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猫池罵詈雑言雑記帳
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 鳩山政権は文字どおりの崖っぷちである。小沢一郎民主党幹事長にからむ一連の疑惑問題は、検察審議会によって「起訴相当」とされ一斉に報じられたが、もはやそんなことは末梢的といえそうなぐらいにその弱体がさらけだされているからだ。

 羊頭狗肉。昨年の総選挙で民主党を支持したひとびとでそう実感しているひとは多いのではないか? スタートダッシュこそ勇ましかったかもしれないが、打ち立てた政策が続々と腰砕けの様相を示し、それとともに政権内部での対立が明らかにされてきた(ただし、意見の対立があることそのものは健全とみることができるかもしれない)。もちろん進歩はあったと思う。なにかと疑問が呈されるムキのある「仕分け」にしても、あるいは実現するかもしれない諫早湾の開門などは長年の自民党政権時代にはほとんど考えられなかったことだろうし、先にあった冤罪の立証にしても──それが民主党政権がなしえたとはいわないまでも──少なくとも前政権から脱したことの影響をみることは可能かもしれない。そもそもが、自民党(もっとも民主党のなかにその渦中で指揮を執っていた面々もいるのだが)やそれを中心とする政権が積み上げてきた“負債”を背負ってゆかねばならない宿命が現政権にあったのである。したがって、総論的にも各論的にもなにかと批判しながら、まだしも期待を込めたい部分がなかったとはいわない。だが、もうダメだろう。

 そのさいたる現象が、米軍基地をめぐる右往左往であり、見識のあやふさである。
「5月中の決着」を標榜し続けている鳩山政権だが、4月もそろそろ終わりになるという段階にあってなお政権内での意見調整にあるというフットワークの鈍さといったらどうか。くしくも沖縄や鹿児島、あるいは東京を舞台に、民意による大規模な集会が開かれ、この問題に対する関心の高さ(というよりもむしろ「切実な叫び」といっていいのではないか。27日に朝日新聞社のヘリの緊急着陸を伝えるテレビニュースで、付近の住民が「ものすごい爆音がして」といったコメントを発していたが、米軍基地周辺の「ものすごい爆音」は日常的に繰り広げられている)を窺わせることになったが、そこまでの動きがあってやっとこさ“収拾”のパフォーマンスをみせた鳩山政権。そこからわかるのは、この問題に対する無見識であり、危機感の乏しさであった。
 米軍基地は撤去。とりわけ普天間飛行場に関してはとりあえずの移設もありえず、アメリカ合州国に対し要求すべきはわが国の領土からの撤収しかありえないということは、当ブログでも当初から主張してきた。それがグアムになろうと米国本土になろうとわが国が口を挿むべき問題ではなく、たとえ段階的にせよ在日米軍を撤去してゆくなかで、その先鞭を普天間に担ってもらうわけだ。であれば、話し合うべき相手はほかならぬアメリカ合州国政府であり、この差し迫った段階でなお基地を置かれた自治体と話し合うといったことからして考えられないことなのである。それをしているということは、すなわち継続して沖縄に基地を残したいという意志が固まっているということであろう。

 とうの日本政府内や財界はもとより、鳩山政権内部には「日米同盟」への固執が極めて強くある。しかし、冷戦時代には米ソという二大覇権国家同士のにらみ合いの道具として有効だったかもしれない在日米軍が、その副産物として日ソ間での大きな衝突を防ぐひとつの根拠となっていたという解釈もありうるにせよ、すでに時代は変わったという見方だって可能ではないのか。これはなにもすぐさま武力放棄(自衛隊を含む)せよとか、アメリカ合州国と仲たがいせよといっていうのではない(むしろ本質的な意味でもっと友好関係を結ぶべきだ。ただしそれは中国や韓国をはじめとする周辺諸国との友好と同義であり、そのほか世界各国とのそれも同様である)。あえて単純化すれば、「日米同盟」など時代遅れのシステムだということになろう。「同盟」と略されると錯覚するかもしれないが、これは単にほとんどがアメリカ合州国のみに権利のある不平等軍事契約だということを見つめ直すべきである。繰り返すが、わが国のための「同盟」なのではまったく完全に100パーセントないのが「日米同盟」なのである。そんなものをタテに「友好」と詭弁を弄するアメリカ合州国と日本政府。「黙って従えばよし、さもなければ容赦なく滅ぼした」というのは『記紀』で語られている古代日本列島を舞台にした侵略の構図だが、21世紀になってなおそんなことを世界中で繰り広げているアメリカ合州国とは、“神武時代”よろしい化石国家といったところか。まったく同じセンスを感じる。

 見方によっては、そんな連中(日米)を相手に渡り合わねばならない鳩山政権の苦悩ということもあるかもしれない。だが、であればなお毅然として臨むべきではないのか。一部報道によれば米国の新聞にはわが国の現政権をコキおろす論調すらあるという(もっとも、一般的アメリカ人はそんなことへの関心などなければ、ハトヤマという誰某すら知らないのではないかという気もする。「アメリカ人は外国のことを日本人以上に知らない」・芝生瑞和氏。本多勝一氏との対談─『新アメリカ合州国』朝日文庫)。ならばいいではないか。本当に主張があり、それがわが国の民意と合致するのであれば、堂々と主張し渡り合えばいいのだ。もちろん、そんな単純なことではあるまいけれど、残念ながら鳩山政権の右往左往からは、それ以前の無能ぶりばかりが浮かんでくるのである。


*補足:
 先だって韓国海軍の軍艦が原因不明の沈没をし、その要因に北朝鮮が関与しているという疑いが浮上している。3月末に韓国を訪問したさい、滞在中のテレビニュースのかなりの部分がこの事件に割かれており、韓国にとってのあの事件の重大性を窺わせたが、それに対する北朝鮮の動きやこれまでの“金王朝”のセンスをみるに、より重篤な事態が起きないという保障はないかもしれない。仮に韓国と北朝鮮との間で軍事的衝突あるいは休戦が反故にされた場合、日韓条約を結んでいるわが国もまた戦争に巻き込まれる可能性がある。この件は別の機会に取り上げてみたいと考えているが、北朝鮮がこれまでとってきた遣り口だけでなく、そんな政権をギリギリのところで助けてきた日米中という事実を考えあわせると、あるいはこの事件は「日米同盟」になんらかの形で関係して起こされたのではないかという疑念がわかないでもない。日本にせよアメリカ合州国にせよあるいは中華人民共和国にせよ、朝鮮半島が分断しているほうが都合がいいというのが本音であるとみられるからだ。

 あるいはまた、このところ中国軍による領空侵犯の類が断続的に報じられている。なかには衝突寸前をニオわせるものさえみられたが、疑いうるはつぎの2点である。第1、実際に中国が日本に対する軍事的挑発を仕掛けつつある。第2、伝えられるていどの軍事的接近はそう珍しいできごとではないが、なんらかの事情があってクローズアップされ報道の機会を増やした。事実は事実として捉えながら、伝えられる“事実”について冷静に分析する必要があるのではないだろうか。
 国際評論家の田中宇氏のコメントを以下に引用しておく。
「最近また、中国軍が日本の軍艦に接近する事件の報道が相次いでいる。こうした報道の中に、日本人の中国嫌いを煽って対米従属を延命させるための誇張や歪曲が入っていないかどうか、考える必要がある。私も日本人として、思考が浅いくせに偉そうな中国人に腹が立つときがあり、心情的には中国に対する脅威感は理解できるが、官僚機構は、この漠然とした日本人の対中脅威感に付け入って歪曲報道をしている」
http://www.tanakanews.com/100422japan.htm

 ところで、こんなニュースをつけ加えておきたい。
www.j-cast.com/2010/04/26065414.html
 関東大震災のさいの朝鮮人大虐殺を彷佛とさせるエピソードである。特殊を一般化するという三流右翼お得意の、それもデマをネットに展開する愚か者ども。なかにはこんなのをさして「単なる息抜きだからいいではないか」と評するばかもいムキもあるが、やるほうにとっては「息抜き」かもしれなくとも、やられるほうにとってはより深刻な場合だってある(学校などでの「いじめ」の類はどうか?)。

 ついでながら、こうした程度の低い輩はどこの国にだっているとは思うが、そうなるとたとえば北京に遠征している日本のサッカークラブのバスに「抗日」だの「FUCK YOU JAPAN」などと中国人が落書きをするのも「息抜きだからいいではないか」ということになってしまう(28日) 。実際にそうかもしれないが、オレはとても寛容にはなれない(「アウェーの洗礼」」などというレベルではない。国際的な問題にすべきである!)。
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