昼前にテレビのスイッチを入れたら民放のワイドショウ番組が映った。で、おったまげた。
なにしろ構成がとんでもなく慌ただしい。きちんとみていたわけでもなく、いわんやメモの類も取らなかったのであやふやな部分はあるけれど、概ね以下のような流れであった。
→三浦和義氏拉致事件・某中学校の卒業式(生徒指導問題と休職教員ほか)・芸能人のプライバシー覗き・毒入りギョウザ事件続報・虐待事件・家計お役立ちネタ・年金(舛添トーク)……このほか後で知ったところでは静岡におでましになったというスネオのおっかけ模様(この場合おっかけているのはもちろんテレビ局である)も流していらしい。みていたさいには国会および官僚がらみの不祥事についてや“石原銀行”問題についてやら自衛隊事故の続報やらはなかったが。
あれこれ“三面”的ネタが、なにひとつ突っ込まれるわけでもなく(三浦氏事件のみはやや詳報していたが、これについては後で触れる)どんどんと移り変わってゆくのだ。見出しが大仰にド〜ンと出て、なんとなしに“事件気分”を煽ったかと思うと、あれよあれよという間にさらっと流されっぱなしにされ、気がつくとまったく別の話題になっている。じつは「なんだこりゃ?」と驚きながら主だったトピックと順番ぐらいは覚えておこうと思ったのだが、あまりの目まぐるしさにすっかりわけがわからなくなってしまった。
こんなのは昼間のワイドショウだけでなく、とりわけ民放系のテレビニュースの大半がやっている手法であり、いまさらなにをという感じではあるけれど、なんだか洗脳プログラムを施されているような連想をしてしまったものだ。
なにしろ構成がとんでもなく慌ただしい。きちんとみていたわけでもなく、いわんやメモの類も取らなかったのであやふやな部分はあるけれど、概ね以下のような流れであった。
→三浦和義氏拉致事件・某中学校の卒業式(生徒指導問題と休職教員ほか)・芸能人のプライバシー覗き・毒入りギョウザ事件続報・虐待事件・家計お役立ちネタ・年金(舛添トーク)……このほか後で知ったところでは静岡におでましになったというスネオのおっかけ模様(この場合おっかけているのはもちろんテレビ局である)も流していらしい。みていたさいには国会および官僚がらみの不祥事についてや“石原銀行”問題についてやら自衛隊事故の続報やらはなかったが。
あれこれ“三面”的ネタが、なにひとつ突っ込まれるわけでもなく(三浦氏事件のみはやや詳報していたが、これについては後で触れる)どんどんと移り変わってゆくのだ。見出しが大仰にド〜ンと出て、なんとなしに“事件気分”を煽ったかと思うと、あれよあれよという間にさらっと流されっぱなしにされ、気がつくとまったく別の話題になっている。じつは「なんだこりゃ?」と驚きながら主だったトピックと順番ぐらいは覚えておこうと思ったのだが、あまりの目まぐるしさにすっかりわけがわからなくなってしまった。
こんなのは昼間のワイドショウだけでなく、とりわけ民放系のテレビニュースの大半がやっている手法であり、いまさらなにをという感じではあるけれど、なんだか洗脳プログラムを施されているような連想をしてしまったものだ。
さて、そのなかでもやや詳報された三浦和義氏の逮捕・拘留事件。三浦氏による獄中からのコメントやら(日本と違って)手紙のやりとりが比較的自由にできるだのといったことがしかつめらしい表情を取り繕ったキャスターらによってあれこれ流されたあと、アメリカ合州国当局が「共謀罪」の適用を謀っているようだという見方が出てきた。ただし、番組製作で実権を握っている(?)なにものかはともかくとして、出演しているキャスターの類は「共謀罪」についておそらくたいした知識もなければとりたててなにも感じていないようではあった。「便利な法律があるんですね」ぐらいにはみえたが。
ちょっと古いものになるが、「東京新聞」の3月6日づけ「こちら特報部」が三浦氏事件とからめて共謀罪について取り上げている。
27年の歳月を経て亡霊のようによみがえったロス疑惑事件。因縁を感じさせるのが、久しく影をひそめていた「共謀罪」が、事件を契機に再び脚光を集めていることだ。それも難事件を解決できる「伝家の宝刀」として。(以下略。リードより引用。以下、太字部分は同記事からの引用)
三浦氏逮捕・拘留の容疑は2点。ひとつは1981年にロサンゼルス市内で起きた殺人事件について。いまひとつは殺害にからんで保険金詐欺を複数の人物(元女優と氏名不詳者とされる)企てた共謀行為を働いた容疑といわれる。前項の殺人容疑について、日本ではすでに無罪が確定しているが、今回は現在の日本にはなくアメリカ合州国の法律、すなわち「共謀罪」が加わる形である点を注目しておく必要がある。
同紙では、三浦氏が共謀罪反対の立場を表明してきたことなどを紹介するとともに、「共謀罪を日本に持ち込みたい人にとっては、これほどありがたいキャンペーンはない」という足立昌勝氏(関東学院大教授)のコメントを手がかりに状況を分析している。
「共謀罪」については、当ブログの前身である「日々是雑感」でも触れているのでおおまかな内容についてはそちらをご覧いただきたい。ようは具体的な犯罪行為なしに逮捕・立件できるという法案であり、戦前の治安維持法とほぼ同義である。わが国の政府が導入を謀る背景のひとつには「テロとの戦い」とやらを標榜するアメリカ合州国側の都合がある。幸いにといおうか、わが国においては反対勢力が強く、何度も成立の危機を逃れてきているものの、いつなんどき動き出してもおかしくない状況にあった。
同記事が指摘するのは、今年7月に予定されているサミット(北海道洞爺湖)との関連だ。すなわち「(サミットでは)テロ対策も重要な課題に上る見通しだ。それだけに、政府は共謀罪がいまだ制定できていない状況に危機感を募らせている」であり、「鳩山法相は通常国会前半までに成立を目指す方針を重ねて表明」である。そして、国会は参院が同法案に反対する野党勢力が過半数を持っており、成立の見通しがあるわけではない。「そんな状況で突然降ってわいた三浦元社長の逮捕だった」。
この見方は注目していい。空転国会(空転させているのは与党だが)や自衛隊による大事故、ケリがつく展望ひとつない年金問題、石油燃料の高騰とその背景、ガソリン税問題の行方……そうした国民の重大時をそっちのけにおもだったマスメディアが飛びつき続ける三浦事件。その本質的問題がきちんと分析されているならまだしも、大半はお茶の間向け覗き趣味のショウでしかないその実態。諸問題から目を背けさせるとともに「共謀罪」についての“理解”を得るという、これはその策略なのではないか? 呼応するかのように、連日のテレビニュースでテロを想定した警察の訓練などが伝えられている。幕張でどうのとか横浜でどうのとかそのテの訓練模様だ。そうしたニュースで必ずといっていいほど読み上げられるのが、イギリスなどで実際に起きている催しを狙ったテロ事件である(イングランドなどは入国審査の厳しさが知られるけれど、それでも事件が防げないほど憎まれているのかなぁ……というのはさておき*注)。日々流される数々のニュース。その取捨選択について、より厳しく目を光らせる必要がある。
*注:
それがたとえアメリカ合州国追従のツケだったとしても、無辜の市民がテロの標的にされる可能性がゼロでない以上はそれ相応の危機管理が求められるのはいうまでもない。が、さきの自衛隊の事故だけでなく、本質的部分での危機管理能力こそが必要なのであり、小手先の仕組みを導入すればいいという問題ではない。共謀罪には、法そのものがどのように運用されるか知れたものではないという大問題がある一方で、導入する側からしてもその運用が覚束ない悪法なのである。テロ対策云々は法整備以前の問題である。
ちょっと古いものになるが、「東京新聞」の3月6日づけ「こちら特報部」が三浦氏事件とからめて共謀罪について取り上げている。
27年の歳月を経て亡霊のようによみがえったロス疑惑事件。因縁を感じさせるのが、久しく影をひそめていた「共謀罪」が、事件を契機に再び脚光を集めていることだ。それも難事件を解決できる「伝家の宝刀」として。(以下略。リードより引用。以下、太字部分は同記事からの引用)
三浦氏逮捕・拘留の容疑は2点。ひとつは1981年にロサンゼルス市内で起きた殺人事件について。いまひとつは殺害にからんで保険金詐欺を複数の人物(元女優と氏名不詳者とされる)企てた共謀行為を働いた容疑といわれる。前項の殺人容疑について、日本ではすでに無罪が確定しているが、今回は現在の日本にはなくアメリカ合州国の法律、すなわち「共謀罪」が加わる形である点を注目しておく必要がある。
同紙では、三浦氏が共謀罪反対の立場を表明してきたことなどを紹介するとともに、「共謀罪を日本に持ち込みたい人にとっては、これほどありがたいキャンペーンはない」という足立昌勝氏(関東学院大教授)のコメントを手がかりに状況を分析している。
「共謀罪」については、当ブログの前身である「日々是雑感」でも触れているのでおおまかな内容についてはそちらをご覧いただきたい。ようは具体的な犯罪行為なしに逮捕・立件できるという法案であり、戦前の治安維持法とほぼ同義である。わが国の政府が導入を謀る背景のひとつには「テロとの戦い」とやらを標榜するアメリカ合州国側の都合がある。幸いにといおうか、わが国においては反対勢力が強く、何度も成立の危機を逃れてきているものの、いつなんどき動き出してもおかしくない状況にあった。
同記事が指摘するのは、今年7月に予定されているサミット(北海道洞爺湖)との関連だ。すなわち「(サミットでは)テロ対策も重要な課題に上る見通しだ。それだけに、政府は共謀罪がいまだ制定できていない状況に危機感を募らせている」であり、「鳩山法相は通常国会前半までに成立を目指す方針を重ねて表明」である。そして、国会は参院が同法案に反対する野党勢力が過半数を持っており、成立の見通しがあるわけではない。「そんな状況で突然降ってわいた三浦元社長の逮捕だった」。
この見方は注目していい。空転国会(空転させているのは与党だが)や自衛隊による大事故、ケリがつく展望ひとつない年金問題、石油燃料の高騰とその背景、ガソリン税問題の行方……そうした国民の重大時をそっちのけにおもだったマスメディアが飛びつき続ける三浦事件。その本質的問題がきちんと分析されているならまだしも、大半はお茶の間向け覗き趣味のショウでしかないその実態。諸問題から目を背けさせるとともに「共謀罪」についての“理解”を得るという、これはその策略なのではないか? 呼応するかのように、連日のテレビニュースでテロを想定した警察の訓練などが伝えられている。幕張でどうのとか横浜でどうのとかそのテの訓練模様だ。そうしたニュースで必ずといっていいほど読み上げられるのが、イギリスなどで実際に起きている催しを狙ったテロ事件である(イングランドなどは入国審査の厳しさが知られるけれど、それでも事件が防げないほど憎まれているのかなぁ……というのはさておき*注)。日々流される数々のニュース。その取捨選択について、より厳しく目を光らせる必要がある。
*注:
それがたとえアメリカ合州国追従のツケだったとしても、無辜の市民がテロの標的にされる可能性がゼロでない以上はそれ相応の危機管理が求められるのはいうまでもない。が、さきの自衛隊の事故だけでなく、本質的部分での危機管理能力こそが必要なのであり、小手先の仕組みを導入すればいいという問題ではない。共謀罪には、法そのものがどのように運用されるか知れたものではないという大問題がある一方で、導入する側からしてもその運用が覚束ない悪法なのである。テロ対策云々は法整備以前の問題である。
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レジャーライター=植村誠の別館ブログです。
ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
なお、トラックバックおよび「コメント」は受けつけない設定にしております(当面はBBSへどうぞ!)。
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