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猫池罵詈雑言雑記帳
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  ボクシングトレーナーだった亀田某が日本のボクシング界を“永久追放”になったとのニュースがスポーツ欄の一部を賑わせた。まぁ、こんなモノはなんのコクもないつまらんできごとだと思っているが、ネット上に配信された記事の多くからはどことなしに亀田某をハナっから悪者に仕立て上げたがっているかのようなニオイが立ち込め(例外はあったが)、その点がどうも気になった。いわば、“永久追放”という裁定によってさも溜飲を下げるかのような視点である。

  ハッキリいって愚かな男だと思う。これまでの経過をみれば、シロウト目にも“永久追放”は当然なのではないかと感じられたものだ。まったくの自業自得である。
  だが、一方でボクシング指導者としての技量はどうだったのかという疑問も湧く。いかに愚か者であろうとも、その点だけは認めてもいいのではないかと思ったのだ。なにしろ世界チャンピオンを育てたのである。王座からはあっというまに陥落したとはいえ、これからのキャリアのなかで、それをしのぐ実力を発揮できるかもしれないではないか。少なくとも、3人の選手をそのレベルまでのしあげたという事実に対しては、正面から向き合う必要があろう。ボクシングという競技が、たったひとりのチャンピオンを頂点としているという点からしても、それを実現するということは選手のみならず指導者の素質や熱意になみなみならぬものがなければならないだろうからだ。

  だが、にも関わらずあのていたらくでは……。指導者としての技術は持っていたかもしれないが、ようは資質については不合格だったということなのであろう。3人の息子たちはどうやら現役を続けられることになったらしいが、彼らにとっては、そんなハンパモノのコーチの手を離れる絶好の機会でもある。当初からの勘違いを卒業し、実力を磨けばいいだけの話なのだが、しかしあのオヤジの執着、それもわが子に対する(一連の騒ぎから判断するに、彼の執着はボクシングにではなくわが子とおのれにのみある)立ち居振る舞いをみると、周囲の苦労もまだまだ続くのかなぁという気もする。そんなのは、じつはどうでもいいことではあるけれど、こんな過剰ともいえる報道(騒ぎ)もそろそろ幕としてもらいたいものだと思う。
  亀田某だけではないのだ。こうした実質的な“小物”を悪者に仕立て上げスター扱いをする。さも極悪人であるかのような騒ぎと付和雷同。それが社会的に大きな問題をはらむ相手であればまだしも、むしろ“大物”に対してお目溢しをしたうえでの話なのだから余計にタチが悪い。ごく大雑把にいえば、たいした権力を持たない“小物”は必要以上に叩く(いけにえのように)けれど、権力にあふれる“大物”に対してはおもねるということなのであろう。権力がカネを伴えばなおさらである。ゆえに、こんな騒ぎはくだらないのひとことなのだ。

  さて、じつはここまでは冗長な前置きであった。亀田某がかくたる裁定を下された直接の契機は、さきの世界選手権試合後の暴言や恫喝が問題視されたからなのだが、ふとどこかで似たような暴言なり恫喝なりがあったぞと思ったというのが今日の本題。
  前回にもおでましになってもらった石原のおとっつぁん。亀田某を仮に“小物”とするならば、この男こそ“大物”にふさわしかろう。もちろんくだらなさにおいてまったくの同種という比較でだ。ひとつひとつについては割愛するが、いったいぜんたい、この男はどれだけの暴言を吐き捨ててきたことだろう? なかには裁判沙汰になった事件さえある。多くの場合のそれはきわめて差別的であり、この男の三文文士ぶりがよく顕われているといえるが、さまざまな権力を背景に、恫喝まがいにすら及ぶあたりがさらに始末が悪い(同種ということでは、「石原ファミリー」のごとく一族でイイ気になっているあたりもソックリ瓜ふたつ。ただし“亀田ファミリー”のほうはまだしも罪がない)。

  ここはひとつ、亀田某を“永久追放”にしたていどのセンスを発揮し、石原のおとっつぁんを政治の場から永久追放にしたらどうか。あんなのが長々と首都の首長にあるなど、日本の恥である。
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 レジャーライター=植村誠の別館ブログです。
 ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
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