かねてから不可思議で仕方がなかったことのひとつに、われらがアベシンゾー流の“解釈改憲”とやらがある。そもそもが、アベが目の敵にしている日本国憲法第9条のどこをどのように読めば、ああいう“解釈”とやらが可能なのかがさっぱり理解できないからだ。
法令をはじめ「きまりごと」を示す文章にはとかくわかりづらいものが多いが、そんななかでもわが国の憲法は明快な部類に入るであろう。たしかにファジーな部分がないとはいわないにせよ、そうそうに解釈が困難な文章が並べられているとは思えない。
にも関わらずああいう“解釈”がなぜ飛び出してきたか?
ある種、その解答を示したのが、5月20日に実施された国会での党首会談だ。
わが国の首相は語った。
「詳らかに読んでいない」
これは日本共産党の志位和夫委員長から提起された「ポツダム宣言のこの認識を認めないのか?」という問いに答えたもので、憲法について直接触れたものではない。だが、それに対する国会での答弁はかくのごとし。「詳らか」もヘッタクレもない。コトは単純。(大任を背負うべき政治家として)それを「読んだか読まないか?」それだけである(逆に、読んでいるにも関わらずそうした答弁をしたのであれば、アベの本質が著しい不誠実さにあるか、そうでないというならば国会軽視という政治家として致命的な欠陥が詳らかにされたことになってしまう。ましてや改憲だの戦後レジームがどうのなどと騒ぎ立てている張本人にしてニッポンの首相である。しかしその論議の前提にすら達していないとはねぇ。アベサンよ、あんたひょっとしてホンマモンの馬鹿なのか?)。
この事実は、すでに国際的にも流布され、ある種の“国恥”として拡散しつつあるようにも思えるが、こういうわが国の政治化としておよそ不適格な男だからこそ、ああした“解釈改憲”などという詐欺を思いつくことができたのではないのか? おそらくは、その第9条はおろか、日本国憲法をすべからく読んでいないのがあのアベシンゾーという人間なのに違いないという推論が容易に成り立ちはしまいか?
これはもう、考え方だのイデオロギーだのの違いという問題ではなく、いわんや「人間性がどうの」などというポエムチックな問題でもない。単純に政治家としての資質の欠如そのものである。
断っておくが、安倍晋三さんという一個人が「ポツダム宣言」について訊ねられ、「読んでいないから」とかわしたことを問題にしてるのではない。「ポツダム宣言」にせよ「日本国憲法」にせよ、きちんとあるいはほとんどまったく読んだ経験のない人は、それこそゴマンといるだろう(なかには「あべさんのどこがいけないんだよ。オレだって「ポツダム宣言」なんか読んだことない是!」などと飲み屋やらネット上やらでクダを巻いてるヤツはいそうだが、そういう手合いもオレからみれば「馬鹿」の類。読んだことがないことについてではなく、一市井人と首相との立場の違いが理解できていないことに対しだ)。
カレはわれらが日本の政治家、それも首相である。であれば、たとえそれらの内容が自らのイデオロギーに反する内容であったとしても「ポツダム宣言」や自国の憲法ぐらいを「詳らかに」理解しているのが最低の資質といえるハズだ(繰り返すがそんな無知な前提に立って「改憲」だの「戦後レジーム」がどうのなどと叫び続けているとは驚いてもしょうがないが驚きだ)。それを自らの無知を言い訳に答弁逃避を図るとは、「馬鹿も休み休み言え!」とはこういうことを指す。市井のひとびとが飲み屋でクダを巻いているのとはまったく違うのである。
言い換えると、そんな無知な男だからこそああした政策を「粛々と」進められるのかもしれないが、問題はああいうのを国会議員、それも首相にしていい気になっているニッポンジンにあろう。韓国だの中国だのと外国のことを嘲ってる場合じゃないだろうよ、お馬鹿さんたちよ(笑)。
それにしても、学業優秀を貫き官僚として責任ある立場にあるひとびとは、ああいう無知な首相を戴いていることについてどう思っているのか? せっかく数々の難関を潜り抜けて“エリート”の仲間入りをしたら、じつはあんな無知な輩でも首相としてイイ気になっていられるとは。あんなザマを見せつけられた子どもたちは、それこぞバカバカしくなって勉強なんぞしなくなったりしてなァ(笑)。
(どっかの国のトップみたいに)まんまと世襲さえすれば、無知なお馬鹿さんでもなれるのが、ニッポンの政治家のようなのでございます。
しかしまぁ、「バカとハサミは使いよう」という言葉もある。官僚機構や財界、くわえてアメリカ合州国にとっては、むしろそのほうが好都合なのかもしれない。そうだとすれば、日本人も馬鹿にされたものである。あんなのを首相にしてんだから自業自得ともいえるが、巻き添えにされるのはたまったものではありませんな(笑)。
※おまけ:
ここはひとつ、抜き打ちで「わが国の国会議員にあるべき最低限の資質ペーパーテスト」でも実施してみたらどうか? 弁護士や医師、教諭、不動産取引、旅行業斡旋……、あるいいは自動車の運転をするにあたってだってペーパーテストがあるのだ。選挙の洗礼も重要だが、それらに比べるとニッポンの政治家ってのはかくも軽々しいシロモノなのか(まぁ、テストをすればいいって問題でもないが)。
ついでに、TPPもそんなセンスで論議モドキをしてるんだろうなァ。もっともアレは、先方(アメリカ合州国)が一方的に自国語(米語)で押しつけてきているシロモノで、一説によれば日英語に堪能であってもその条文の翻訳が困難だとも聞く。しかしアベ政権の面々(いちおう全員とまではいわない)がそれ以前の姿勢あるいは能力の持ち主であることは十分に想像できはしないだろうか?
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