自創極悪タッグ(恥知らず政権)による3度目の法案再可決事件である。道路整備財源特例法改正案の成立。ここまで民意無視を決め込んだ独裁政権が、はたして近代民主国家のそれといえるのだろうかという毎度の感想を抱かざるをえない。道路のための財源はないわけではないのだ。カネはあるのである。にも関わらずこの強行。かつていくつかの国で沸き起こった革命や政権転覆というのは、こうした横暴のさせる結果だったともいえるだろう。もっとも政権側がそれだけの“リスク”にたいして腹をくくっているようにも思えず、国民の側に相応の気概があるかどうかはわからない。しかし、信じ難い愚行なんだという認識を持つ必要はあるし、そう思っているひとは相当数にのぼるのだろうと信じている。
なんだかなと思ったのは、「憲法の規定に則り」という類の“枕詞”をこんなところでつけるNHKニュースの原稿だ。
これはたしかに事実としてはそのとおりだとはいえ、現政権までに実際に行使されたケースがほとんどないルールである。これが、なんらかのやむを得ぬ事態にさいして行使できる道を残したのか、それともあえてあいまいな領域を定めたのかはわからない部分もあるけれど、少なくともこんなわずかな期間にひとつの政権によって3度も運用されるということは十分に異常事態だといえるだろう。そんなものを、わざわざ「憲法」云々とつけくわえるNHK側の意図はわからないが、であれば違憲判決が確定している自衛隊のイラク派遣問題についてもきちんと追求しろよなといいたい。もちろん政権の側にではなく憲法の側にたっての報道だ。
さて、その憲法に則るという部分で、それよりも疑問を感じなければならないのは、以下のくだりである。
──自衛隊派遣の可能性はあるか?
「それは先方からの要請次第」
これは、中国四川省で起きた大地震に関連して、町村信孝官房長官が記者の質問に答えたものである。たとえば同じNHKテレビの正午のニュースで再可決関連報道の前に流されていたものだが、もちろんこの発言についてニュースは単にタレ流しっぱなしにしただけだ。だが、じつはこの町村発言こそが、この国の政権がいかに憲法というものを知らずにいるかということの証拠となるものなのである。
現憲法と自衛隊との共存という問題についてここで言及することは避けるが、海外派遣そのものが憲法に抵触していることには疑問の挟みようがないだろう。これが仮に中国の被災地に派遣されるとすれば、自衛隊の任務はその現場においては人道的な内容であろうし、救助の一助となる可能性もあろう。そうした点において、中国側から要請があれば派遣してしかるべきという考えがあってもおかしくはなくみえるに違いない。しかし、それは大きな間違いだ。外国からの要請があろうとなかろうと、海外への派遣はまかりならんというのがわが国の憲法の定めるところだからである。これは要請してくるのが、中国だろうがアメリカ合州国だろうがなんだろうと関係はない(だからイラク派遣は違憲なのである)。したがって、「先方から要請」があれば派遣(の可能性がある)とした町村発言は誤りであり、少なくとも不用意だといわざるをえない。ここは「(先方からの要請云々に関わらず)わが国の自衛隊は外国への派遣は許されない」とすべきであった。そのうえで、自衛隊派遣以外の方策を講じればいいだけの問題であろう。被災地救援イコール自衛隊というのは、国の内外に関わらず早計すぎるように思う(*注)。
ところが、こんなことがなんら疑問を挟まれずに済まされてしまうのは、現実に憲法無視の海外派兵が常在化しているからであり、憲法に対する理解に乏しいからだといわざるを得ない(これは現・日本国憲法に限った話ではなく、憲法そのものの原則論に立ち返って知るべき問題である)。マトモな政治家であれば、これはもう直感的といっていいぐらいに、「派遣は不可能」とされるハズである。まぁ、そもそもが憲法の本文すらいちどたりとも読んだことのないような議員が大勢いるというのがわが国の現状なのかもしれない。少なくとも国会議員になるのであれば、日本国憲法全文をまるまる暗記してかつ理解いなければならないぐらいに法改正でもしたらどうか? そんな冗談すら思いついてしまった。
*注:
ただし、実際の被災地(新潟の地震しかり、阪神淡路大震災しかり)において任務にあたる個々の自衛官に関してはその仕事を評価しないわけにはいかない。十二分な危険との隣り合わせのなか、いささか特殊な任務にあたっているのである。だが、これも本来であれば自衛隊という軍事組織による必要は必ずしもなく、天災などの異常時おける救援復興部隊として軍事とは切り離した組織によればいいのではないかという見方もできよう。
なお、仮に中国への自衛隊派遣があるとすれば、これは政治的にも重大な事件となるハズだが、この点についての言及は避けた。
これはたしかに事実としてはそのとおりだとはいえ、現政権までに実際に行使されたケースがほとんどないルールである。これが、なんらかのやむを得ぬ事態にさいして行使できる道を残したのか、それともあえてあいまいな領域を定めたのかはわからない部分もあるけれど、少なくともこんなわずかな期間にひとつの政権によって3度も運用されるということは十分に異常事態だといえるだろう。そんなものを、わざわざ「憲法」云々とつけくわえるNHK側の意図はわからないが、であれば違憲判決が確定している自衛隊のイラク派遣問題についてもきちんと追求しろよなといいたい。もちろん政権の側にではなく憲法の側にたっての報道だ。
さて、その憲法に則るという部分で、それよりも疑問を感じなければならないのは、以下のくだりである。
──自衛隊派遣の可能性はあるか?
「それは先方からの要請次第」
これは、中国四川省で起きた大地震に関連して、町村信孝官房長官が記者の質問に答えたものである。たとえば同じNHKテレビの正午のニュースで再可決関連報道の前に流されていたものだが、もちろんこの発言についてニュースは単にタレ流しっぱなしにしただけだ。だが、じつはこの町村発言こそが、この国の政権がいかに憲法というものを知らずにいるかということの証拠となるものなのである。
現憲法と自衛隊との共存という問題についてここで言及することは避けるが、海外派遣そのものが憲法に抵触していることには疑問の挟みようがないだろう。これが仮に中国の被災地に派遣されるとすれば、自衛隊の任務はその現場においては人道的な内容であろうし、救助の一助となる可能性もあろう。そうした点において、中国側から要請があれば派遣してしかるべきという考えがあってもおかしくはなくみえるに違いない。しかし、それは大きな間違いだ。外国からの要請があろうとなかろうと、海外への派遣はまかりならんというのがわが国の憲法の定めるところだからである。これは要請してくるのが、中国だろうがアメリカ合州国だろうがなんだろうと関係はない(だからイラク派遣は違憲なのである)。したがって、「先方から要請」があれば派遣(の可能性がある)とした町村発言は誤りであり、少なくとも不用意だといわざるをえない。ここは「(先方からの要請云々に関わらず)わが国の自衛隊は外国への派遣は許されない」とすべきであった。そのうえで、自衛隊派遣以外の方策を講じればいいだけの問題であろう。被災地救援イコール自衛隊というのは、国の内外に関わらず早計すぎるように思う(*注)。
ところが、こんなことがなんら疑問を挟まれずに済まされてしまうのは、現実に憲法無視の海外派兵が常在化しているからであり、憲法に対する理解に乏しいからだといわざるを得ない(これは現・日本国憲法に限った話ではなく、憲法そのものの原則論に立ち返って知るべき問題である)。マトモな政治家であれば、これはもう直感的といっていいぐらいに、「派遣は不可能」とされるハズである。まぁ、そもそもが憲法の本文すらいちどたりとも読んだことのないような議員が大勢いるというのがわが国の現状なのかもしれない。少なくとも国会議員になるのであれば、日本国憲法全文をまるまる暗記してかつ理解いなければならないぐらいに法改正でもしたらどうか? そんな冗談すら思いついてしまった。
*注:
ただし、実際の被災地(新潟の地震しかり、阪神淡路大震災しかり)において任務にあたる個々の自衛官に関してはその仕事を評価しないわけにはいかない。十二分な危険との隣り合わせのなか、いささか特殊な任務にあたっているのである。だが、これも本来であれば自衛隊という軍事組織による必要は必ずしもなく、天災などの異常時おける救援復興部隊として軍事とは切り離した組織によればいいのではないかという見方もできよう。
なお、仮に中国への自衛隊派遣があるとすれば、これは政治的にも重大な事件となるハズだが、この点についての言及は避けた。
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