韓国からの帰途、いつものように成田空港駅からJR快速に乗継ごうと自動券売機に向かった。第1ターミナルの場合、税関の出口からほど近い位置に鉄道駅への階段があり、導線に沿って進んでゆくと、ほぼ正面にJRの券売機が並んでいる。数台あるうちの3台ていどが「成田エクスプレス」専用。こちらは1時間に1本の快速に乗らざるをえないのて通常の券売機で乗車券を買うわけだが、なんだか様子がおかしい。どうも券売機が新しくつけ変えられたようで、しかも使ったことのないタイプだけが並べられていたのである。
しかしまぁ、券売機なんてものは大同小異だろうとさっそく画面に向かってみると、これがいったいぜんたいどういうオツムの持ち主がこしらえたのかとクビをかしげたくなるようなシロモノだったのだからいただけない。以下、乗車券を買うまでのプロセスを画像で紹介してみよう。自宅最寄りでもよかったが、ここはひとつ、JR東日本に敬意を表して一部マニアに人気の「大志田」駅を行き先に選んでみた(以下、画像をクリックすると大きくなります)。
コレが問題の新型。
銀行のATMなどでもお馴染みの画面だが、このあたりは既存の券売機にもみることができる(まだるっこしいことには変わりはないが)。
「1」のつぎは人数を選ばせたいらしい。
意味はわかるが意味不明。特急に乗りたいのに事前に特急券を持ってないヒトはどうすりゃいいんだって疑問もあるが、それ以前の問題であろう。
同上。大半の利用者にはムダなステップではないかと思われる。とくに成田空港のような駅では。
同機最大のケッサクがコレ。では、ご要望にしたがって出だしのひと文字「おおしだ」の「お」を入れてみましょう。
なんと278駅がヒット。そりゃそうだろうねぇ。なにしろ範囲が全国のJR駅なんだろうから。で、「おおしだ」のふたつめの「お」を入力するなり、最初から「おおしだ」とすれば早そうなものだけど、画面に注目すると、この段階でやっとこさ「次の文字を入力する」とある。もっとも最初から入力するにしても「くうこうだいにびる」とか字数が多いと面倒なのはいうまでもなし。カナ入力のため、濁点のある「たかだのばば」なんてのも最悪に億劫だろうなァ(しかしコレ、目の不自由な利用者に対するフォローはどうなってるんだろう???)。
で、ふたつめの「お」ではなく「表示」を選んでみたら、かように駅名が並んだ。1画面に24駅だから、もし運悪く278駅目に目的の駅があったりすると、いったいぜんたい何回「次へ」を押せばいいんでしょうね。
「次へ」を押したけど「大志田」の文字はなし。
なんと3画面でクリア! 「おお」だから前半にあるのがあたりまえっていえばいえるんだが(笑)。しかし、マニアは別として、ほとんどみたことも聞いたこともない駅名だってすでにあるのではアルマジロ? 1画面ずつ「読み方クイズ」でもやって遊んでみるのもいとをかし。
で、当然のことながらこんなものにつきあっているつもりはないので、有人の切符売場に並ぶことにした。じつは最初に試したさいに自分の下車駅(画面その9にあたる)までは到達したのだが、それでもなおこんな利用者のことをナメきったバカ機械の相手などしていられなかったのだ。有人のほうはふたつしか窓口がないのですでに行列ができている。これがもし1時間に1本の列車にギリギリだったらどうなったことかと思うが、わざわざ並んだのはもちろん文句のひとつでも言わんがためでもある。
結果からいうと、窓口の係員はきちんと対応してくれた。これは現場社員の名誉のためにも証言せねばならないが、もし「○○まででしたら自動券売機で」などとやられたらどうやって料理してやろうかと考えていたから、「ところで、あの新しい券売機、ありゃぁどうなってんですか? たかだか切符1枚を買うのに、乗客になんど画面を操作させりゃいいんですか?」と質問するに留められたので、正直ホっとしないでもなかった。
しかし、さらに不可解なのだが、「申し訳ありません。じつは券売機は改札前に移動したんです」という。しかし、窓口から目視できる範囲にそれらしい物体はないし、そもそも乗客にケンカを売ってるがごとしのバカ機械はすると券売機ではないというのだろうか。こちらのアタマがオカシくなってきそうなのでなにも言えなかったけれど。
でまぁ、あるいはこちらが見落としたのにも落ち度があるかもしれんと思って、さきのバカ機械エリアの踵を返すと、かような案内書きが立てられているのを発見した次第。ただしあったのは「成田エクスプレス」専用の券売機前で、件のバカはこの右側(男性が購入中の機械からさらに1台と仕切りを挿んだ先)にあるから、こちらの不注意がまったくないとはいえないかもしれないが、わざわざ用のない「成田エクスプレス」のほうに目を配る利用者だってそう多くはないだろうということからいえば、気がつかないのがあたりまえというものだ。それにもまして、この案内がほかならぬ「自動券売機」の真ん前に立てられているところがミソでありナゾであろう(笑)。
案内書きにしたがって「改札口前」に行くとこんな案配。扉と自動改札とに仕切られた“あがりかまち”のような空間だが、この状態をみてその先に自動券売機があると思うひとはいるのだろうか? 背後には件の券売機群などがあるコンコースが広がっているのだ。それが、最後の最後というこの先にやっとこさ切符売場があるとは、なんとも前衛的デザインといえまいか?
ハイ。たしかにありMASITAとも。ホントの隅っこ。それもいよいよ自動改札があるというその目の前にたった3台。こんな狭っくるしいところにそんなモノをつくって、混雑時にはさぞやステキな状態になっているのではアルマイトの弁当箱? 改札前にはカートを手にした男性がみえるけれど、ここはそういう乗客が少なくない駅だし、混雑すればちょっとした接触事故だって起きてもおかしくはない。
どういう事情でこんな不可解な配置をつくったのか、あるいはあの大馬鹿者の機械(券売機もどきと呼んでやろう)が同社をして今後どのような使われ方をされるのかはわからない。だが、なんにしてもかくのごとく利用者を小バカにしたような駅を実現するという事実そのものが、JR東日本という会社の体質を顕わしているように思えてならないのである。断っておくが、これはなにも同社をおとしめようとか、個人的な恨みの類があるとかそういうことではない。あくまで1利用者として、また鉄道愛好家のひとりとして、わが国の鉄道がより健全に育ってもらいたいがと考えるがゆえにほかならない。腹がたつよりももの悲しくなった……。むしろそういうことである(蛇足をすると、タッチパネルの上にある銀色は監視カメラなので、「アッカンベー」てもしてやりゃぁよかったとあとで思ったものだ・笑)。
※ついしん:じつはウッカリして「画面9」までで検証をストップしてしまった。このあとは金額画面が出てカネを入れればいいのだろうけれど、ひょっとするとさらなるワナ(カードがどうとか会員番号がどうのとか……)がしかけられていたのかもしれないと思うと、なんとも自分のうかつさを恥じ入るばかりでございます。
コレが問題の新型。
銀行のATMなどでもお馴染みの画面だが、このあたりは既存の券売機にもみることができる(まだるっこしいことには変わりはないが)。
「1」のつぎは人数を選ばせたいらしい。
意味はわかるが意味不明。特急に乗りたいのに事前に特急券を持ってないヒトはどうすりゃいいんだって疑問もあるが、それ以前の問題であろう。
同上。大半の利用者にはムダなステップではないかと思われる。とくに成田空港のような駅では。
同機最大のケッサクがコレ。では、ご要望にしたがって出だしのひと文字「おおしだ」の「お」を入れてみましょう。
なんと278駅がヒット。そりゃそうだろうねぇ。なにしろ範囲が全国のJR駅なんだろうから。で、「おおしだ」のふたつめの「お」を入力するなり、最初から「おおしだ」とすれば早そうなものだけど、画面に注目すると、この段階でやっとこさ「次の文字を入力する」とある。もっとも最初から入力するにしても「くうこうだいにびる」とか字数が多いと面倒なのはいうまでもなし。カナ入力のため、濁点のある「たかだのばば」なんてのも最悪に億劫だろうなァ(しかしコレ、目の不自由な利用者に対するフォローはどうなってるんだろう???)。
で、ふたつめの「お」ではなく「表示」を選んでみたら、かように駅名が並んだ。1画面に24駅だから、もし運悪く278駅目に目的の駅があったりすると、いったいぜんたい何回「次へ」を押せばいいんでしょうね。
「次へ」を押したけど「大志田」の文字はなし。
なんと3画面でクリア! 「おお」だから前半にあるのがあたりまえっていえばいえるんだが(笑)。しかし、マニアは別として、ほとんどみたことも聞いたこともない駅名だってすでにあるのではアルマジロ? 1画面ずつ「読み方クイズ」でもやって遊んでみるのもいとをかし。
で、当然のことながらこんなものにつきあっているつもりはないので、有人の切符売場に並ぶことにした。じつは最初に試したさいに自分の下車駅(画面その9にあたる)までは到達したのだが、それでもなおこんな利用者のことをナメきったバカ機械の相手などしていられなかったのだ。有人のほうはふたつしか窓口がないのですでに行列ができている。これがもし1時間に1本の列車にギリギリだったらどうなったことかと思うが、わざわざ並んだのはもちろん文句のひとつでも言わんがためでもある。
結果からいうと、窓口の係員はきちんと対応してくれた。これは現場社員の名誉のためにも証言せねばならないが、もし「○○まででしたら自動券売機で」などとやられたらどうやって料理してやろうかと考えていたから、「ところで、あの新しい券売機、ありゃぁどうなってんですか? たかだか切符1枚を買うのに、乗客になんど画面を操作させりゃいいんですか?」と質問するに留められたので、正直ホっとしないでもなかった。
しかし、さらに不可解なのだが、「申し訳ありません。じつは券売機は改札前に移動したんです」という。しかし、窓口から目視できる範囲にそれらしい物体はないし、そもそも乗客にケンカを売ってるがごとしのバカ機械はすると券売機ではないというのだろうか。こちらのアタマがオカシくなってきそうなのでなにも言えなかったけれど。
でまぁ、あるいはこちらが見落としたのにも落ち度があるかもしれんと思って、さきのバカ機械エリアの踵を返すと、かような案内書きが立てられているのを発見した次第。ただしあったのは「成田エクスプレス」専用の券売機前で、件のバカはこの右側(男性が購入中の機械からさらに1台と仕切りを挿んだ先)にあるから、こちらの不注意がまったくないとはいえないかもしれないが、わざわざ用のない「成田エクスプレス」のほうに目を配る利用者だってそう多くはないだろうということからいえば、気がつかないのがあたりまえというものだ。それにもまして、この案内がほかならぬ「自動券売機」の真ん前に立てられているところがミソでありナゾであろう(笑)。
案内書きにしたがって「改札口前」に行くとこんな案配。扉と自動改札とに仕切られた“あがりかまち”のような空間だが、この状態をみてその先に自動券売機があると思うひとはいるのだろうか? 背後には件の券売機群などがあるコンコースが広がっているのだ。それが、最後の最後というこの先にやっとこさ切符売場があるとは、なんとも前衛的デザインといえまいか?
ハイ。たしかにありMASITAとも。ホントの隅っこ。それもいよいよ自動改札があるというその目の前にたった3台。こんな狭っくるしいところにそんなモノをつくって、混雑時にはさぞやステキな状態になっているのではアルマイトの弁当箱? 改札前にはカートを手にした男性がみえるけれど、ここはそういう乗客が少なくない駅だし、混雑すればちょっとした接触事故だって起きてもおかしくはない。
どういう事情でこんな不可解な配置をつくったのか、あるいはあの大馬鹿者の機械(券売機もどきと呼んでやろう)が同社をして今後どのような使われ方をされるのかはわからない。だが、なんにしてもかくのごとく利用者を小バカにしたような駅を実現するという事実そのものが、JR東日本という会社の体質を顕わしているように思えてならないのである。断っておくが、これはなにも同社をおとしめようとか、個人的な恨みの類があるとかそういうことではない。あくまで1利用者として、また鉄道愛好家のひとりとして、わが国の鉄道がより健全に育ってもらいたいがと考えるがゆえにほかならない。腹がたつよりももの悲しくなった……。むしろそういうことである(蛇足をすると、タッチパネルの上にある銀色は監視カメラなので、「アッカンベー」てもしてやりゃぁよかったとあとで思ったものだ・笑)。
※ついしん:じつはウッカリして「画面9」までで検証をストップしてしまった。このあとは金額画面が出てカネを入れればいいのだろうけれど、ひょっとするとさらなるワナ(カードがどうとか会員番号がどうのとか……)がしかけられていたのかもしれないと思うと、なんとも自分のうかつさを恥じ入るばかりでございます。
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ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
なお、トラックバックおよび「コメント」は受けつけない設定にしております(当面はBBSへどうぞ!)。
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