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猫池罵詈雑言雑記帳
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 福田内閣の支持率がついに(やっとこさ?)2割を切ったという。あわせて政党支持層では民主が自民を逆転しており、現政権に対する世論の冷めた目があることを窺わせている。しかし考えてみればあたりまえのことで、組閣以来ず〜っと民意を侮り続けてきたのだから、むしろ2割弱もの支持があることを政権は感謝すべきであろう。しかし、現在のこの状態が好もしいものであるかどうかについては楽観できない部分がある。

「不支持率が支持率を●●これで歴代総●●入りができたナ」

 これは「読売新聞」1981年6月17日の「USO放送」なる見出しの一文で、たぶん読者からの投稿である。なんでこんなモノを持っているかといえば、これが佐川一政氏の某事件が報じられている紙面に載っているものであり、そいつを転載した本がタマタマ手元にあるからなのだが、書面で途切れてしまっている伏せ字を埋めれば、「不支持率が支持率を上回った。これで歴代総理大臣の仲間入りができたナ」とでもなっているのであろう。まぁ、庶民感覚の風刺といえばいえるが。  

 1981年は鈴木善幸内閣の時代である。この政権はその後11月末まで続いたが、現在の福田内閣に至るまで、ようはこうした浮沈の繰り返しによっていたのがわが国の政権に対する支持率である。ちょっと前、というよりいままさに起きている「ねじれ」現象とやらをみれば、寸前まで異常ともいえる支持率を持っていたのが自公政権であったことが再認識されるが、このことは状況になんらかの変化が起きれば、あっさりと政治の支持動向が裏返ることを示唆している。たしかに、現時点ではガソリン税問題や後期高齢者医療制度問題、年金などもろもろの要因が国民に対して直にのしかかっている状態であり、民意とは裏腹な政策を採り続けている政権に対して国民が「ノー」の判定を下しているとはいえる。だが、これらは福田内閣を退陣させれば解決する問題なのだろうか? あるいは民主が時期政権を獲得すれば改善する可能性は高まるものなのだろうか? おそらくは、たいした変化を得ることのないまま、結局は“元の鞘”に収まるという歴史を繰り返してきたというのが戦後政治にみられる大衆の動向なのではないのか?
 むろん、なにはともあれ現政権を退陣させ一刻も早い総選挙を実施させることが急務ではある。だが、昨今の世論調査が政権に対する黄色ないし赤信号を発していることは疑いようがなにせよ、それが国民自身に対する青信号にはとても思えないのである。

 さて、単なる推測話をしたい。
 生い先の見えてきた福田内閣が、衆院における不均衡な議席を使ってなにを優先してくるか? まずは消費税増税だと考えている。なにしろ、すでに増税への道筋は示されているのである。あとはそれをいつ強行するかという問題だけといっていいのではないか。そこには対抗馬としての民主との駆け引き(談合?)もあろうが、いざとなれば参院も国民の声も完全に無視するのが現政権だということはすでに2度もみせつけられている。くたばり際の屁ではないが、政権による数のテロはここに着地点を見い出しているのではないだろうか。ガソリン問題(これは重要だ!)や自・民の政局争いなどに政治報道の多くが費やされてきた陰で、この暗雲は確実に拡がっているとみるほうがいい(したがって、その前に叩き潰す必要があるのだ)。

 いまひとつ気にしておかねばならないのは共謀罪である。このゾンビのように幾度となく蘇ってきては押しとどめられている悪法中の悪法の成立は、案外近いところにあるという気がしてきている。
 現政権の遣り口をみれば、いまにでも法案の再提出〜成立という図式が完成しかねないにも関わらずなりを潜めている背景には、創価学会側がこの法案に対してある種の警戒心を抱いているからという見方がある。すなわち、かつて治安維持法のもとに弾圧された経験を持つ同会にとって、この法案は諸刃の剣だというのだ。したがって(おそらくは)同法案を通すことそのものに対しては賛意を持っていながら、そのじつ相棒(自民)に対する不信感を抱かざるをえないのではないか? いまは蜜月状態かもしれないが、そんなものはいつ反故にされるかわからないのである。……というのは推測にすぎないけれど、その理由はどうあれ、タッグ政権の片側がブレーキとなっている点を指摘する声を複数目にしているし、あり得る話だとも思っているのである。

 では、なぜ成立間近だとみるのか? これはつぎの総選挙でほぼ間違いなく民主が圧勝し、自創タッグ政権が崩壊するだろうという予測による。福田ー小沢の「大連立」騒ぎもあったが、民主党という組織は呉越同舟の寄り合いであり、その根幹部分には自民の1派閥といっても差しつかえのない層が巣食っている。現段階で起こりうる政権交替というのは、じつは派閥交替に毛の生えたようなレベルでしかないところに現代日本の不幸が感じられるが、これがつぎの政権において手を握りあう可能性についてきちんと向き合う必要がある。そして、民主のなかには共謀罪反対を熱心に打ち出している層があるのと同時に、逆に推進する立場にある層があるというところが危険なのだ(ついでに言えば、民主内には改憲勢力も強い)。自民がどれだけ議席数を減らすかはわからないが、少なくとも自民・民主で大半の議席を占めるだろうことは十分に予測できる。こうなったとき、もはや現在のような参院でのブレーキ機能は期待できず、いま以上にさまざまな法案がスルスルと通過させられている可能性があるのである。そのときに国民側にできることはあるのだろうか。「支持率が歴代同様に下がりましたな」などと悠長に構えていられるのだろうか。

 繰り返すようだけれど、現政権を一刻も早く退陣させることは必要だ。しかし、その後に政権を担う集団がどのような性質を持つ組織であり、具体的にどこを向いてなにをどのようにしてゆこうとしているのかということを、選挙以前にきちんと監視して検証してゆく必要がある。いまなら十分に取りかえしがつくのだから。

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