20日、民主党の小沢一郎代表が、氏の資金管理団体である「陸山会」が多額の不動産取得費を事務所費として計上していたことに関し、03〜05年分についての詳細を公表した。その内訳については新聞等で大きく報じられているし、ここで書きたいことに本質的な意味で関係がないので割愛するが、氏が公表に踏み切った背景には、与党閣僚をはじめとする国会議員らの会計に疑惑が生じているなかで、その詳細についてを明らかにする意思が、アベのおぼっちゃんをはじめとしてまったくみられない点に機先を制したいという思惑もあったのではないかともいわれている。氏が記者会見で述べたという「疑惑を持たれている閣僚や与党幹部は率先して公表すべき」だという談話はそれを裏づけるものといえるだろう。
この件についてはいくつかの新聞が1面で報じているが、このうち、「東京新聞」は「小沢氏捨て身、閣僚に迫る」との見出しをつけその背景と効果とを分析している(21日朝刊)。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20070221/mng_____kakushin000.shtml
この件についてはいくつかの新聞が1面で報じているが、このうち、「東京新聞」は「小沢氏捨て身、閣僚に迫る」との見出しをつけその背景と効果とを分析している(21日朝刊)。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20070221/mng_____kakushin000.shtml
すなわち、『最大の狙いはこれを機に「自分は公表したのになぜできないのか」と、政府・与党攻撃を強めること。』(同記事)
であり、一連の事務所費処理などについて「公表の必要性なし」とするアベのおぼっちゃんら与党側の談話にふれつつ、
『こうした反応は、統一地方選や参院選を前にした世論の風向き次第で変更を余儀なくされる可能性もある。』(同)
としている。与党幹部らがほっかむりを決め込むなか、これは当然の論調といえよう。
「朝日」や「読売」など他紙も近いニュアンスで報じていたようだが、いまひとつリンク 記事として、日刊ベリタにあった白川勝彦氏のブログを紹介してみたい。というのは、白川氏の記事がコンパクトに要点がまとめられていてわかりやすく思うことと、この問題について、ある意味典型的ともいえる見落としがみられるという点でも好例に思えるからである。
どういうことか? 「東京新聞」にせよ白川氏にせよ、あるいは(知る限り)ほかのもろもろの報道にせよ、支出についての内容や小沢氏や与党をめぐる政界がらみについての憶測などを伝える一方で、収入についての言及がまったくみられないのである。小沢氏が明らかにしたなかで、3億7000万円にもおよぶ秘書宿舎建設にからむ支出があるが、ではその財源ははなんなのか? おそらくは寄付や献金の類が大半ではないかと推測するけれど、このなかに血税が含まれていることを見逃してはならない。すなわち、「政党助成法」に基づいて税金から“喜捨”される「政党助成金」である。
1994年に制定されたこの仕組みによって民主党が06年までに受取った額はおよそ842億円(自民:1796億、社民:287億、公明:270億ほか)。これは一切の例外なしに全国民に課せられたひとりあたり250円という税金であり、用途についての制限がほとんど設けられていないアブクゼニの一種だ(*注1)。
小沢氏が同党の一員であり代表である以上、仮にそれぞれの支出に対する収入部分の区分けをしていたとしても、こうした血税に基づく恩恵を受けていることは否定できず、件の事務所費等(小沢氏に限らず)についても多額の税金が流れていることは間違いないだろう。しかし残念ながらこの点への追求をした報道に接することはなく(あった場合、ご教示いただければ幸いです)、さきの白川氏による“政界論評”を含めて、極論すれば「まとめてどうでもいい話」のオンパレードである(*注2)。これら巨額の用途不明金にくらべれば“たかだか”ともいえる20余億円という給食費未払いについてはあれこれ騒ぎ伝えるメディアがあるなかで、なんとも不思議な話ではないか。
小沢氏の戦略? 「痛み分け」? 知ったことかいな。
*注1:
共産は同制度に反対する立場から一切の受取りを拒否し続けているが、驚くべきというか呆れることに、同党が拒否した額についてはほかの用途への予算配分はなされず、まんまもろもろの政党のフトコロに収まる仕組みなのである。そういうカネを、湯水のように使いまくっているヤツらがいるわけですね。この点についての同党の主張には大いに賛成している。
*注2:
こんななか、25日の「東京新聞」朝刊では、一連の“不正”あるいは“不透明”経理の温床のひとつ(仕組みのうえで)となっている「経常経費」についてふれ、アベ内閣の閣僚ら国会議員69人についての経費実態を1面で報じている。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sei/20070225/mng_____sei_____002.shtml
であり、一連の事務所費処理などについて「公表の必要性なし」とするアベのおぼっちゃんら与党側の談話にふれつつ、
『こうした反応は、統一地方選や参院選を前にした世論の風向き次第で変更を余儀なくされる可能性もある。』(同)
としている。与党幹部らがほっかむりを決め込むなか、これは当然の論調といえよう。
「朝日」や「読売」など他紙も近いニュアンスで報じていたようだが、いまひとつリンク 記事として、日刊ベリタにあった白川勝彦氏のブログを紹介してみたい。というのは、白川氏の記事がコンパクトに要点がまとめられていてわかりやすく思うことと、この問題について、ある意味典型的ともいえる見落としがみられるという点でも好例に思えるからである。
どういうことか? 「東京新聞」にせよ白川氏にせよ、あるいは(知る限り)ほかのもろもろの報道にせよ、支出についての内容や小沢氏や与党をめぐる政界がらみについての憶測などを伝える一方で、収入についての言及がまったくみられないのである。小沢氏が明らかにしたなかで、3億7000万円にもおよぶ秘書宿舎建設にからむ支出があるが、ではその財源ははなんなのか? おそらくは寄付や献金の類が大半ではないかと推測するけれど、このなかに血税が含まれていることを見逃してはならない。すなわち、「政党助成法」に基づいて税金から“喜捨”される「政党助成金」である。
1994年に制定されたこの仕組みによって民主党が06年までに受取った額はおよそ842億円(自民:1796億、社民:287億、公明:270億ほか)。これは一切の例外なしに全国民に課せられたひとりあたり250円という税金であり、用途についての制限がほとんど設けられていないアブクゼニの一種だ(*注1)。
小沢氏が同党の一員であり代表である以上、仮にそれぞれの支出に対する収入部分の区分けをしていたとしても、こうした血税に基づく恩恵を受けていることは否定できず、件の事務所費等(小沢氏に限らず)についても多額の税金が流れていることは間違いないだろう。しかし残念ながらこの点への追求をした報道に接することはなく(あった場合、ご教示いただければ幸いです)、さきの白川氏による“政界論評”を含めて、極論すれば「まとめてどうでもいい話」のオンパレードである(*注2)。これら巨額の用途不明金にくらべれば“たかだか”ともいえる20余億円という給食費未払いについてはあれこれ騒ぎ伝えるメディアがあるなかで、なんとも不思議な話ではないか。
小沢氏の戦略? 「痛み分け」? 知ったことかいな。
*注1:
共産は同制度に反対する立場から一切の受取りを拒否し続けているが、驚くべきというか呆れることに、同党が拒否した額についてはほかの用途への予算配分はなされず、まんまもろもろの政党のフトコロに収まる仕組みなのである。そういうカネを、湯水のように使いまくっているヤツらがいるわけですね。この点についての同党の主張には大いに賛成している。
*注2:
こんななか、25日の「東京新聞」朝刊では、一連の“不正”あるいは“不透明”経理の温床のひとつ(仕組みのうえで)となっている「経常経費」についてふれ、アベ内閣の閣僚ら国会議員69人についての経費実態を1面で報じている。
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