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猫池罵詈雑言雑記帳
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 ふだんなら目にしただけで素通りするレベルの雑報だが、ちょっとばかり仰天したので、紹介だけしておきたい。

北朝鮮で餓死者続出、拉致被害者奪還の好機 家族会「いまを逃せば大変なことになる」
 (「夕刊フジ」2018年3月31日)

 すごいね、この見出し。

 いくら北朝鮮を利用したいからといって、「ひとの道」に真っ向から反するごときの見出しをつけるウヨクメディアの正体とは、いったいなんなのだろうと思う。これでは、自国民に対し人権の「じ」の字も与えようともしない北朝鮮当局とまったく一緒だと思うのだがどうだろうか。

>「数十万」とも「200万」ともいわれる餓死者が相次いだ1990年代の「苦難の行軍」の再来を懸念する声も上がっているという。正恩氏が追い詰められた今、日本には拉致被害者奪還の好機が訪れている。(リンク記事)

 と本文でも書き連ねている。
 ここでダシにされている「苦難の行軍」の再来が事実云々かどうかはともかく、それで金正恩が「追い詰められ」ていると自覚しているのであれば、それはそれで評価すべきことかもしれない(父親・正日と比べてのことだが)。

 この「200万」人にも及ぶ犠牲者が取りざたされている大量餓死事件について、先に亡くなったジャーナリストの萩原遼は、金正日による故意の大量虐殺事件だと看破している(『金正日 隠された戦争 金日成の死と大量餓死の謎を解く』文春文庫2006年/ほか)。そこには、自国民の大量死に対し座したまま手をこまねいていたのではなく、“敵”と位置づけられたひとびとを消すために仕組まれたワナ──食糧配給の停止などによって──というのである。言い換えるならば、このときの独裁者であった金正日はけっして「追い詰められ」てはいなかった。したがって、もし自国民が窮しているのに対し、息子・正恩が「追い詰められ」ているというのであれば、これはあの国にとって大きな進歩だという皮肉な見方だってできることになろう。

 そういう意味において、交渉の「好機」としたいのであれば理解はできる。北朝鮮当局が韓国や中国との間で対話の場を設けたことは事実であり、さらに米国との対話すら現実のものとなる可能性だってあるからだ(記事では、こうした事実に目を背けたいのか、日本が置き去りにされているなんていうのは錯覚だとでもいわんかのごとしである。哀れで泣けてくる)。

 だが、この恥さらしな「見出し」。
 あたかも人間の悲惨な死を福音としたいがごとしの姿勢
 悪辣な独裁者とそのもとで虐げられているひとびととの区別がついていないかのような幼児性(多少でもそういう常識を持っていれば、こんな見出しは避けるだろう)。
 フジサンケイというメディアの正体が、これほどわかりやすい見出しという意味では、天晴れというほかはない(フェイクニュースの実績もありますな)。

 それはそれとして……。
 北朝鮮問題において、米中露の介入をできるだけ少なくすべきだとオレは考えている。
 それは、なんらかの武力含みによる「ハードランディング」が取り返しのつかない結果をもたらすと考えていることがひとつと、北朝鮮解放後という大きな場面・時代においてが国がぜひリーダーシップをとってほしいと願っているからだ
 そう単純な問題でないことは承知のうえだが、あの国のインフラの整備をはじめ、農業や工業といった産業育成、教育や医療、さらにはエンタテイメントなどのビジネスチャンスにもつながらないワケがない。残念ながら、いまの政権のママでは、そんな前向きな近未来をデザインすることはとうてい不可能であろう。

■オマケ:
「バカのひとつおぼえ」あるいは(マンガのなかの)「壊れたロボット」みたいに「改憲・改憲」とさわぐ愚か者リーダー。あの男のオツムのなかには、祖国のデザインなどはなく、単に祖父の墓前にある成就を報告したいだけなのであるまいか。彼ののたまう「改憲」とは、ようはそういう「改憲」なのかもしれない。少なくとも彼のオツムのなかでは……。
 
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自己紹介:
 レジャーライター=植村誠の別館ブログです。
 ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
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