サッカーワールドカップが熱戦を繰り広げている。サッカー観戦は好きなほうなので、さすがに現地までは乗り込まないもののテレビ観戦で楽しんでいる。昨夜遅くはマッコルリで一杯やりながらスペイン対スイス戦を観戦していたが、ああいう試合をみていると、サッカーというのが互いにゴールを奪い合うことを楽しむ競技なのだというあたりまえのことを実感してしまう。チームということのみならず、選手ひとりひとりにみなぎるゴールへの気迫というヤツだ。
そんななか、日本代表チームは緒戦でカメルーンを下し、念願の1勝を挙げた。相手サイドの執拗な攻めを、冷静によくしのいだと思う。そこにある種の胆力といったものを感じとった。だが、シロウト目でみていて、攻撃力という点での迫力には乏しく、まだまだ克服すべき課題が多々あるようだ。しかし、逆にいえばそれだけ余白を持つということかもしれない。その余白を伸びしろにできるか否か。そんなところもまた楽しみではある。
そんななか、日本代表チームは緒戦でカメルーンを下し、念願の1勝を挙げた。相手サイドの執拗な攻めを、冷静によくしのいだと思う。そこにある種の胆力といったものを感じとった。だが、シロウト目でみていて、攻撃力という点での迫力には乏しく、まだまだ克服すべき課題が多々あるようだ。しかし、逆にいえばそれだけ余白を持つということかもしれない。その余白を伸びしろにできるか否か。そんなところもまた楽しみではある。
つい昨日は、北朝鮮代表チームが“王者”ブラジル代表チームを相手に善戦を演じた。あいにく独占放映をしたテレビ会社との契約をしていないため観戦がかなわなかったが、活字の報道からだけでもその熱気が伝わってくるようだった。個人的に、Jリーグ川崎フロンターレで活躍中の鄭大世を“華のあるフォワード”として注目していることもあり、日本代表同様に、彼らの健闘にも期待しているのである。
さて、そんな熱戦のなさかではあるが、思いきりしらけさせられる事件というかいいがかりがあった。
ワールドカップの試合が北朝鮮でテレビ放映されたことについて、一部で契約外のドロボー放映だったのではないかと取り沙汰された事件だ。これは、朝鮮半島全域での放映権を持つ韓国のテレビ局SBSと北朝鮮当局との間で放映に関する合意がなされていないままに放映されたということが問題視されたことによる。ところが、それが濡れ衣であることを主催者であるFIFAが発表、北朝鮮での放映が正式な手続きに則ったものであることが明らかになったのである。
報道によれば、北朝鮮当局はSBSとの間の交渉が成立しないなか、大会直前にあってABU(アジア大平洋放送連合)と協定を結び、その放映権を獲得していたという。ABUはいわゆる“貧困国”を対象にワールドカップの映像を無償提供できることをFIFAとの間で合意しており、北朝鮮との間にもそうした主旨と背景とを持って放映の手続きが踏まれたのであろう。ワールドカップやオリンピックなどの世界的スポーツ祭典というと、なにかとカネが取り沙汰されるけれど、なんとも気持ちのいい仕組みではないか。まさにサッカーは「世界的スポーツ」と呼ぶにふさわしい。
ところが、この誤解騒動のさなか、北朝鮮を「犯罪国家」としてアメリカ合州国が公に避難したのである。クローリーだかシローリーだか知らないが、あの国の国務次官補とやらが、「(北朝鮮が)ワールドカップのテレビ信号を盗用している」として、ただその疑いを背景に「犯罪国家」呼ばわりしたというのだから、驚くと同時に呆れ返ってしまった。こういうのを小学生並の印象批評という。
たしかに、北朝鮮という国には問題が山積している。わが国との関係でも、たとえば件の拉致事件は未だに未解決(問題の主体はもちろん北朝鮮当局だが、日本政府がどこまで本質的な意味で問題視しているかということについても疑問がある)。核兵器開発問題も然り……である。また、国内的にみれば、重篤な人権侵害が自国民に対して大手を振っている。政治犯収容所の問題なども徐々に明らかにされつつあるが、一説には数百万人ともいわれる餓死者を出し、にも拘わらず軍備、軍備、軍備。そのクセ、外国に対し「人道的援助」を申し立てる形で、そのじつ外交カードとして悪用しているような国である。また、件のワールドカップ中継においても、自国代表チームについては勝った試合のみしか放映しないというバカげた話すら伝わってきている。だが、だからといってアメリカ合州国などに「犯罪国家」だのと呼ばれる筋合いはない。
たとえば国内でみれば、いまなお健在する人種・民族差別がもっとも著しい国のひとつが、ほかならぬアメリカ合州国であろう。そんなセンスでもって、イラクやアフガニスタンなど遠く離れた国やその国民らに対し爆弾の雨を降らせているのである。イスラエル当局が続ける虐殺についても、その相棒としてアメリカ合州国という国がある。わが国との関係でいえば、沖縄をはじめとする自国軍駐留の問題だ(*注)。言論の自由については、たしかに北朝鮮よりはマトモだろう。しかし、あの“殺人鬼”ブッシュがあれだけの支持率を保持し続けてこられた背景のひとつに、メディア側からの率先した言論統制があったことを忘れてはならない。
そうしたもろもろについてアメリカ合州国のタチが悪いのは、それらが形としてはいちおうの“合法”を謳っていることである(前回アップの「スポーツと博打の巻」を参照)。部分的な非難こそあれ、彼らにとってみればアフガン虐殺も合法なのである。イラク虐殺も合法。核兵器削減のうたい文句の裏側で最新超兵器の開発を進めるのも合法。わが国に対し前時代的不平等条約を固持させるのも合法。軍事力など、北朝鮮はもちろん、イランなどがとうていかないっこない世界最強の国ではないか。ところが、ほかの国々(イスラエルおよび欧米人国家を除く)がなんらかの力を持ってくると、一方的な「悪役」呼ばわりをして「合法的」な破壊行動に出てくる。だからといって北朝鮮やイランが核兵器の開発を進めているとしたら、そんなものはもちろん是認するわけにはいかない。しかし、世界一の虐殺・破壊国家であるアメリカ合州国と彼らとの間に、アメリカ合州国側の視点による“合法・非合法”との違い以外に、はたして本質的な隔たりがあるのだろうか? こうした単純な比較は適当でないけれども、それらもろもろの“合法的行為”と濡れ衣にされた「盗用放映」と比べて、どちらのほうがより本質的犯罪的行為といえるのだろう。
せっかくの世界的平和の祭典を、こんなつまらぬ政治的いいがかりによって貶めたアメリカ合州国。オレに言わせればお前らのほうがよほどの「犯罪国家」である!
さて、そんな熱戦のなさかではあるが、思いきりしらけさせられる事件というかいいがかりがあった。
ワールドカップの試合が北朝鮮でテレビ放映されたことについて、一部で契約外のドロボー放映だったのではないかと取り沙汰された事件だ。これは、朝鮮半島全域での放映権を持つ韓国のテレビ局SBSと北朝鮮当局との間で放映に関する合意がなされていないままに放映されたということが問題視されたことによる。ところが、それが濡れ衣であることを主催者であるFIFAが発表、北朝鮮での放映が正式な手続きに則ったものであることが明らかになったのである。
報道によれば、北朝鮮当局はSBSとの間の交渉が成立しないなか、大会直前にあってABU(アジア大平洋放送連合)と協定を結び、その放映権を獲得していたという。ABUはいわゆる“貧困国”を対象にワールドカップの映像を無償提供できることをFIFAとの間で合意しており、北朝鮮との間にもそうした主旨と背景とを持って放映の手続きが踏まれたのであろう。ワールドカップやオリンピックなどの世界的スポーツ祭典というと、なにかとカネが取り沙汰されるけれど、なんとも気持ちのいい仕組みではないか。まさにサッカーは「世界的スポーツ」と呼ぶにふさわしい。
ところが、この誤解騒動のさなか、北朝鮮を「犯罪国家」としてアメリカ合州国が公に避難したのである。クローリーだかシローリーだか知らないが、あの国の国務次官補とやらが、「(北朝鮮が)ワールドカップのテレビ信号を盗用している」として、ただその疑いを背景に「犯罪国家」呼ばわりしたというのだから、驚くと同時に呆れ返ってしまった。こういうのを小学生並の印象批評という。
たしかに、北朝鮮という国には問題が山積している。わが国との関係でも、たとえば件の拉致事件は未だに未解決(問題の主体はもちろん北朝鮮当局だが、日本政府がどこまで本質的な意味で問題視しているかということについても疑問がある)。核兵器開発問題も然り……である。また、国内的にみれば、重篤な人権侵害が自国民に対して大手を振っている。政治犯収容所の問題なども徐々に明らかにされつつあるが、一説には数百万人ともいわれる餓死者を出し、にも拘わらず軍備、軍備、軍備。そのクセ、外国に対し「人道的援助」を申し立てる形で、そのじつ外交カードとして悪用しているような国である。また、件のワールドカップ中継においても、自国代表チームについては勝った試合のみしか放映しないというバカげた話すら伝わってきている。だが、だからといってアメリカ合州国などに「犯罪国家」だのと呼ばれる筋合いはない。
たとえば国内でみれば、いまなお健在する人種・民族差別がもっとも著しい国のひとつが、ほかならぬアメリカ合州国であろう。そんなセンスでもって、イラクやアフガニスタンなど遠く離れた国やその国民らに対し爆弾の雨を降らせているのである。イスラエル当局が続ける虐殺についても、その相棒としてアメリカ合州国という国がある。わが国との関係でいえば、沖縄をはじめとする自国軍駐留の問題だ(*注)。言論の自由については、たしかに北朝鮮よりはマトモだろう。しかし、あの“殺人鬼”ブッシュがあれだけの支持率を保持し続けてこられた背景のひとつに、メディア側からの率先した言論統制があったことを忘れてはならない。
そうしたもろもろについてアメリカ合州国のタチが悪いのは、それらが形としてはいちおうの“合法”を謳っていることである(前回アップの「スポーツと博打の巻」を参照)。部分的な非難こそあれ、彼らにとってみればアフガン虐殺も合法なのである。イラク虐殺も合法。核兵器削減のうたい文句の裏側で最新超兵器の開発を進めるのも合法。わが国に対し前時代的不平等条約を固持させるのも合法。軍事力など、北朝鮮はもちろん、イランなどがとうていかないっこない世界最強の国ではないか。ところが、ほかの国々(イスラエルおよび欧米人国家を除く)がなんらかの力を持ってくると、一方的な「悪役」呼ばわりをして「合法的」な破壊行動に出てくる。だからといって北朝鮮やイランが核兵器の開発を進めているとしたら、そんなものはもちろん是認するわけにはいかない。しかし、世界一の虐殺・破壊国家であるアメリカ合州国と彼らとの間に、アメリカ合州国側の視点による“合法・非合法”との違い以外に、はたして本質的な隔たりがあるのだろうか? こうした単純な比較は適当でないけれども、それらもろもろの“合法的行為”と濡れ衣にされた「盗用放映」と比べて、どちらのほうがより本質的犯罪的行為といえるのだろう。
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ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
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