったのだろうか? 市全域で停電していることは当の行政だって把握していたハズなのだが……? スマホなどの携帯端末? それについてもすでに触れた。
そんなさなか、わが母堂が都内に住む兄に電話をした。
驚いたことに状況をあまり把握していなかった。
「あの兄貴が?」
と訝ったものだが、電力が復旧してインターネットやTVをチェックできると、その理由がわかった。
ようはほとんどニュースになっていないのだ(千葉テレビでは停電戸数などの情報は伝えられていたが)。接近中には戦争でも起こるかのごとく市民をあおってたクセに。千葉県の被害がほとんど報道されていないという話題はネットニュースでも知ることができたし、どうやらSNSでも話題になっているらしい。
(※ついでに、ここ数年のことだと思うが、NHKのニュースで「避難してください」だのといったアナウンスが目立つようになった。そのアドバイスそのものは間違っていないと思うが、でもこれ、報道機関の仕事でしょうか? だいぶ以前から、「なんかNHKってのは“大本営発表”の代行をしたがっているように思えるときがあるなぁ」と感じてきたものだが、このNHKのアナウンスに違和感を覚えているのははたしてオレだけだろうか?)
そんなさなか、我らがケーセッキ安倍(개새끼아베)はなにをやっていたか?
内閣人事を「史上最大級」とも言われた台風が核心部に近い首都圏を直撃したそのさなか、てめぇらの勝手な事情だけで「粛々と(?)」再編し、例によってこんな宣言をしたそうな。
「わが党長年の悲願である憲法改正を、党一丸となって強く進めていきたい」
これはまぁ、党役員会での演説であり、いわば自民党内部での発言にすぎないとの解釈も可能かもしれないが、オレは素直に思わざるを得なかった。
バカのひとつ覚えとはこのことか……。
ついでに言えば、あの男の軽量なオツムのなかでは、そこでのたまった「憲法改正」とやらは「わが党」なのではなく、「オレの」なのではあるまいか? 事実として、自民党は党是として「憲法改正」を謳ってはきていたが、それだってあんなゴキブリ以下(まぁ、オレから見てね)のおとっつぁんの妄想と同化させられては「たまったもんじゃない」と考える自民党員や議員だっていらっしゃるに違いない。
ようは、そんな騒ぎ(改憲云々がどう扱われたかは知らないが)をダシにして、マスコミの多くがなすべき仕事をサボっているというのが、台風被害情報が著しく不足している原因のひとつなのだろうと思ったもんだ。
そういや、なんとなくだかなんとだかというタレント(? 名前だけは知っていたが、じつはオレ、その女性の顔も知らなければ、なにをやっているひとなのかも知らないんだよね・笑)と結婚だかなんだかをしたらしいあんちゃんが入閣したとかしないとか、そんな見出しが復旧してすぐさまパソコンの画面に現れたもんだが、TV番組がどんなザマだったのかは想像するまでもないだろうよ(笑)。
ともあれ、わが祖国。残念ながら、オレが悲しくも思わざるを得なかった以上にその「痴呆国家」(まァ、「法治国家」じゃなくてね)ぶりが進行しているようだ。沈没船に乗せられている気分といってもいいかもしれない。辛いことである。
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