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猫池罵詈雑言雑記帳
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 都知事にはあの団子のおとっつあんが3選を果たした。この当選そのものは、こう言ってはミもフタもないけれど、予想どおりではある。もっとも、得票率に関していえば、予想をはるかに超えるものではあったが。
 選んだのは、都民の有権者である。どうしてかは図り知れない部分があるけれど、団子都政を続けさせたいだけのなんらかの意図があってのことであろう。幸いにしてオレは都民ではないし、「どうぞご勝手に」と冷たく言い放ちたい気分ではあるが、東京都を筆頭とする今回の地方選の一連の結果が国政に影響を及ぼす可能性はあり、累が及ぶという点ではその尻拭いをさせられるのは都民だけではもちろんない。そういう意味では、「どうしてくれるんだ?」と胸ぐらのひとつにでもつかみかかりたい気分にすらなってくる。・・・ということで、嘆きのつぶやきを。  



 ひとつだけその“気分”についてたとえてみると、仮に就学前あるいは就学児童・生徒をわが子に持っていたとしたら、この事態は子どもを連れて都外へ脱出、“難民”となりうるほどおそろしく嘆かわしい状況だ(カネがあれば、直接の影響をあるていど回避できる可能性のある私立に通わせることもできるが)。こんななかでがんばっておられる教員のみなさんには悪いけれど、それほどいまの状況、またはこの先に予想されうる世界というのは、異様だといっていい。限られた一方の側による思想の統制が強化され、およそ先進民主主義国家とは思えない横暴がまかり通るのは目にみえているが、ようはそういう事態をも含めて、都民の多くは圧倒的な得票率を与えて信任したということなのだ。ファシズム社会というのは、こうしてできあがっていくんだろうなァ……。生々しく学習していくことにしよう。

 しかし、都民でないとはいっても、これは対岸の火で済ませられる問題ではないだろう。一連の結果をみて、翼賛カルトと化した現政権が勢いを得たのは間違いないからだ。改憲前提の国民投票法案の強硬採決が目前に迫り、いまなおくすぶり続けている共謀罪の再燃は近い。都民有権者が弱者切り捨て政権を信任したという事実は、少なからず国政にも影響を及ぼすだろう。当然のことながら、税金や社会保障関連にも跳ね返ってくる。ほかならぬ自分たちの生活に、だ。
 東京オリンピックの空疎なバルーンやイメージでしかない“力強さ”に浮かれ騙されるのは結構だけれど、そうした路線上に起こりうる結果はどうなのか。そのときの覚悟を、はたしてどれだけの有権者が持っているのだろうか。団子だけでなく、為政者は好きなようにやっていくだろう。しかしその始末をさせられるのは、ほからなぬわれわれ自身だということを、いまいちど考えてみてもいいのではないだろうか。

 ところで、落選した某候補の政権放送が一部にウケ、ネット上の動画サイトなどに投稿される事態となった。かくいうオレはテレビではみなかったが、友人が教えてくれたURLをたどってアップされたものをみて、なるほどと思わせるものはあった。政治信条の類といった部分はさておき、こういう個性的な人物を“ウォッチ”するのは、じつは案外好きだったりするのだ。
 ところが、こうしたネットへの転載行為が公職選挙法に抵触する可能性なども指摘され、動画サイトに対して削除依頼もなされたと報道されている。いわく「公平に欠く」ということらしいが、法に照らし合わせて問題アリというのであれば、致し方のない部分もあろう(まぁ、本来はおもしろがるものでもないし)。しかし、だからこそ思うのは、団子のおとっつぁんや落選してしまったが浅野氏の露出度の高さをどうやって説明できるのかということである。以前、共産が報道機関に対して公平に扱うように要請した旨をこのブログでもふれたことがある(3月13日)が、たしかに選挙期間を含めて、団子の露出度は異様に高く思えた。ついで浅野氏であり、「東京新聞」あたりはさすがに吉田氏の動向も記事の先頭に伝えていたが、テレビを中心として、影響力のあるマスメディアの実態というのは、ようは合法的団子応援にほかならないと、やや極論的な見方を承知でそう感じた(さらにいえば、そのほかの候補者に関しては、立候補表明時はとにかくとして、ほとんど無視されていたといっていいだろう。オレが“ウォッチ”するお遊び的な面を除いては)。

 ネット上にあった件の政権放送のアップは、そのほとんどは政治的な意味合いがあったとは思えないけれど、だからこそ、そんないたずらの類が「公平さを欠く」というのであれば、表向き合法的な手続きを踏んだフリをしている大手メディアの“応援”というほうがよほど悪質というものであろう。公平を装った肩入れである。なんともバランスに欠く実態ではないか。
 団子の圧倒的勝利は、もちろんそんなことだけで説明できるとは思わないし、いまさらなにを言っても仕方のない部分もあるが、単なる知名度(ついでに記せば、たとえば対抗馬のひとりだった黒川紀章氏あたりのそれは、一部の業界やひとびとを除いてはそれほどのものだとは思えない)やイメージをもって左右されがちな大衆が、まんまと乗せられたとみることもできるのではないだろうか。こんなことは、もちろん今回の選挙に限ったことではないが……。


*おまけ:
 いまひとつ、あらためて気づかされたのが、自公の相乗り候補(推薦・支持を含む)の拡がりである。件の団子もそうだったが、一部では凋落傾向とする見方すらある自民を支えるのが公明・・・というよりその支持母体である創価学会であることはだれしもが認めるところであろう。これは強い。いつ浮気するか知れたものではない浮動層はもとより、いちおうの支持者であってもこれが政治問題である以上、批判の鉾先が自分たちの側に向けられる可能性は常にある。しかし、その点でみれば、このタッグは非常に強力なものといっても差し支えない。もちろんその母体そのものに裏切られる可能性はあるにせよ、本来的な政治信条とは異なるレベルでの集票(むろん例外はある)がシステム化されるからだ。すなわち、なにをやっても支持を集められる仕組みである。
 で思ったのは、このところの自民党の動きの背景に、この強固な選挙システムが介在していることはないのだろうかということである。
 これまでであれば、いちおうは強硬すぎるやり方には内外からのブレーキがかかることが多かった。野党の力がいまより強かったという要素もあるにせよ、極端にバランスが崩れれば、たいていは反発する力が働いて、昨今のように好き勝手ともいえる状況が長く続くことはなかったハズだ。もちろん選挙という形で示されることもあり、メディアを含めた監視が働くこもあったが、いずれにせよ、いまの状態は急激かつ異常である。そしてなお強硬姿勢をとり続ける政権にとって、いかなる選挙のさいにも支持者として動員されうる集団が、大きな支えになっている……。集団のトップが号令をかけさえすればそれなり以上に機能するグループが。
 選挙結果にみる大衆の動向を窺いつつ、ふとそんなことを思ってみた。この点もいずれなにかのおりに考えをまとめてみたい。
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自己紹介:
 レジャーライター=植村誠の別館ブログです。
 ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
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