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猫池罵詈雑言雑記帳
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 韓国取材から成田に着くと、すぐ近くにタイ航空の旅客機が停まっており、タイでの騒動に進展があったのだなと思った。自宅に帰ってテレビニュースをみてみれば、たしかに帰国第1陣のひとびとを乗せてきたところだったようだ。
 一方、インドのムンバイで規模の大きいテロ事件があり、このふたつの事件については渡韓中も報道のチェックをしていた。ところが、不思議なことに韓国のテレビ局からの報道は意外なほどに少なく、言葉がわかるかどうかという以前のレベルであった。たまたま泊まった宿のテレビにNHKの海外向け放送が受信できたことから事件の概要について知ることができたわけだが、日本国内での報道に比べると、韓国メディアのあっさりとした取上げ方が奇異に映る。大物歌手・ナフナのゴシップのさいにはどのテレビ局も大騒ぎだったのに、あるいは娯楽専門だぐらいにしか捉えられていないのであろうか(一般紙ではそれなりに大きく取り上げられていた)。

 インドにおけるテロ事件では日本人商社マンが犠牲になってしまった。巻き添えを喰らわされた理不尽な死であり、肉親や近しいひとびとらの怒りと哀しみとは相当なものがあろうと思う。個人的にはまったく知らない人物だけれど、同じ人間として御冥福を申し上げるとしかいいようがない。同時に、旅先あるいは日常に潜む人為的な危険ということにも考えを巡らさざるをえない。

 ところが、NHKの報道をみていて非常に不愉快になった。
 番組中では、いつものごとく──本当にそうとしかいいようがないのだが──犠牲者のひととなりを、知人や会社上司らのコメントととに伝えていた。すなわち、犠牲者がどういう優れた一面を持っていたか。少年時代はどうだったのか。あんなにいいひとが……。そんなことを延々と、いささかしつこいぐらいに流し続けていたのである(帰国後のテレビニュースでもやっていた)。じつはこれがわからないのだ。

 太字にした部分だけを並べてみれば、だれにでも使い回しのできる“ひととなり”である。こう書くと誤解される可能性はあるが、今回は犠牲者のそれであったけれど、犯罪容疑者らに対しても使われているのがこういう手法ではないか。ひとに歴史あり。もちろんそれぞれに個性はある。だれだってさまざまな顔を持ち、人生を生きている。今回のような事件の被害を含め、亡くなったときに周囲のひとびとが哀しみに暮れるのはあたりまえにもあたりまえすぎる感情でありできごとである。ただし、本当の意味での哀しみを共有できるのは、ごく限られたひとたちであり、いわんや故人となんら接点のないわれわれのような一個人の集まりに対して「このひととなりがどうのこうの」と述べられても、極論すれば「ああそうですか」としか感じられないということはないといえないだろうか。
 犠牲者のひととなりとその近しいひとびとの悲嘆のさまをさらしものにして、いったい彼らはなにをしたいのだろう。「ほら、こんなに哀しんでいるんですよ!」と無理矢理にでも哀しみを共有させたいのだろうか。まさか娯楽のネタなどと考えているとまでは思いたくないけれど、なんらかの社会的注目を集める事件にさいして繰り返されるこうした意味ありげな“報道”のやり方に違和感を覚えてならないのである(*注)。 


■日本の恥
 話は変わって、そのNHK海外向けニュースをみていたら、ヘッドライン(見出し)だけに出ていたできごとがあった。いわく「麻生首相、暴言で陳謝」の類だ。なにしろその中身についてはさっぱりやってくれないので、いつものごとくのバカ発言がまたあったのか、はたまた以前の妄言に対する“陳謝”という名のポーズのことなのかわからないでいたら、想像以上のバカぶりを発揮していて「期待を裏切らないバカ」だなと感心するしかなかった。加点法のバカである。いくつかネット記事をざっとみてみたところで、冷静に辛辣な書き方をしていた「しんぶん赤旗」の配信をリンクしておこう。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-11-28/2008112801_03_0.html

「たらたら飲んで、食べて、何もしない人の分の金(医療費)を何で私が払うんだ」
「六十七、六十八歳になって同窓会に行くと、よぼよぼしている、医者にやたらにかかっている者がいる」(ともにリンク記事から)
 これがわが国・日本の首相による発言とは……。あっぱれなバカぶりである。白川勝彦氏が言うとおり、日本の恥だ。首相(というより政治家、さらに社会人)でありながらなんら社会をみていない証拠である。いや、社会をというよりも、人間性の根幹の部分からしてこの男は●っている。完全に自分本位であり、視野が著しく狭く、他者を慮る能力を持っていない。まぁ、出自からして外国人を含む大勢のひとびとの奴隷労働によって太ってきた血筋である。自らを特権階級と錯覚しているような、そんな人生を送ってきたのであろう。そんな人間がどういうセンスを持つかは、よほどの目覚めでもない限りはわかりきったことである。

 諸外国のひとびとは、この哀れなる日本の姿をどのようにみているのだろうか。海の向こうの大国には似たようなレベルの州知事がいるようだが、あっ、わが国にも類似の知事がいらっしゃいますな。その恥の類を生んでいるのは、いうまでもなく有権者なのだが……。



*注:
 同様の手法で、以前に殺人・破壊請負業者をたたえたのが「読売」であった。自ら商売兵となって祖国や自分となんら関係のない戦争に首を突っ込み、その結果戦死したにすぎない人物について、その傭兵部隊での“活躍”ぶりをそのひととなりとして強調したのである。もちろん、どういう背景であろうと、亡くなった方の無念やその周辺のひとびとの気持ちは慮るべきであるが、あのさいの同紙のやりっぷりは、戦地国で殺害された青年や平和的行動のさなかに拉致されたひとびとに対する批判的立場と照らし合わせるまでもなく、まさに自らの正体をさらしているといえる。

 なお、できごとの背景とともに人物像などを解き進めてゆくルポルタージュなどの手法があるが、一連のちょい出しテレビ報道とはまったく異質であることをつけくわえておきたい。また、きちんとできごとを掘り下げた優秀なテレビドキュメンタリーがたくさんある。
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 レジャーライター=植村誠の別館ブログです。
 ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
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