テレビコマーシャル。どうも以前と雰囲気がだいぶ違うような気がしないだろうか。感情を込めて偏見を述べるならば、不愉快な内容のモノが増えた。それも我慢の限度を超えたモノが少なくない。みなさんはどのように感じておられるだろうか……。
テレビそのものはあまりみるほうではない。せいぜいがサッカーの代表戦中継や夕方枠のNHKニュースショウ(関東ローカル)、目下放映中の韓国時代劇「トンイ」(NHK)といったあたりがレギュラーで、ほかには仕事ということもいくらかあって韓国ドラマをチェックすることがあるぐらいである。NHKはいうまでもなく自社宣伝以外のコマーシャルを持たないが、問題は民放である。とくに、韓国ドラマをみようと思うと、それなりの確率で民放BSをつけるハメになるが、これがCMのオンパレード、これでもかという風情で延々とCMにつき合わされるのである。
一例を挙げると、夕方17時台に民放で連続ドラマを放映しているところがある。たった1時間枠だが、番組のはじめにおよそ2分、さらに4〜7分ていどの刻みで2分前後もCMが流される。しかも、これだけでも十二分にコマーシャル漬けなのに、番組は52〜53分ごろに終わってしまうのである。そのあとは延々またコマーシャルばっか。そんなのをみていても仕方ないのでNHKに回す。ちょうどニュースショウの特集のお尻の部分が流れていたり、その日のできごとや番組の内容のおさらいをしていたりする。続いて天気予報と気象解説。さらに番組のお知らせや視聴者からの「お便り」紹介。つまり、民放某局で延々とCMを流している同じ時間をもってこれだけの内容を放映できるということである。もとより、CMが無用の長物だとまではいわないが……。
CMだって有用である。だが、いかに「タダ」とはいえ、視聴者にとってはドラマやニュースなど番組そのものが主役である。かつては、たとえば30分枠であれば、はじまりとおわりにそれぞれ1分が2回。中間にやはり1分。つまり、1分枠が計5回といったパターンだったハズだが、いまや1回ごとの枠が倍増し、それも回数が増えている。当然のこととして、番組はまったくのブツ切り。韓国モノはいうに及ばず、日本のドラマでさえ、ちょっと古いモノになればCMが増えたぶんだけカットの嵐だ。こんな状態だから、まともにはみない。個人的に興味を持ったドラマなどは、DVDを買うなり借りるなりするか、単に仕事上での都合であれば、ざっとみて、あとは必要に応じて放映以外の手段を探すほかはない。言い換えると、みるだけストレスがたまるからみないほうがいいということになってしまうのだ。もっといえば、同じような内容(テーマなど)の番組がある場合、NHKであれば時間をとってみるけれど、民放だったらあえて知らなかったことにしてしまう(海外鉄道モノのドキュメンタリーや紹介番組なんかもあるんだがなァ。でもみる気がおきないよ・笑)。
さて、本題はここからである。
この「ストレス」の原因は、単に回数の多さや時間の長さだけからきているのではない。CMそのものの内容。これが問題なのだ。
ごく大雑把にいえば、慇懃無礼が増えた。頼みもしないのにセールスマンが玄関に押しかけてきたような内容が増えた。それもしつっこくてうるさい。下品だ。
これは、宣伝物の性質にもよるとは思うが、最近のネタをざっとみればサプリメントの類や家庭用品などの通販モノ、(おもに外資の)保険会社の個別商品宣伝が席巻してはいまいか。それぞれの商品についてあれやこれやと口上が並べられるワケだが、それがあまりにも慇懃無礼な感じがするのである。なかには、公式に経口摂取での効果なしとされた栄養補給食品あたりが宣伝されていたりしてクビをかしげるし、あるいは消費者に恐怖を与えているとしか思えない内容もみかけるが、そうした商品宣伝の性質上、かくのごとくの内容になるのは致し方のないことかもしれない(細かいことだが、生命保険や医療保険の宣伝で「(なんらかの持病があっても)お申し込みいただけます!」なんてのがあるけれど、申し込みそのものはだれでもできるのではないのか? 問題は、「お申し込みいただける」けれど、件の保険を契約できるかどうかだと思うのだがなぁ。まっ、この場合は「申し込み」にしか触れていないのでウソを言ってないワケだが、こういうのを慇懃無礼かつイヤラシイという)。
シロウト考えだが、かつてのテレビコマーシャルというのは、企業にとって自社や自社製品の宣伝であるとともにある種の社会貢献という意味合いもあったのではないか。自社の利益を宣伝に割くことによってテレビ番組を提供し、同時に自社のブランドイメージの向上をはかる。一石二鳥である。そういう次第だから、コマーシャルフィルムには視聴者が好印象を持てるような工夫がなされていたハズだ。人気タレントを起用するというのもそのひとつだろうし、かつてのパルコのようなアバンギャルド系や、ある種の物語性をもたせたサントリーウィスキーのような例も事欠かなかった。そうして好印象をはかられたCMは、ときに番組そのものともコーディネートされ、番組枠全体の質をも高めていたように思う。そんなだから、“引き算嫌い”の金融会社(銀行や証券など。サラ金の含まれるか)でさえ、個別の商品宣伝よりも自社のイメージアップに主眼を置いたCMが少なくなかったのではないか(いまや大銀行でさえ自社のサラ金商品の宣伝ばっかである。一部証券会社にイメージ重視のCFがあるが)。例外も多々あったにせよ、そういう狙いだからこそ、内容の質が重視され、ときにオブラートで包みながら、結果として番組枠の雰囲気を極端に壊さずに済んでいたように思うのだ。
ところがいまはどうか。善意に解釈すればもう「なりふり構わず」。いまひとつは、大企業を中心に、自社や自社製品のイメージアップに頓着しなくなったようにすら感じられる。彼らが本当に余裕がないのか、あるいは戦略変更があったのかはわからない。だが、いずれにせよ残念な気もする。みて楽しいコマーシャルフィルムが減り、愚にもつかないセールスのタレ流しがテレビを席巻している現象にだ。言い換えると、日本の大企業というのはもはやホントにヤバいのではないか? ふとそんなことすら想像してしまった。
*補足:
しかしそんなだからこそ、逆に報道番組に力を入れるチャンスなんじゃないかという気もする。東京電力はいうに及ばず、原発メーカーなんぞもマトモにコマーシャルを打たないのだ。あるいは正規雇用をどんどん切り捨ててやまない一部大企業も然り。であれば、そんなところに「おとなの論理」で遠慮することなしに、バンバンと事実を報道したらよろしい。そうであれば、セールスマンの向上だって我慢しますよ。違いますか?
一例を挙げると、夕方17時台に民放で連続ドラマを放映しているところがある。たった1時間枠だが、番組のはじめにおよそ2分、さらに4〜7分ていどの刻みで2分前後もCMが流される。しかも、これだけでも十二分にコマーシャル漬けなのに、番組は52〜53分ごろに終わってしまうのである。そのあとは延々またコマーシャルばっか。そんなのをみていても仕方ないのでNHKに回す。ちょうどニュースショウの特集のお尻の部分が流れていたり、その日のできごとや番組の内容のおさらいをしていたりする。続いて天気予報と気象解説。さらに番組のお知らせや視聴者からの「お便り」紹介。つまり、民放某局で延々とCMを流している同じ時間をもってこれだけの内容を放映できるということである。もとより、CMが無用の長物だとまではいわないが……。
CMだって有用である。だが、いかに「タダ」とはいえ、視聴者にとってはドラマやニュースなど番組そのものが主役である。かつては、たとえば30分枠であれば、はじまりとおわりにそれぞれ1分が2回。中間にやはり1分。つまり、1分枠が計5回といったパターンだったハズだが、いまや1回ごとの枠が倍増し、それも回数が増えている。当然のこととして、番組はまったくのブツ切り。韓国モノはいうに及ばず、日本のドラマでさえ、ちょっと古いモノになればCMが増えたぶんだけカットの嵐だ。こんな状態だから、まともにはみない。個人的に興味を持ったドラマなどは、DVDを買うなり借りるなりするか、単に仕事上での都合であれば、ざっとみて、あとは必要に応じて放映以外の手段を探すほかはない。言い換えると、みるだけストレスがたまるからみないほうがいいということになってしまうのだ。もっといえば、同じような内容(テーマなど)の番組がある場合、NHKであれば時間をとってみるけれど、民放だったらあえて知らなかったことにしてしまう(海外鉄道モノのドキュメンタリーや紹介番組なんかもあるんだがなァ。でもみる気がおきないよ・笑)。
さて、本題はここからである。
この「ストレス」の原因は、単に回数の多さや時間の長さだけからきているのではない。CMそのものの内容。これが問題なのだ。
ごく大雑把にいえば、慇懃無礼が増えた。頼みもしないのにセールスマンが玄関に押しかけてきたような内容が増えた。それもしつっこくてうるさい。下品だ。
これは、宣伝物の性質にもよるとは思うが、最近のネタをざっとみればサプリメントの類や家庭用品などの通販モノ、(おもに外資の)保険会社の個別商品宣伝が席巻してはいまいか。それぞれの商品についてあれやこれやと口上が並べられるワケだが、それがあまりにも慇懃無礼な感じがするのである。なかには、公式に経口摂取での効果なしとされた栄養補給食品あたりが宣伝されていたりしてクビをかしげるし、あるいは消費者に恐怖を与えているとしか思えない内容もみかけるが、そうした商品宣伝の性質上、かくのごとくの内容になるのは致し方のないことかもしれない(細かいことだが、生命保険や医療保険の宣伝で「(なんらかの持病があっても)お申し込みいただけます!」なんてのがあるけれど、申し込みそのものはだれでもできるのではないのか? 問題は、「お申し込みいただける」けれど、件の保険を契約できるかどうかだと思うのだがなぁ。まっ、この場合は「申し込み」にしか触れていないのでウソを言ってないワケだが、こういうのを慇懃無礼かつイヤラシイという)。
シロウト考えだが、かつてのテレビコマーシャルというのは、企業にとって自社や自社製品の宣伝であるとともにある種の社会貢献という意味合いもあったのではないか。自社の利益を宣伝に割くことによってテレビ番組を提供し、同時に自社のブランドイメージの向上をはかる。一石二鳥である。そういう次第だから、コマーシャルフィルムには視聴者が好印象を持てるような工夫がなされていたハズだ。人気タレントを起用するというのもそのひとつだろうし、かつてのパルコのようなアバンギャルド系や、ある種の物語性をもたせたサントリーウィスキーのような例も事欠かなかった。そうして好印象をはかられたCMは、ときに番組そのものともコーディネートされ、番組枠全体の質をも高めていたように思う。そんなだから、“引き算嫌い”の金融会社(銀行や証券など。サラ金の含まれるか)でさえ、個別の商品宣伝よりも自社のイメージアップに主眼を置いたCMが少なくなかったのではないか(いまや大銀行でさえ自社のサラ金商品の宣伝ばっかである。一部証券会社にイメージ重視のCFがあるが)。例外も多々あったにせよ、そういう狙いだからこそ、内容の質が重視され、ときにオブラートで包みながら、結果として番組枠の雰囲気を極端に壊さずに済んでいたように思うのだ。
ところがいまはどうか。善意に解釈すればもう「なりふり構わず」。いまひとつは、大企業を中心に、自社や自社製品のイメージアップに頓着しなくなったようにすら感じられる。彼らが本当に余裕がないのか、あるいは戦略変更があったのかはわからない。だが、いずれにせよ残念な気もする。みて楽しいコマーシャルフィルムが減り、愚にもつかないセールスのタレ流しがテレビを席巻している現象にだ。言い換えると、日本の大企業というのはもはやホントにヤバいのではないか? ふとそんなことすら想像してしまった。
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ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
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