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猫池罵詈雑言雑記帳
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 ダフ屋、摘発される。

http://mainichi.jp/select/jiken/archive/news/2008/11/11/20081111ddm041040021000c.html

 リンク記事は、JRの指定席券を転売目的で購入、インターネットオークションを通じて不正転売をしたとして会社員が警視庁に逮捕されたというニュースである。  

 報道によれば、JRの夜行快速列車「ムーンライトながら」(東京〜豊橋・大垣間)の指定券を転売目的で常習的に購入、ネットオークションを利用して数倍の価格で売り捌いていたという。いちどに30枚以上を買い占めていたこともあり、不審に思ったJR窓口では同容疑者への販売を拒否したこともあったらしい(*注)。明らかになっているだけで稼ぎ出したカネはおよそ250万円。逮捕の容疑は都迷惑防止条例違反(ダフ屋行為)である。

 この摘発は前進だ。
 この問題については、このブログの「さもしき小銭射稼ぎ。ネットオークションにはびこる灰色商売人」(07年4月29日)でふれたことがあり、やっとこさ改善のきざしがみえてきたかと今回の摘発に期待を寄せたい。

 前回のアップには一部関係者の“見解”を載せてあるので、ぜひご覧いただきたいが、こちらの考えは変ってないし、今後の変化に注目するためにも、その部分だけ再掲しておこう。


*オークションサイトを運営するS社:「当社としては関知していません。(サイトに掲出している)規約のとおりの運用ですでのお読みください」
(規約を読んでもわからないので、現状についてどう捉えているのかを訊ねたつもりなのだが、のれんに腕押し。規約に違反する出品に関してはそれなりの対応をとっているということなので、ようは問題なしと考えているようだ。)

*鉄道会社A:「実態については知っていますが、当社としても手の打ちようがないんですよ。お客さまが買っていただいたキップについて、その後の譲渡などには関知できない」
「(東京都迷惑防止条例などダフ屋行為を禁ずるきまりについて触れたところ)え、えぇ……。それは(絶句)」

*鉄道会社B:「(ある指定席券が定価の20倍以上の値がついているという実態に対して)えっ!? そんなになんですか? それはひどいですねぇ。そういう問題点についてのご意見をいただいた旨は会社にあげておきます」

(中略)

 なんとかならないものだろうか。そこで出品物のなかにクレジットカードで購入した、いわゆる「C制キップ」がある点に注目して、クレジット会社に訊ねてみた。電話を入れたのはオレがJRのキップ購入にも使っている信販会社である。
 訊ねたいのは1点。クレジットで購入し、最終的な決済(銀行引き落としなど)が終わっていない商品を転売することは(その社の)規約違反ではないのか、である。一般に、クレジットで購入したものは、その決済が完了するまではクレジット会社に物品の権利があるという見方もあり、あるいはここから問題化することが可能ではないかと思ったからだ。
 しかし、さんざん部署をたらい回しされた挙げ句、戻ってきた答えは、
「まったく問題ありません。クレジットで買おうがなんだろうが、転売でもなんでもどうぞご自由に」
 と、要約(これは口頭でほぼそのまま応対者に訊き直して確認した)すればこういうものであった。
(再掲ここまで)

 ここに紹介したのは、今回の摘発とは直接の関係はない件での取材ではあるが、彼らとて警察による摘発云々以前の問題として(重い)腰を上げざるをえないのではないだろうか。いみじくも踵を接して同じJRの切符で“プラチナチケット”の瞬間的完売が伝えられている。引退を目前に控えた0系新幹線最終列車の指定席特急券だ。もちろんすでにダフ屋(的)出品がみられる(代表的オークションサイトとして「Yahoo!オークション」をみてみた)。

「Yahoo!オークション - こだま」

 タイミングによっては内容が変わっているだろうし、あるいはこういう摘発が発覚した直後のことなので、削除される可能性もあるけれど、この原稿をつくっている11日13時30分ごろの画面には、「11/30 ラストラン0系 こだま629号 新大阪→博多 」などと見出しの打たれた切符がいくつか出品されている(それぞれの出品者が常習的にダフ屋行為を働いているとは限らないが)。これが実態だ。払い戻しのできない興業の入場券(これも改善を求めたい時代遅れのシステムだ)とは異なり、JRの切符などはいらなくなれば簡単に払い戻しなり変更なりができる。不要ならば払い戻せばいいだけの話であって、ようはハナっからの転売目的購入、言い換えれば確信犯なのである(その陰に正規に購入できなかったひとがいる)。

 今回の摘発では、容疑者が数の少ない身障者用(車椅子対応)座席にもっぱら狙いをつけて転売していたことが強調されているけれど、もちろん問題の根幹はそんなところではない。正常な取引を維持することはもちろん、利用者がより楽しく旅に出られるためにも、関係者のより厳しい対応を求めたい。



*注:
 これは「asahi.com」が伝えたもので、舞台は新宿駅である。このJR職員の機敏な判断に敬服せざるをえない。危機意識を持って仕事に臨んでいるひとつの例となろう。

 さて、この「ムーンライトながら」はいつ乗っても混雑している人気列車のひとつであり、衰退著しい夜行列車にあって“希望の星”ぐらいに思っている。ところが、一部の情報によれば来春での廃止(さしあたり臨時列車への降格だろうが、こうなった列車がほどなく廃止されるというのは過去の前例が示している)されるという話もあるようだ。夢のない世の中である。
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