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猫池罵詈雑言雑記帳
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 反動極右を幹部にいただいていた航空自衛隊内部が、“あの”クラスター爆弾をほしがっているという。
「東京新聞」11月19日づけの「こちら特報部」は、『「悪魔の兵器」なお必要論』と題して、この無差別殺傷兵器に対する航空自衛隊の態度を報じている。
 恥ずかしならこの事実そのものを知らなかったのだが、10月19日に空自百里基地(茨城県)で開催された航空簡閲式において、「戦闘機に搭載可能な兵器」として一般市民に対してクラスター爆弾を公開していたというのである。もちろん、一般論として「搭載可能」なのではなく、わが国の自衛隊の「戦闘機に搭載可能」という意味でだ。

 いうまでもなく、クラスター爆弾はその配備や使用をめぐって国際的な批判のマトとなっている無差別殺傷兵器である。アメリカ合州国はこれを好んで外国侵略に使っているが、傀儡主のそんな実態にも関わらず、わが国の政府としてもまた、この兵器を全面禁止する国際条約に同意(08年5月ダブリン*注)したというシロモノだ。
 クラスター爆弾についてはあらためて解説する必要もないとは思うが、「東京新聞」によれば、空自が所有(陸上自衛隊も所持)し展示していたのは「約二百個の子爆弾を持ち、サッカー場三面分の広さにいる敵を殺傷するタイプ」だというから、その威力を十分に想像するにあまりある。その殺傷のメカニズムとは、炸裂した爆弾から子爆弾が四散するというものであり、同時に数百発の銃が暴発するようなものである。これが1発。もちろん殺傷だけでなく破壊を伴う。投下されたが最後、まったくの無差別に。

 国際条約締結の狙いのひとつは、このあまりな無差別性を慮ってのことであろう。なんにせよ、わが国の同意は然るべきものであった。ここで注意すべきは、あの田母神俊雄元航空幕僚長がまさにこのクラスター爆弾所持を是とした簡閲式を取り仕切っていたという事実であり、件の論文だけでなく、ここでもまた自国の判断を飛び越えて行動に及んでいるところにもあろう。

 記事によれば、空自はこの爆弾の使用について「上陸する敵を海岸線で迎撃するために」と想定しているようである。あのダボサンにしても「日本は島国で海岸線が長く、防御に有効」(同記事)と宣っていたというから、どこぞの侵略国家がわが国の海岸線に大挙することを本気で(?)想定しているのかもしれない。ようは、彼らにとってクラスター爆弾所持はごく常識的なことなのであろうけれど、そのツテでいえば、海岸線に沿って地雷を埋設せよぐらいに考えていてもおかしくはない。しかし地雷云々はさておいても、こんな無差別爆弾を防御のためであろうと使えば、投下された現地──すなわちわが国の国土──でなにが起きるかぐらいは認識しなければならない。クラスター爆弾とは、その性質からいっても、侵略的攻撃にこそ適する無差別破壊兵器だからだ。

 今回の展示は、政府がその逆を進んでいることに対する牽制をもみてとれるが、言い方を換えればこれはクーデターに通ずる恐るべき示威行動なのではないか? 件の懸賞論文に多数の応募が自衛隊内部からあったことなどを考え合わせると、秘かにそんな共謀が進められているのではないかとすら疑いたくなってくる。思想の自由は認められるべきではあるが、これはそんなレベルのできごとではない。相手は具体的に武力を持つ集団である。わが国の治安に対して極めて重篤な危機の可能性ありとして認識すべきであろう。──というのは一部にみられる有事ノイローゼ的発想に合わせたたわごとの類ではあるけれど、しかしここで看過することがのちのちの暴発を招く可能性があることは、戦前のわが国自身が体験したことである。

「東京新聞」の記事にもあるとおり、『敵が持つから、自分も』という考えでは問題の解決どころかさらなるドロ沼に陥るというのは数々の実例が示していることであり、「この心理が行き着く先が『日本の核武装を』だ」という指摘もなにやら現実性を帯びてくる。
 そんなのをトップにいただく自衛隊とはなにか。この幼稚かつ危険な集団について、われわれ一般国民はもっとシビアな目でみてゆく必要があることがよくわかった。

 それにしても。反動右翼の無知と幼稚さとには心底気の毒な気分にさせられることが少なくないが、つぎにリンクした森田実氏の記事などは、その幼稚性を見事に論破していて痛快だ。

http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C04797.HTML

 詳しくはリンク記事をお読みいただきたいが、
「アメリカ合衆国軍隊は日米安全保障条約により日本国内に駐留している。これをアメリカによる日本侵略とは言わない。二国間で合意された条約に基づいているからである。」という田母神論文に対する森田氏の論評、
「日本国内にアメリカ軍が駐留しているのは、日本が第二次大戦に敗れアメリカに占領されたからである。(中略)アメリカ軍駐留の法的根拠は、初めは日本政府の無条件降伏、サンフランシスコ講和条約以後は日米安保条約(第一次条約)である。(中略)条約があとからつくられたのだ。」
 はじつに明解である。
 田母神論文的思想の持ち主は自民党内をはじめとしてかなりの数にのぼると思われるが、こんなものはまさに家畜人的発想ともいえよう。侵略者であり、同時に家畜人でもあるのだ。これは、たとえば大韓民国政府の態度がどうだとか、現在の中華人民共和国がどうだとかそういうレベルの問題ではない。もっと下卑なレベルのたわごとであり、ようは自らの無知をいさんで宣伝しているようなものといっていい。だからこそ森田氏はこう指摘したのであろう。

「田母神氏が自衛隊のトップでなければ、論評する価値はない」



*注:
 条約の締結は今年12月の予定。107カ国が同条約締結に賛成した一方でアメリカ合州国は不参加。わが国の同意は消極的なものだったと伝えられるが、これはあのフクちゃんの数少ない功績といっていい。まさか、そんなのもフクちゃん辞任に結びついているとは思いたくもないが、さて、こうした世界の姿勢と自国の実態に対して、オバマ氏あたりはどう考えているのだろう?

 話は変わるがそのオバマ氏。NHKテレビをみていたら、「オバマはアメリカを建て直せるか?」といった論調が流されていて、ようはさまざまに失墜したアメリカ力をオバマ政権が取り戻すのだということのようなのだが、だとしたらマケイン氏が当選するほうがよかったのかななどとつい思ってしまいMASITA。なんだかね。オバマ氏とその支持者(すべてとは思わないが)の願いはまさにそれだろうけれど……。
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