●雑報その1
「東京新聞」7月21日朝刊によれば、東京都を流れる呑川(大田区)でアリゲーターガーなる外来魚が釣り上げられたという。3メートル前後にまで成長することもあるというこの魚、名前からも推測できるとおりワニによく似た風貌を持つだけでなく、アグレッシブな肉食魚である。そんな魚が釣り上げられたというのが記事の内容であった。
「東京新聞」7月21日朝刊によれば、東京都を流れる呑川(大田区)でアリゲーターガーなる外来魚が釣り上げられたという。3メートル前後にまで成長することもあるというこの魚、名前からも推測できるとおりワニによく似た風貌を持つだけでなく、アグレッシブな肉食魚である。そんな魚が釣り上げられたというのが記事の内容であった。
現場となった川では、10年以上も前からこの魚が目撃されていたというが、記事でも触れられていたように、観賞魚として輸入された魚が棄てられたなどして生息していたのであろう。今回釣り上げられたのは1・2〜1・35メートルの3尾だといい、生息してきたすべてである可能性もあるらしい。駆除が提起されていたなか、結果としてそれが実現したわけだ。
しかし気になる点がある。
この3尾を釣り上げたのはグループを組む釣り人だというのだが、これが「駆除のためではなく、釣り人として釣った」(同記事)というのである。すなわち、『米国でアリゲーターガーを釣るつもりだったが「呑川にいる」と聞き、練習にと現場へ。』(同)だ。ようは、「そこにブラックバスがいるから」といった論理とまったく一緒。いていいハズの魚がどうしたとか、背景や問題に対し(おそらくは)いっさいがっさい疑問を抱くことなく、「釣れればいい」という論理なのであろう。もちろん、彼らに悪意などはまったくないに違いない。しかし、これこそがまさに“釣り人”の身勝手ぶりを顕わす好例といえるのではないか? 釣れさえすればいい。自分たちだけが楽しければいい。そんなセンスが「釣り場をカスタマイズしてしまえばいい」といったでっちあげ行為につながってきたのである。言い換えると、そうした身勝手が大きな要因となってブラックバスがのちに問題化するに至ったのだ。これは、ひとつには釣り人の無知や身勝手による環境破壊ということがあり、いまひとつはほかならぬ釣り人自身が自らのクビを締めているようなものであろう。誤解のないように断っておくが、件の5人自身がそんなことをしているというのではない。しかし、こうした行為が、釣りを趣味とするひとびとにありがちなセンスの典型例ともいえるものであり、ブラックバスをはじめとする混乱をもたらしてきた萌芽をそこにみることはできるのではないか。
なんでも、グループのひとりは海外を広くまたにかけて釣りを楽しんでいるという。たかが趣味かもしれないが、そこまでのめり込めるのは立派だ。だが、それだけに、つまらぬ「練習」などをしたものだと思わざるをえない。もっとも、行動力と精神の貧困とはなら関係がないともいえるのだが。
●雑報その2
※「北朝鮮、突然の変化が起こる可能性高い=韓国国防相 (ロイター)」(リンク切れご容赦)
リンクしたのはロイターが配信した北朝鮮関連のニュースである(7月21日17時20分)
この記事は、いったいぜんたいなにを伝えたいのだろうか? 「起こる可能性は(が)極めて高い」という「突然の変化」とはなんぞや? 変化とはなにがどのように変化するというのだろう???
いうまでもなく、北朝鮮はなにかと問題の多い国家である。ましてや南北をめぐる問題があり、さきの軍艦沈没事件やそれに追随するアメリカ合州国の介入などにより、北朝鮮当局がかなりナーバスになっていることも伝えられている(彼らが発している過激発言の類は、たしかに対外的な牽制もあろうが、そのじつ内部に向けたカモフラージュ的スローガンにすぎないシロモノも多いのではないかとみている)。とすると、「突然の変化」というのは、そうした態度を一変させ、南北問題にせよアメリカ合州国の介入への対応にせよ、革命的ともいえるソフトランディングを目指すということなのだろうか。じつはオレがネット上にあったこのヘッドラインをクリックしたのは、あの国の内部でなんらかの政変の兆候かなにかがあり、まさにそうしたソフトランディングの可能性がみえてきたのかという報道なのかと早とちりしたからなのだが、記事を開いてみればご覧のとおりのありさまで、なにがどう変化するのかがさっぱりわからないのだ。しかも「可能性は(が)極めて高い」というクセに、「変化が起きることを示す(中略)兆候はない」というのでは、ますますなんのことやらわからなくなってしまう(日本語の「てにをは」からして奇妙なので、原文がなんらかの外国語でその翻訳が支離滅裂だけな可能性もありそうだが)。
ではこの配信の意味はなにか。オレ自身はネット上に現われる見出しを読ませることにあるのではないかという気がしている。オレの場合はまさかのソフトランディングを想像したけれど、見出しだけをみたひとが「ぁあ、また北朝鮮がロクでもないことをしでかそうとしてるのか」(むしろ「しでかした」と思い込んでハイおしまいというムキもありそうだ)と感じるまさにそれこそが狙いというわけだ。すると、なんら検証することもなしに「北朝鮮がまたなにかを……」という印象のみが蓄積されてゆく。なにしろ相手はわが国との間でもさまざまな問題を抱える国である。「アメリカ合州国さまさま」が「悪の枢軸」とレッテルを貼った国である。こうしてヘッドラインに登場することが、そのまま悪印象に結びついてもなんら不思議がないともいえる。とすれば、これはニュースの名を借りた世論誘導のひとつということになる。真相はわからないけれども。
それにしても。よくもまぁこんなお粗末な文章を、世界的通信社がアップできたものだと感心するほかはありませんにゃぁ……。
●雑報その3
これは本来は「雑報」と括らないニュースなので念のため。
「東京新聞」7月21日朝刊によれば、窃盗事件において、“防犯カメラ”に捉えられた映像を(だけを)証拠に被疑者を166日にもわたって拘留・起訴したはいいが、とうの検察側が「無罪論告」をせざるをえなかったという裁判が金沢地裁で続いているという。
これは、白山市(石川県)内のコンビニエンスストアのATMでキャッシュカードを使って現金100万円を盗んだという事件において、“防犯カメラ”の映像をもとに男性を逮捕、ところが弁護側の提案によって映像を鑑定した結果、それが別人ということが明らかになったというもの。もちろん身に覚えのあるハズがない男性は容疑を否認したが、警察・検察は166日の拘留と取り調べによって男性を恫喝、とうとう「現場には行ったことがないが、(カメラ映像の)男は自分だ」という摩訶不思議な供述調書をでっちあげたうえで男性にサインさせていたというのだからなにをかいわんやの世界である(そもそも、こんな矛盾した調書が裁判の証拠として有効なのだろうか?)。まさに、これまで報告されてきた冤罪と同様のやり口ではないか。
そんなお粗末きわまる捜査である。はたせるかな、検察からして「無罪」を主張せざるをえないという顛末になったわけだが、ここで彼らがいかに“陳謝”のポーズをみせようともその本質が変わるわけではなく、善良なる市民としては、これを他山の石として万が一のさいの自己防衛に努めるほかはない。「再発を防ぐ」などと口先で御託を並べたところで、同種の事件は必ず起きるのだ。だとすれば、少なくとも警察および検察の関係者に対し一般社会に通用するレベルでの厳罰を処し、その前例とすべきであろう(もちろんそれで解決するワケでもないのだが)。
さて、ここでいまひとつ問題としたいのは“防犯カメラ”についてである。このことは当ブログでもなんどか記してきたが、この“防犯カメラ”という詐称はどうか。今回の例ではむしろ犯罪を誘発したといっても大袈裟ではないようにも思うが、そんなシロモノが名前どおりに機能していると言い切れるとはとても思えない。大目にみれば、「カメラで見張ってるよ」という脅しによって小泥棒の類を牽制するということはあろうけれど、本質的犯罪である殺人はもとより、窃盗など中小犯罪にしても、ある種の確信を持った犯行をこんなモノでどこまで抑止できるのかについては疑問があるからだ。こんなモノは、その役割どおりにすれば監視カメラこそが相応しいのであり、むしろ監視カメラでなにがいけないのかとも思う。それを“防犯カメラ”などと銘打つ理由はなにか。さりげなく使われている名称だが、その有用性とともに考え直してみてもいいように思う。
しかし気になる点がある。
この3尾を釣り上げたのはグループを組む釣り人だというのだが、これが「駆除のためではなく、釣り人として釣った」(同記事)というのである。すなわち、『米国でアリゲーターガーを釣るつもりだったが「呑川にいる」と聞き、練習にと現場へ。』(同)だ。ようは、「そこにブラックバスがいるから」といった論理とまったく一緒。いていいハズの魚がどうしたとか、背景や問題に対し(おそらくは)いっさいがっさい疑問を抱くことなく、「釣れればいい」という論理なのであろう。もちろん、彼らに悪意などはまったくないに違いない。しかし、これこそがまさに“釣り人”の身勝手ぶりを顕わす好例といえるのではないか? 釣れさえすればいい。自分たちだけが楽しければいい。そんなセンスが「釣り場をカスタマイズしてしまえばいい」といったでっちあげ行為につながってきたのである。言い換えると、そうした身勝手が大きな要因となってブラックバスがのちに問題化するに至ったのだ。これは、ひとつには釣り人の無知や身勝手による環境破壊ということがあり、いまひとつはほかならぬ釣り人自身が自らのクビを締めているようなものであろう。誤解のないように断っておくが、件の5人自身がそんなことをしているというのではない。しかし、こうした行為が、釣りを趣味とするひとびとにありがちなセンスの典型例ともいえるものであり、ブラックバスをはじめとする混乱をもたらしてきた萌芽をそこにみることはできるのではないか。
なんでも、グループのひとりは海外を広くまたにかけて釣りを楽しんでいるという。たかが趣味かもしれないが、そこまでのめり込めるのは立派だ。だが、それだけに、つまらぬ「練習」などをしたものだと思わざるをえない。もっとも、行動力と精神の貧困とはなら関係がないともいえるのだが。
●雑報その2
※「北朝鮮、突然の変化が起こる可能性高い=韓国国防相 (ロイター)」(リンク切れご容赦)
リンクしたのはロイターが配信した北朝鮮関連のニュースである(7月21日17時20分)
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この記事は、いったいぜんたいなにを伝えたいのだろうか? 「起こる可能性は(が)極めて高い」という「突然の変化」とはなんぞや? 変化とはなにがどのように変化するというのだろう???
いうまでもなく、北朝鮮はなにかと問題の多い国家である。ましてや南北をめぐる問題があり、さきの軍艦沈没事件やそれに追随するアメリカ合州国の介入などにより、北朝鮮当局がかなりナーバスになっていることも伝えられている(彼らが発している過激発言の類は、たしかに対外的な牽制もあろうが、そのじつ内部に向けたカモフラージュ的スローガンにすぎないシロモノも多いのではないかとみている)。とすると、「突然の変化」というのは、そうした態度を一変させ、南北問題にせよアメリカ合州国の介入への対応にせよ、革命的ともいえるソフトランディングを目指すということなのだろうか。じつはオレがネット上にあったこのヘッドラインをクリックしたのは、あの国の内部でなんらかの政変の兆候かなにかがあり、まさにそうしたソフトランディングの可能性がみえてきたのかという報道なのかと早とちりしたからなのだが、記事を開いてみればご覧のとおりのありさまで、なにがどう変化するのかがさっぱりわからないのだ。しかも「可能性は(が)極めて高い」というクセに、「変化が起きることを示す(中略)兆候はない」というのでは、ますますなんのことやらわからなくなってしまう(日本語の「てにをは」からして奇妙なので、原文がなんらかの外国語でその翻訳が支離滅裂だけな可能性もありそうだが)。
ではこの配信の意味はなにか。オレ自身はネット上に現われる見出しを読ませることにあるのではないかという気がしている。オレの場合はまさかのソフトランディングを想像したけれど、見出しだけをみたひとが「ぁあ、また北朝鮮がロクでもないことをしでかそうとしてるのか」(むしろ「しでかした」と思い込んでハイおしまいというムキもありそうだ)と感じるまさにそれこそが狙いというわけだ。すると、なんら検証することもなしに「北朝鮮がまたなにかを……」という印象のみが蓄積されてゆく。なにしろ相手はわが国との間でもさまざまな問題を抱える国である。「アメリカ合州国さまさま」が「悪の枢軸」とレッテルを貼った国である。こうしてヘッドラインに登場することが、そのまま悪印象に結びついてもなんら不思議がないともいえる。とすれば、これはニュースの名を借りた世論誘導のひとつということになる。真相はわからないけれども。
それにしても。よくもまぁこんなお粗末な文章を、世界的通信社がアップできたものだと感心するほかはありませんにゃぁ……。
●雑報その3
これは本来は「雑報」と括らないニュースなので念のため。
「東京新聞」7月21日朝刊によれば、窃盗事件において、“防犯カメラ”に捉えられた映像を(だけを)証拠に被疑者を166日にもわたって拘留・起訴したはいいが、とうの検察側が「無罪論告」をせざるをえなかったという裁判が金沢地裁で続いているという。
これは、白山市(石川県)内のコンビニエンスストアのATMでキャッシュカードを使って現金100万円を盗んだという事件において、“防犯カメラ”の映像をもとに男性を逮捕、ところが弁護側の提案によって映像を鑑定した結果、それが別人ということが明らかになったというもの。もちろん身に覚えのあるハズがない男性は容疑を否認したが、警察・検察は166日の拘留と取り調べによって男性を恫喝、とうとう「現場には行ったことがないが、(カメラ映像の)男は自分だ」という摩訶不思議な供述調書をでっちあげたうえで男性にサインさせていたというのだからなにをかいわんやの世界である(そもそも、こんな矛盾した調書が裁判の証拠として有効なのだろうか?)。まさに、これまで報告されてきた冤罪と同様のやり口ではないか。
そんなお粗末きわまる捜査である。はたせるかな、検察からして「無罪」を主張せざるをえないという顛末になったわけだが、ここで彼らがいかに“陳謝”のポーズをみせようともその本質が変わるわけではなく、善良なる市民としては、これを他山の石として万が一のさいの自己防衛に努めるほかはない。「再発を防ぐ」などと口先で御託を並べたところで、同種の事件は必ず起きるのだ。だとすれば、少なくとも警察および検察の関係者に対し一般社会に通用するレベルでの厳罰を処し、その前例とすべきであろう(もちろんそれで解決するワケでもないのだが)。
さて、ここでいまひとつ問題としたいのは“防犯カメラ”についてである。このことは当ブログでもなんどか記してきたが、この“防犯カメラ”という詐称はどうか。今回の例ではむしろ犯罪を誘発したといっても大袈裟ではないようにも思うが、そんなシロモノが名前どおりに機能していると言い切れるとはとても思えない。大目にみれば、「カメラで見張ってるよ」という脅しによって小泥棒の類を牽制するということはあろうけれど、本質的犯罪である殺人はもとより、窃盗など中小犯罪にしても、ある種の確信を持った犯行をこんなモノでどこまで抑止できるのかについては疑問があるからだ。こんなモノは、その役割どおりにすれば監視カメラこそが相応しいのであり、むしろ監視カメラでなにがいけないのかとも思う。それを“防犯カメラ”などと銘打つ理由はなにか。さりげなく使われている名称だが、その有用性とともに考え直してみてもいいように思う。
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ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
なお、トラックバックおよび「コメント」は受けつけない設定にしております(当面はBBSへどうぞ!)。
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