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猫池罵詈雑言雑記帳
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「今帰ったペコペコした男、君達は知らんだろ?(中略。彼は)一時は凄い羽振りの売れっ子だったんだ。(中略)僕も『コミックVAN』時代に頼んだら、鼻水もひっかけない。〈僕ぁページ1万円以下じゃ描きませんよ〉なんつっちゃってね。」(中略)ところが今じゃあれ。〈遠山先生、いくらでも結構ですから、何かお仕事ください〉だよ。ハハハハハ……」

 引用したのは『出版奈落の断末魔 エロ漫画の黄金時代』(塩山芳明著・アストラ刊)の一節。著者は現役のエロ漫画編集者(編集プロダクション社長)。引用部分は自らの業界のさまを語るなか、かつての「ロクでもない記憶しかない(同書99ページ)」かつての上司(故人)についてふれたくだりだ。漫画家側にも言い分はあるに違いないが、ようは一部元売れっ子漫画家の「最盛期の傲慢」ぶりと「凋落後の彼らのみじめさ」という点。だが、じつはコレはお互いさま。

<遠山の凄いのは、自らが情け容赦なく切り捨てた漫画家に、(彼らが売れっ子になってから)平然と再び依頼する点。切ったほうはともかく、切られた側は恨みを忘れていない。ケンもホロロというか、この一言が叩き付けたくて、今日まで業界で頑張ってたってな対応。>(50ページ。()内はブログ筆者が補足)

 本書ではコミカルに語られてはいるが、案外コレは大切なことだ。人間たるもの、いかにエラくなったとしても謙虚をいうものを忘れてはならないのではないか。たとえ腹のなかはどうあれ、自らの傲慢はやがて自分に跳ね返ってくるものなのだと常にいましなければとオレは思う。

 さて、ここにきて、われらがアベシンゾー大先生とそのおとりまきにも、その事態は近づいてきたようである。“子飼い”ないし“同志”だと思い込んできた(?)憲法学者からこぞって「NO」を突きつけられ、自民党内部からも反発の声が表面化してきたからだ。それらは世論調査の結果とも重なる部分が多い。あくまで個人的な見方だが、ひとつは我慢を重ねてきたひとびとが機を捉えつつあり、いまひとつは化けの皮がだれの目にもわかるように剥がれてきたということではないか。

 ケッサクなのは、アベ一派がとてもまともには言論で対抗しえていないというところであろう。たとえば、自らが国会に招いた憲法学者の見解が意に反しており、かつ大勢がそのとおりである事実に対し「数ではない」とウソぶく馬鹿。「数ではない」というのであれば、過去にさかのぼって「数」で押し切った採決をすべて無効にしてごらんなさいよ(笑)。もちろん「数ではない」という言葉そのものは間違いではないけれど、こういう具合にご都合主義そのものな使い方をするとは、もう笑い飛ばすほかにはない(哀れんでもいいかもしれない)。さらに最高裁判決すら反故にせんとする政府・与党って、いったいなんなんでしょうねぇ(明治憲法下における判決ならともかく、れっきとした自民党政権下における判例である・笑)。こんなんで法治国家とは驚きだが、いうまでもなく中国や韓国がどうだのと外国のことをせせら笑っている場合じゃねぇぞ、お馬鹿さんたちよ。

 その「お馬鹿」ぶりの好例が、あのヨミウリがネット配信した記事であろう。

看過できないのは、政府提出法案の内容を否定するような参考人を自民党が推薦し、混乱を招いたことだ。参考人の見識や持論を事前に点検しておくのは当然で、明らかな人選ミスである。(集団的自衛権 限定容認は憲法違反ではない)
読売新聞 / 2015年6月6日 1時10分)

 驚いた。これでは、与党が推薦した参考人(憲法学者)が政府の狙いと反する見解を表明したこと、さらにそうした参考人を与党が推薦したことが国会の「混乱を招いたこと」になってしまう。しかし、こんなことはちょっとおませな小学生レベルでも看破できるレベルの詭弁だ。混乱を招いたのはかような法案を(一説によればアメリカ合州国の意向を丸呑みして)国会に提案し、それを強行しようとしている政府・与党の側ではないか。読者を笑わせるのも結構だが、ギャグの程度としてもいささかお粗末(ついでに自社独自のシロモノにすぎない見解までさも「事実」を報じるがごとくつけくわえているという厚顔無恥ぶりはどか。「~と当社は考える」とでもしておけばまだしも謙虚さがあるというものだがよ・笑)。

「潮目が変わった」
 弁護士の白川勝彦氏は、氏のHP5月24日掲載記事でそう語っている。ここにきて、そのとおりかもしれないと思うようになった。
潮目が変わった。ー永田町徒然草


氏は6月10日のアップで、さらにつぎのような一文を寄せている。
池に落ちた犬は叩け。ー永田町徒然草


先週の土曜日に、“あと一突きで、安倍政権は頓挫する書いた。昨日今日と、私なりに国会情報等を懸命に収集した。その結果は、“もう勝負は付いた”ということである。情報の専門家である筈のマスコミは、何故このことを報じないのだろうか。現在のわが国の報道は、北朝鮮や中国と同じレベルである。マスコミよ、恥を知れ

 上記ヨミウリの提灯持ち記事など、その最たる部類であろう。
 しかし、彼らは(飼い主たる)このとんでも政権が、永遠に続くとでも思っているのだろうか? NHKの恥知らず会長が政府が右というものを左とはいえないといった類の持論をぶちまけたが、ではさて、もしも万が一にもにも日本共産党が政権に就いたら、あんた同じことを主張できるのかね? あんたにもまた、落ち目のエロ漫画家と同様の運命が待ち受けているのではありませんか?

 ところで、その共産党もまた、この「潮目」の変化を摑んでいるようだ。

自民・村上誠一郎議員のあいさつ 日弁連院内勉強会ーしんぶん赤旗

 リンクは同党機関紙「しんぶん赤旗」の表題どおりの記事。自民党の村上誠一郎衆院議員が10日の日弁連主催の院内勉強会「『安全保障法制』を問う」の席上で発言したその要旨をまとめたものである。

 さらに今日(6月13日)アップでは、自民党(元を含む)の大ベテラン政治家の発言を詳しく報じている。

「戦争法案「国策を大きく誤る」山崎・亀井・藤井・武村氏 元自民幹部ら反対表明ーしんぶん赤旗

 山崎拓氏は戦争法案が成立することになれば「不戦国家から軍事力行使国家へとの大転換を意味する」という誤解の余地がない見識を示した。件の会見や記事では触れられていないが、そうなればカネ(国民の税金)の支出先も自ずと変わらざるをえないことにも留意する必要がある。なんでも、あのオスプレイを「倍の価格で購入」したとも言われるが、こんなレベルでない莫大な出費も見込まなければならないだろう(ついでながら、ロッキード事件を連想したのはオレだけだろうか?)。消費税を上げる一方でこの有様なのである。

 つい長々とやってしまうが、もうひとつだけ触れておきたい。
 与党が12日に強行採決を狙い果たせなかった「派遣法改悪案」についてである。
 
 当ブログで関連したことを何度か触れてきたが、こんなモノがまかり通った先になにが起こるか?
 表だって論議されているのは雇用の不安定化(雇用者都合のクビ切りが自由になるなど)だが、それはすなわち行政として以下の収入に齟齬をきたすことに結びつく。

 所得税
 健康保険税
 年金

 所得税は単純。被雇用者の所得が減れば税収もリンクするだけである(もちろん、非正規雇用下にあってもある程度以上の収入を確保することは可能だし現にあるが、現在論議されている法案によって影響を受けるのはそうなりづらい一般労働者である)。ではさて、それによって生じた不足分をどうやって補うつもりなのですかな?
 健康保険税と年金はどうか? じつはこれも単純で、「払いたくても払えない」層がより拡大してゆくことになるであろう。雇用する企業側にとっても大変だろうが、企業と被雇用者がともに負担するという現システムがあってこそ、機能できている面もあるのではないか? 払えない……。それが行き着く先は破綻である。単純に個人や雇用者だけの収入云々の問題ではないのである。

「派遣法改悪」の背後には人材派遣業界が蠢いているともウワサされるが、いまひとつはアメリカ合州国資本を含む保険業界からの恫喝もあるのかもしれない。あたかも別件でコトを進めるようにして、まんまと目的を果たす。手品のようでもあるが引っかかってはならない。ふと北朝鮮で起きた数百万人規模といわれる餓死事件が思い浮かんだ。ジャーナリストの萩原遼氏(氏以外にも)は、それを金正日が仕組んだ故意の大量殺人だと看破している(たとえば『金正日 隠された戦争―金日成の死と大量餓死の謎を解く』文春文庫 )。

 独裁政権のザマというのは、いずれも似たり寄ったりということか・・・。

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