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猫池罵詈雑言雑記帳
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 わが国は、本当に民主主義国家なのだろうか? そんなことをあらためて考えている。
 民主党政権は、トップのクビをすげかえることによって、いちおうの延命がはかられたようである。もとより、世論調査の数字に顕われた「支持率」がどこまで信頼できるのかはわかったものではない。極論すれば、あんなものはタレントの人気投票と一緒だ。主体性に乏しい日本の政権と印象に左右されがちな世論。そんな数字など、カジノのチップほどの実態性もないのではないか? 一夜を明けての支持率上昇という現象をみるにつけ、その感を新たにせざるをえない。しかし、だとすると前内閣の不支持から新内閣支持に転じた層というのが、いったいなにを評価したうえでの変化なのかという疑問が湧いてくる。

 菅直人首相は、「国を立て直す」といった旨の発言をした。じつは、そこにこそ菅氏をはじめとするわが国の政権の錯覚があると思う。「国を立て直す」とはどういうことなのか。たしかに財政問題を中心に、現在から近い将来に向けての危機がかなり前から取り沙汰されている。あるいはまた、いつは改善するともしれない悪化した経済状況。おそらくはそうしたもろもろを含めて立て直したいということなのであろう。その点では、歴代の自民党政権(ただしコイズミスネオを除く)も然りであり、共産党や社民党にしたってまったく違うところを向いているとは思えない。だが、民主党にしろ自民党にしろ、国を立て直すというその一方で、国民生活の犠牲を是認あるいは前提としているところに問題がある。
 経済学の類には門外漢なので多言は避けたいが、ごく大雑把にいえばトップダウンの経済を前提とした発想なのであろう。スネオ時代に竹中平蔵氏がぶっていたように、ごくひとにぎりの資本家が大儲けすれば、下々の層(大衆)にも“おこぼれ”があるという考えだ。すなわち、世の99%のひとびとはカネ持ちが独占する富からほんのわずかばかりの分け前を頂戴すれば“それなりの生活”ができるだろ、というワケである。
 だが、いうまでもなく「立て直す」べき「国」を支えているのはその99%を含む国民である。その生活に犠牲を強いて、はたして本当の意味での「国」の繁栄がありうるのかどうか。スネオ政権は、まさにこうした発想で国民に対し“痛み”を強いてきたが、その結果“痛み”ばかりが残されたという事実から目を背けてはならない。とりわけ、スネオ時代のそれは、宗主国であるアメリカ合州国の財界が大儲けするシステムをつくり、ごくひとにぎりのカネ持ちを除く自国民はそのおこぼれをもらっていればいいという発想であった。これを実現するために、大企業に対する大減税を実施し、自国の労働システムのアンフェアを構築してきたのである。
 果たせるかな、ごく一部の企業や資本家を除いては繁栄の享受ができず、巷には失業者や極不安定な雇用があふれた。そうした国家からの“支援”もあって、たとえばトヨタ自動車などは空前ともいえる利益を上げたといわれるが、なんのことはない、その大半は内部留保という形でその懐に溜め込まれただけ。なかには、そうした大企業の繁栄があるからこそ、その下請けや孫受けが支えられ、そこで働くひとびとの生活が守られるのだという意見もあろう。だが、実態は不景気などをタテマエに下請けを締め上げ、生かさず殺さずで自らの利益を調整しているだけではないのか? 工賃を下げ、納期を締め上げ、しかもそうした発注はまったくもって大企業主体である。ところが、そうして「ともに苦労」して得たハズの利益が、まんま一部大企業の懐に抱え込まれているのである。こんな状態が、はたして国の繁栄といえるのだろうか。繰り返すが、そうした大資本家にこそ有利なシステムを、ほかならぬ国が率先して構築してきたのである。これでは、ひと握りの層の富のために大半の国民が痛みを強いられるというものだし、現に立場が弱くなればなるほど生活の立て直しがしづらい社会状況になってしまった。
 生き残るのは大資本家のみ、か。こんなのは「国破れて山河あり」といったレベルではなく、「国民の3割が生き残れば国は再建できる」と豪語した北朝鮮当局と一緒である。為政者自らが国民の足を引っ張っているという点において。

 いまのところそれなりの高支持率をマークしているらしい菅政権だが、個人的にはきわめて強固な監視を要する政権だとみている。たとえば消費税増税問題だ。
 どうしたことか、これまで「くすぶっている」状態を維持してきた消費税増税問題だが、マスメディアの動向を窺っていると、ここにきて増税ありきの論調になってはいないだろうか。「財政再建」をタテマエとして倍はおろか3倍増までが取り沙汰されているが、そうした報道をみるにつけ、これこそが形を変えた「世論調査」であり、しかも増税ありきに誘導しながらその効果を測っているとしか思えないのだ。しかも、その増税が法人税の減税とセットだというのだから、ようは自民党政権と変わらない。

 法人税減税は、一見すると厳しい状況に置かれている中小企業をフォローし、その雇用を守るかのような錯覚をもたらす。しかし、たしかにそういう一面はあるに違いないが、これもまた「おこぼれ」なのだ(業種による差はあろうし、現に減税を切実に願っている経営者だっているが)。なぜか? すでに述べたとおり、そうしたさまざまなカラクリの結果が、ごく一部の大企業による利益の抱え込みとして顕われているからである。これはもう明らかではないのか。
 数字の一例として挙げるならば、消費税の税収は累積224兆円にものぼるという。ところがその一方で208兆円もの減収を果たした法人3税という実態。そのすべてがそうとまでは言わないが、これがわが国の消費税の正体である。仮に「財政再建」こそが狙いであるならば、莫大な利益の抱え込みをしている一部企業からこそカネを返してもらえというのがスジではないのだろうか。これまで国がつくった仕組みや大衆の“痛み”によって得られた部分だけでも、だ。

 そんなイカサマ性の強い税を、こともあろうか「福祉目的」とするウソも相変わらずまかり通っている。社会保障がらみの財政もまた厳しい状況にあることは事実であろう。だが、その「福祉目的」で増税し、もっとも悪影響を受けるのはどういった層のひとびとなのか。社会保障財源が厳しいのであれば、ほかから回すことだって可能なハズだ。トヨタのような大企業の内部留保に化けた減税ぶん然り、米軍にめぐんでやっているカネ然り。どうせ“仕分け”をするならば、そこにまで踏み込んでこそ評価ができる。
 いずれにしても、こんどの参院選はこの先をめぐる重要な岐路になる。ところが、その与党も最大野党も……。彼らに共通しているのは、消費税にしろ米軍問題にしろ、(今回は触れなかったが)改憲問題にしろ、それらが決して国民の側から求められている政策でないというところにある。為政者が一方的に案をでっちあげ進めているだけなのだ。それが「国を立て直す」という国民不在のスローガンとしても現われる。これのどこが民主主義といえるのだろうか。


*おまけ:
 自民党の谷垣禎一総裁が、民主党政権による「子ども手当」などを「バラマキ政策」とし、その撤回を求める代表質問をしたという。すっとぼけるのもいい加減にしてもらいたい。民主党の一連の政策はここではさておき、いわく「バラマキ政策」とはほかならぬ自民党(および池田学会)こそがお家芸としてきたではないか。ちょっと古くは「地域振興券」なんてのもあったし、昨年の払い戻し金など、ある友人が「これまでの自公政権から蒙った迷惑料としてもらっておいた(ただし政権交代後)」といったレベルの「バラマキ」だったが、ところがその“効果”をめぐる検証の類がなされたという事実すら浮かび上がってこないのである。バカも休み休み言えとはこのことだ。
 元自民党田中派の小沢一郎氏らをめぐる「政治とカネ」の問題にしても然り。カネまみれ政治はとうの自民党こそが最大派閥だということは、マトモなモノのみかたができるひとであればたいていわかっている。あるいはまた、米軍問題をめぐる鳩山政権の右往左往を批判するのは結構だが、その前に自分のツラでもとくと眺めてみたらどうか。恥知らずとはまさにこのことだが、そんなことをウソぶいていて、ふとご自分が侘びしくなることはないのだろうか、ねぇ? さらにいえば、新聞だのテレビニュースだのは、こうしたくだらないたわごとを無批判でタレ流し、肝心の政治をほとんど伝えていない。流れているのは政局ばかり。いったいぜんたい、なんのための3権だと思っているのだろうかと不思議でならないが、これがまさにそんなていどの政権しかつくりあげない原因のひとつになっているのかもしれない。
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 ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
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