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猫池罵詈雑言雑記帳
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 アメリカ合州国大統領選でバラック オバマ氏が当選したことは、いくつかの点で画期的であり進歩的なできごとだといえる。
 そのさいたるものは、初の黒人(系)大統領が誕生するということであろう。いかに人種のるつぼとはいえ、あの国がしょせんは白人の国であり、とりわけワスプの国であることは否定できず、異人種が黒人に限らず差別されていることを考えるまでもなく画期的であり快挙であることに違いないからだ。
 以前、なにかのときに記したが、アメリカ通の知人は、「(遠くない将来に)黒人の大統領だって生まれる可能性がある」と言ったことがある。それほどに差別状況は薄まってきたということらしいのだ。それが今回の当選とどれほどの関係があるのかはわからないけれども。

 そうはいえ、たしかにあの国の差別状況は変化してきたのであろう。また、一部で言われているように、オバマ氏を黒人としてとらえるだけでなく、半世紀ぶりにリベラル色が強い北部出身の大統領であるという事実も、あの国に起きたひとつの変化なのかもしれない。だが、こんなことは蛇足であろうけれども、北部がイコールでリベラルということではもちろんなく、かつての深南部ほどの激烈さはないにせよ、人種的差別は根強く染みついていることを忘れてはならない。なにしろ、そもそもが侵略と虐殺と差別とではじまった国なのだ。むしろそれこそがアイデンティティーだと極論してもいいぐらいだとさえ思っている。
 ごく親しい友人は「移住するとしたらニューヨークがいちばん肌に合いそうだ」と言う(ニューヨークがあの国の特殊だという言い方はあるが、ここでは別問題とする)。しかし、その彼をして現地ではさまざまな差別や差別的視線を体験していることをなんどか口にした。「へぇ〜。ジャパニーズでも(ちゃんと)できるんだ」のように仕事を通じて驚かれる。彼らアメリカ人の目に、はたしてわれわれアジア人はどのように映っているのだろう。あるいは、それは色の白黒だけに帰する問題なのだろうか。

 それはそれとしても、オバマ大統領が誕生し、新たに発足するオバマ政権にリベラル路線を期待する声は多い。なにしろブッシュ時代に大失敗に大失敗を重ねたその揺り返しである。タカ派のマケイン陣営を破ったというその結果からも、そういう期待があって当然であろう。だが、そんなに楽観的な(?)期待を寄せられるのだろうかとも思う。
 そもそもが、民主党と共和党との間にどれだけの差があるというのか。たしかにタカ派の度合いが強い共和党に対して、リベラル系の民主党という見方はあるし、ある面でそれは間違ってはいないだろう。しかし、それは“ていどの差”を超えるほどのものなのだろうかという疑問を拭えないのだ(“ていどの差”以上の政策を持つかもしれない第3、第4の勢力や大統領選候補者について、少なくとも日米の大情報網からは黙殺されている。ところが、民主でも共和でもないという層がじつは相当な割合にのぼっていることも指摘されてきている)。
 当選後の演説でオバマ氏は言った。「アメリカでは、すべてが可能であることを疑い、民主主義の力に疑問を呈する人がまだいるなら、今夜がその答えだ。(中略)我々はアメリカ合衆国(の一員)なのだ」(「毎日新聞」5日配信)。このことは、すなわちオバマ氏がアメリカ人であること、さらにきわめてアメリカ的センスの持ち主であることを証明している。あくまでアメリカ合州国、なのだ。

 はたして、イラクやアフガニスタンに対する一方的戦争の精算の道筋がみえているとはいえず、それどころか戦争を拡大せよという声すらあの国の中枢には居座っている。当然のことながら、アタマがすげ変わったところで最悪レベルの経済破綻状況が好転するわけでもない。こんなことを言ってはミもフタもないかもしれないけれど、期待するほどの前進が起こりうるとは思えないのである。もっともブッシュ時代より酷いことになるとまでは思わないし、なによりも現状をいくらかでも打開してゆきたいというアメリカ国民の意思は感じるのだが。



 もうひとつ……というかオマケなんだが、あの石原のおとっつぁんが本田技研工業に対してあれこれ言い掛かりをつけているそうな。

http://www.j-cast.com/2008/11/05029824.html

 なんつうか、リンクした「J-CAST」の記事を読むかぎりは、まったくのひとり相撲であり、それどころかすでに妄想の域に達している。悪いけれど、本気で笑っちゃいMASITAヨ。マンガだ、マンガ。あのアソーサンも愛読しそうな。主人公がいささかチンケなんですがね。でも、なんとか賞を与えられたチンポ小説よりは、笑えるぶんだけいくらか娯楽的要素にとむ(同時に虫酸も走るが)。
 もっとも、仮にホンダがイベントに反対の意見をもっていたとしても、そんなことはまったくの自由というものであり、テメェがゴリ押しした催しに参加しなかったからって文句を言われる筋合いがどまったくない。それなのに、いわく「ホンダに乗り込み直に社長にものを申す」。バッカじゃないかしら、このおっさん(笑)。こんなものに「命を張っても戦う」ヒマがあるのなら、知事としてもっとやるべきことがあるだろうに。

 このくだらない男。これもまた、前回の田母神俊雄氏と同様にかわいそうで哀れむべき人物なのであろう。そんなのをこともあろうか知事に座らせっぱなしの都民もどうかしているとしかいいようがないのだが、この点ではアメリカ合州国のほうがはるかに進歩的だということのようである。
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