以前、なにかの折りに触れたことがあるけれど、プロレス(ここではジャイアント馬場やアニトニオ猪木が第一線で活躍していたいわゆる“昭和プロレス”をさす)のチャンピオンの一部はその地位を守りやすいルールによって庇護されていた。いうまでもなく、プロレスの勝敗は「3カウントのフォール」か「ノックアウト(ギブアップを含む)」、「リングアウト」、「反則行為」・・・によっておもに決するが、挑戦者がタイトルマッチで勝利しても、肝心のタイトルが移動しないルールがまかり通っていたのである。
すなわち、リングアウト勝ちと反則勝ちでは勝ちとは認められてもチャンピオンベルトを獲ることができないため、事実上の負けとなる。挑戦者が勝つためにはチャンピオンをノックアウトするか押さえ込んだうえで3カウントをレフェリーに打たせるしかないことになってしまうのだ。勝ちは勝ちなのにと思うだろうけれど、ようはチャンピオンの防衛を延ばすための施策であり、そのほうが興行的なメリットがあると考えられていたのであろう。
だが、そんなルールのため、なかには故意とみられる「リングアウト負け」や「反則負け」が少なくなかった。挑戦者有利とみるや、チャンピオンが倒れたフリをしてリング外で伸びてしまうのである。あるいは興奮を装って反則を続けたりひどい場合にはレフェリーに手を出す例もあった。しかしこうした「負け」であれば肝心のベルトはそのままというきまりなので、ある種の戦術として半ば公認されていたといっていい。キツイ言い方をすれば“合法的八百長”としてもいいだろう。仮にボクシングのタイトルマッチにおいて、判定勝ちやTKO勝ちでのタイトル移動がなかったとしたらと考えれば、そのおかしさは本当ならだれでもわかるハズである(ホームタウンデシジョンという問題もあるにはあるようだが)。
すなわち、リングアウト勝ちと反則勝ちでは勝ちとは認められてもチャンピオンベルトを獲ることができないため、事実上の負けとなる。挑戦者が勝つためにはチャンピオンをノックアウトするか押さえ込んだうえで3カウントをレフェリーに打たせるしかないことになってしまうのだ。勝ちは勝ちなのにと思うだろうけれど、ようはチャンピオンの防衛を延ばすための施策であり、そのほうが興行的なメリットがあると考えられていたのであろう。
だが、そんなルールのため、なかには故意とみられる「リングアウト負け」や「反則負け」が少なくなかった。挑戦者有利とみるや、チャンピオンが倒れたフリをしてリング外で伸びてしまうのである。あるいは興奮を装って反則を続けたりひどい場合にはレフェリーに手を出す例もあった。しかしこうした「負け」であれば肝心のベルトはそのままというきまりなので、ある種の戦術として半ば公認されていたといっていい。キツイ言い方をすれば“合法的八百長”としてもいいだろう。仮にボクシングのタイトルマッチにおいて、判定勝ちやTKO勝ちでのタイトル移動がなかったとしたらと考えれば、そのおかしさは本当ならだれでもわかるハズである(ホームタウンデシジョンという問題もあるにはあるようだが)。
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ふと気がついたら表が「バチバチ」とうるさい。大粒の雨が叩いているような、されどそれともちょっと異なる音がなりやまないのだ。やや風のある日。隣の畑にあるビニールハウスが風に煽られており、「あぁ、これか」といったんは納得してみたものの違和感もある。そのうち消防車の音が近づいてきて、近所からもうもうとした煙がたちのぼっているのがハッキリとみえた。
火事である。
300メートルは離れていると思うけれど、窓を開けていると燻られた臭いが部屋にも流れ込んでくる。すぐに締めはしたものの、しばらく身体にしみついてしまったほどだ。かなりの勢いで燃えているように窺えたが、家主やその家族はいかなる気持ちであったろうか。さみだれ式に到着する消防車群のサイレンは、ほぼ鎮火したと思われるころまで続いた。
火事場見物などをする趣味はないのでわざわざ現場に出向いたりはしながった。しかし当事者の悲劇は想像したりもする。考えてみると、これは日常だれにでもあり得る火災だったが、戦火というのはさらに悲惨なものなのではないか? 大切な家が破壊され燃やされ、ひとが死ぬ。こんなところから戦争というものを考えてみることもできるのではないか。これはなにも自分たちの身だけの問題ではない。戦争をしたがっている連中は、火災をまぢかにして想像力を働かせてみることだ。
■節度を推しはかる
日本郵政公社のリストラ計画の具体化が進められている。すでに昨年秋ごろから集配業務の廃止(郵便物の集配達および郵便貯金と簡易保険に関する外務営業の廃止)がはじめられているが、それだけでなく簡易郵便局の閉鎖も増え、全国一律だった郵便サービスに地域格差が生まれつつある状況だ。リストラのタテマエはそれぞれの“事業所”の赤字である。簡易郵便局の閉鎖に関しては赤字理由による一方的な委託契約破棄に加えて、金融分野拡大による業務の煩雑さに伴う負担から受託側が消極的にならざるを得ないという状況も指摘されているが、いずれにしても効率化の御旗のもと切り捨てが進められていくことは否定できないであろう。
火事である。
300メートルは離れていると思うけれど、窓を開けていると燻られた臭いが部屋にも流れ込んでくる。すぐに締めはしたものの、しばらく身体にしみついてしまったほどだ。かなりの勢いで燃えているように窺えたが、家主やその家族はいかなる気持ちであったろうか。さみだれ式に到着する消防車群のサイレンは、ほぼ鎮火したと思われるころまで続いた。
火事場見物などをする趣味はないのでわざわざ現場に出向いたりはしながった。しかし当事者の悲劇は想像したりもする。考えてみると、これは日常だれにでもあり得る火災だったが、戦火というのはさらに悲惨なものなのではないか? 大切な家が破壊され燃やされ、ひとが死ぬ。こんなところから戦争というものを考えてみることもできるのではないか。これはなにも自分たちの身だけの問題ではない。戦争をしたがっている連中は、火災をまぢかにして想像力を働かせてみることだ。
■節度を推しはかる
日本郵政公社のリストラ計画の具体化が進められている。すでに昨年秋ごろから集配業務の廃止(郵便物の集配達および郵便貯金と簡易保険に関する外務営業の廃止)がはじめられているが、それだけでなく簡易郵便局の閉鎖も増え、全国一律だった郵便サービスに地域格差が生まれつつある状況だ。リストラのタテマエはそれぞれの“事業所”の赤字である。簡易郵便局の閉鎖に関しては赤字理由による一方的な委託契約破棄に加えて、金融分野拡大による業務の煩雑さに伴う負担から受託側が消極的にならざるを得ないという状況も指摘されているが、いずれにしても効率化の御旗のもと切り捨てが進められていくことは否定できないであろう。
“大変な世の中”になっているという。
ひとつ景気の問題でいえば、いくつかの“報道”の類でその回復が伝えられるようになって久しい一方で、社会的格差の実態が既成事実としてクローズアップされてきた。わが国の代表し、優良とされる企業のなかに違法就労を勤務者に強いている事実も明らかにされている。正社員>準社員(?)>派遣社員>請負いおよびパート・アルバイト・・・のように働くものの間にある種の身分制度のような構図が築かれつつあるのを感じているひとも少なくないだろう(さらに勤務先の優劣がその底辺にある)。際限のないリストラ競争にあって、現在の地位からのドロップアウトをしようものなら、収入は大幅に減り厳しい生活を余儀なくされる。しかもいったん“ランク”を下げられようものなら、もとの生活を取り戻すのは極めて困難になってきた面もあり、いまマトモな生活をしているひとなかには、必要以上に畏縮させられストレスをためこんでいるひとも多いのではないか。こうした実態は深化こそすれ、抜本的な解決に向けて国や財界が動いているとは思えず、出口のみえない迷宮に閉じ込められているかのような感じすらある。
ひとつ景気の問題でいえば、いくつかの“報道”の類でその回復が伝えられるようになって久しい一方で、社会的格差の実態が既成事実としてクローズアップされてきた。わが国の代表し、優良とされる企業のなかに違法就労を勤務者に強いている事実も明らかにされている。正社員>準社員(?)>派遣社員>請負いおよびパート・アルバイト・・・のように働くものの間にある種の身分制度のような構図が築かれつつあるのを感じているひとも少なくないだろう(さらに勤務先の優劣がその底辺にある)。際限のないリストラ競争にあって、現在の地位からのドロップアウトをしようものなら、収入は大幅に減り厳しい生活を余儀なくされる。しかもいったん“ランク”を下げられようものなら、もとの生活を取り戻すのは極めて困難になってきた面もあり、いまマトモな生活をしているひとなかには、必要以上に畏縮させられストレスをためこんでいるひとも多いのではないか。こうした実態は深化こそすれ、抜本的な解決に向けて国や財界が動いているとは思えず、出口のみえない迷宮に閉じ込められているかのような感じすらある。
東京都知事選がらみの話題がにわかに盛り上がっている。“主役”はもちろん団子のおとっつぁんだ。公費の乱費や都民に対して理解が得づらい公的事業への息子の登用など、いわゆる“都政の私物化”が次々と明らかにされるなかで、こんどは2000万円もの裏金受領が取り沙汰され報道されている始末。こでまで飼い犬よろしくおっとっつぁんにシッポを振るばかりだったマスメディアが、まだ一部のこととはいえ石原批判の記事を露出させるようになったのは、ちょっとした変化だといえよう。
一連の批判への糸口となったのが、「しんぶん赤旗」という一政党の機関紙であるところも興味深い。ジャーナリストの本多勝一氏の言ではないが、オレ自身は同紙の報道については評価しているひとりであり、逆の見方をすればほかのもろもろの“報道”機関は、いったいなにをやっているのかということにもなる。自党の広報部分はとにかくとしても、政治・社会・外報・・・スポーツも・・・、たとえば大手A新聞あたりと比較しても同等以上にきちんと報じている(雑報については時事通信社からの配信のようだ)。したがって、同紙のネット配信記事なども優先的に目を通すこととなる。記者クラブのようななかよし互助会の類と無縁の同紙が一般紙のレベルを超える報道をしているのである。それだけで決めつけるわけにはいかないけれど、記者クラブなどがいかに無用かつ有害なシロモノなのかを物語るひとつの証拠にはなろう。ついでながら。
しかし、都知事選を目前にして、同紙というか、共産に対してやや厳しい見方をせざるを得ない状況になってきた。
一連の批判への糸口となったのが、「しんぶん赤旗」という一政党の機関紙であるところも興味深い。ジャーナリストの本多勝一氏の言ではないが、オレ自身は同紙の報道については評価しているひとりであり、逆の見方をすればほかのもろもろの“報道”機関は、いったいなにをやっているのかということにもなる。自党の広報部分はとにかくとしても、政治・社会・外報・・・スポーツも・・・、たとえば大手A新聞あたりと比較しても同等以上にきちんと報じている(雑報については時事通信社からの配信のようだ)。したがって、同紙のネット配信記事なども優先的に目を通すこととなる。記者クラブのようななかよし互助会の類と無縁の同紙が一般紙のレベルを超える報道をしているのである。それだけで決めつけるわけにはいかないけれど、記者クラブなどがいかに無用かつ有害なシロモノなのかを物語るひとつの証拠にはなろう。ついでながら。
しかし、都知事選を目前にして、同紙というか、共産に対してやや厳しい見方をせざるを得ない状況になってきた。
「強制性を裏づける証言はなかった」とするボッチャン首相の発言。いうまでもなく戦時中の「従軍慰安婦」に関するものである。
このボッチャン発言そのものはなにも目新しいものではなく、戦時中に日本政府から国民に向けて流布されていた大ウソのひとつであり、当時の新聞やラジオがタレ流しにしてきただけでなく、現代になってもなお、ご都合的歴史解釈を旨とする一部の層からたびたび語られてきたものだ。ようは事実を向き合うよりも自室に隠ってせんずりでもしているほうがいいのだというあの世間知らずのボンボンの正体を問わず語りに表明したものであろう。したがって他者について慮る能力もなければ、他人の痛みについて想像することすらできないに違いない。「ひとりよがり」とはよくいった言葉ではないか。この発言だけでなく、あの男(スネオもか)の考える諸政策にはそんな底辺が共通して感じられる。そんな中年男を首相にしているとは、なんとも恥ずかしい国もあったものだ。
今回の発言は、従軍慰安婦問題をめぐる問題で旧日本軍の関与を認めたとする1993年に出された“河野洋平官房長官談話”を否定する内容でもあり、とうのオボッチャンはとにかくとして、周囲がそれなりに慌てたことは想像に難くない。8日になると慰安婦の実態について再調査をするとオボッチャンが表明したが、そんなものがその場しのぎの策にもならない策であることはたいていのひとはわかっている(それにそんな“表明”の意味などオボッチャンは理解していないだろう)。
このボッチャン発言そのものはなにも目新しいものではなく、戦時中に日本政府から国民に向けて流布されていた大ウソのひとつであり、当時の新聞やラジオがタレ流しにしてきただけでなく、現代になってもなお、ご都合的歴史解釈を旨とする一部の層からたびたび語られてきたものだ。ようは事実を向き合うよりも自室に隠ってせんずりでもしているほうがいいのだというあの世間知らずのボンボンの正体を問わず語りに表明したものであろう。したがって他者について慮る能力もなければ、他人の痛みについて想像することすらできないに違いない。「ひとりよがり」とはよくいった言葉ではないか。この発言だけでなく、あの男(スネオもか)の考える諸政策にはそんな底辺が共通して感じられる。そんな中年男を首相にしているとは、なんとも恥ずかしい国もあったものだ。
今回の発言は、従軍慰安婦問題をめぐる問題で旧日本軍の関与を認めたとする1993年に出された“河野洋平官房長官談話”を否定する内容でもあり、とうのオボッチャンはとにかくとして、周囲がそれなりに慌てたことは想像に難くない。8日になると慰安婦の実態について再調査をするとオボッチャンが表明したが、そんなものがその場しのぎの策にもならない策であることはたいていのひとはわかっている(それにそんな“表明”の意味などオボッチャンは理解していないだろう)。
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レジャーライター
自己紹介:
レジャーライター=植村誠の別館ブログです。
ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
なお、トラックバックおよび「コメント」は受けつけない設定にしております(当面はBBSへどうぞ!)。
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