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猫池罵詈雑言雑記帳
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 裏切り者という存在がある。もっとも裏切りにもさまざまで、ある時点から変節するなどして「裏切られた」と思いきや、じつはその変節後の姿こそが正体だったりすることもあり、こうなると信じた側が単にそれを見抜けなかっただけということにもなるのではないか。ようは騙されただけというわけだ。
 昨今話題の菅直人首相などは、まさにその好例である。この人物に対しては、どういうワケかリベラルな政治家だとカン違いしているひとも少なくなく、おそらくは鳩山政権に対するそれよりも期待を寄せている層もあるていど存在していたに違いない。しかし、この男の正体など割れてしまえばかなんのことはない。本質的に国民の側を向いた政治家ではないのだ。

 8月2日午後の報道によれば、今後の国会運営について菅首相自身が自民党と協力することを表明、さらに消費税導入を前に総選挙を仕掛けることを示唆したという。
 バカバカしいとはまさにこのことではないか?
 菅首相いわく、「大きな税制改正を行なう時には国民に判断をいただくことが必要だ」。
 結構。いかにも正論を吐いているかのごとしではある。しかし、菅氏はいったいぜんたい選挙でなにに対する信を問おうというのだろう。消費税増税についてだろうか? しかし残念ながら与党民主党はもとより、最大野党の自民党は本質的にはまったく同じ考えであり、もはや小政党と化した共産・社民を除く勢力もまた大同小異の存在である以上、そんなものがまったく意味を持ち得ないことは、ちょっとでもアタマを働かせればわかろうというものだ。民主党が勝てば消費税増税だ。しかし、対抗馬たる自民党が勝てば、はたして消費税増税が回避できるとでもいいたいのだろうか?

 しかし、これこそが“2大政党制”とやらの愚かしさだともいえる。たとえばアメリカ合州国の民主党と共和党との違いにすら遠く及ばぬわが国の“2大政党”(あくまでいまのところの“2大”だが)。そんなモノのどちらが選挙で勝とうと、腐ったカニと同じく腐ったエビていどの違いでしかないのは明らかであろう。結果、どちらがどうなろうと、うれしがるのは大企業を中心とする日米財界(*注)であり、アワを食わされるのがわれわれ一般庶民であることに変わりはない。
 われわれにとってはまさに四面楚歌な状態だが、手後れとするには早すぎる。それがさきの参院選の結果にほんのわずか現われているとみることも可能かもしれないが(しかし同時に進退が谷まっていることも示唆された)、とにもかくにも消費税増税に対する抵抗の声を挙げればいいのだ。あるいは、消費税増税に伴って起こりうる事態について、庶民レベルでの理論武装を固めればいい(ここで財界視線の論理などに耳を貸す必要は皆無である。彼らは、あくまで彼ら自身の都合でモノを言っているに過ぎないからだ)。それこそが草の根運動であり、民主主義の底辺なのではあるまいか?

 さて、同じくした報道によれば、衆院予算委員会の席上で自民党の谷垣禎一総裁が質問に立ち、「(ねじれ国会という現状をふまえ)国民に必要な政策が実行できる合意を得る場になるよう、野党にも臨んでいただきたい」との要求を与党側に出したという。
 これまた、菅直人氏の弁と同様に一見すると正論に聞こえてくるのが面白いが、「語るに落ちた」とはこのことである。はたして、自池政権時代後期の“ねじれ国会”において、とうの自民党の諸君は「国民に必要な政策が実行できる合意を得る場になるよう、(野党として)臨んで」きたのだろうか(笑)。
「恥を知れ」という言葉がある。あるいは「他人のふりみて我が身をなおせ」というのもある。いかに“派閥争い”での主導権を握りたいがためとはいえ、自分たちがなにをしてきたのかムネに手でもあてて考えてみることだ。そんなことすら本当にわからないのだとすれば、そういうのをまさにバカというのではないか?

 もっとも、そんなていたらくに対して「法案が出されたら、前向きに検討するよう指示したい」などを答弁する菅首相のセンスにも恐れ入るほかないが(大爆笑)。

*注:
 消費税の最大の役割が法人税減税ぶんの穴埋めであることはすでに明らか(福祉目的などをウソぶかれているが、ではさて、消費税導入からこのかた、その福祉とやらは消費税収入に応じて拡充されてきたのか? これまたちょっとでも考えればそのウソがわかるお粗末である)だが、その「減税」の恩恵を受けるのが基本的には財界を牛耳る大企業のみであることをきちんと把握しておく必要がある。考えてみるがいい。消費税増税は、彼ら大企業に対してももちろんかかるが、より影響を受けるのは彼らに生殺与奪を握られた下請けたる中小企業なのである。たとえば、メーカーであれば下請けからの仕入れにも消費税増税が影響するハズだが、なんのことはない、そのぶんの値引きを強いればいいだけの話だからだ。すると、やはり原料を仕入れて製品をつくる下請けにとって、仕入れぶんの消費税をまるまる転嫁できなくなってしまう。ようは単純に利益が飛んでしまうのと同じことである。
 知人が経営する企業では、「売り上げは相応に伸びているのに、利益を出すのがますます厳しくなった」という。もちろん正当な企業努力をしたうえでの話だ。その会社は財務のうえでも優良な企業である。にも拘らずというこの状況をなす背景のひとつに、そうした構造の問題があるとはいえないだろうか?

 ひるがえって、大企業(およびその団体)は自分たちだけが富を享受できる仕組みをつくるべく“企業努力”を続けてきたともいえる。その一端がコイズミ改革とやらに現われ、いままさに自分たちの減税という「強きを助け、弱きをくじく」政策に反映されつつあるのだ。トクをするのはでかいところだけ(従業員レベルでは、プロパー正社員の類の収入が増える可能性はあろうが、同じような仕事をしているハズの非正規労働者が正統な恩恵を受ける可能性はほとんどない)。法人税減税により企業が活性化するなどすでに強いところのごく限られた部分すぎない。まったくの欺瞞であることに気づくべきであろう。

*おまけ:
 ジャーナリスト・黒薮哲哉氏が、氏のブログ「新聞販売黒書」(8月1日)において、小沢一郎氏のひととなりについてわかりやすくまとめている。小沢氏は、いわば菅氏に対する“党内派閥の政敵”のごとく扱われることもあり、なかには“改革の旗手”として持ち上げるムキすらみられるが、黒薮氏のコラムは、その前によ〜く考えてみるべしという格好の警告といえよう。また、同ブログの7月18日では、“2大政党制”と財界との関係についても少しだけ触れられている。
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