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猫池罵詈雑言雑記帳
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 世界経済が大混乱の様相を示している。経済についてはまったくの無知で、あれこれ記すことは避けたいが、一連の動きをみていると、シロウトながらに興味が湧いてくる。ひょっとするとイロハからきちんと勉強していったら、非常に面白い分野なのではないかとさえ思うほどだ。しかし、一部で一般庶民をも巻き込んでいるマネーゲムとやらが、文字どおりの博打であり、およそ実のないまやかしのカネが踊っているにすぎないという感をあらためて持った。

 博打の勝ちぶんというのは、博打に依存している限り利益(自分のカネ)ではないのだ。すなわち、たとえばカジノで勝ち続けようとしてもタネ銭が必要であり、仮に瞬間的に大量のチップを持ったとしても、そのチップを回転させていかない限りつぎがないのである。今夜は勝った。一杯飲もう。しかし、そこどまりである。博打そのものの楽しさはあるかもしれないが、けっして宵越しのカネにはなりはしない。博打の儲けというのは、博打生活そのものにピリオドを打たない限りは持ち帰りのチップにすぎないのである。
 合法にして巨大な博打であるマネーゲムだって、すべてとまではいわないが同様ではないのか? もちろん、正業を持って手持ちのカネで小遣い稼ぎをするぐらいのことはあるだろう。あるいはこれが正業であっても、企業人となって給与という形でカネを得ているケースもあろう。だが、これそのものしかなくなって狂奔しているとなると話は別だ。いかに巨額のカネを動かしているつもりであっても、ようはカジノのチップの増減に踊らされているだけではないのか。瞬間的には豪華なマンションに暮らし贅沢三昧ということもあるかもしれないが、しょせんはチップを動かすことしかできない身である。そんなものはいつ霧散するかわかったものではない。賭博場から抜け出せたときに実がなっているのかどうか。はたして彼らはいつまで博打を打ち続けるつもりなのだろうと心配になってくる。ごくごく一部に“勝ち逃げ”がいるようだが、しかし問題はそんな連中の勝ち負けによって、真面目に働いているひとびとに累が及ぶことであろう。たとえ大手企業の株価が下落して減益になってもそれはそれだが、その陰でクビを切られるひとびとがいて、発注を打ち切られ、減益どころか大赤字に陥る下請けがいることも忘れてはならない。

 ところで、近ごろ人気があるというFXなる合法博打。わずかな証拠金さえ積めば参加できるこのギャンブルを“一般投資家”という名の庶民にやらせるという発想にゾっとさせられる。こんな実態のない賭金を元に博打を打つなど気がふれている(証拠金など、借金して博打をするのと同じ)。自らはなんら生産活動ができず、チップの動きのなかでしか社会に参加できないそんな“プロ”の世界だ。そんなモノに社会人としての喜びがあるのかどうか……などという心配は大きなお世話というものかもしれないが。

 働いてカネを得る。地道な積み上げで儲ける。自分を活かす道を知る。そして足を据えて社会に参加するということを、少なくとも自分自身は見失いたくないものだとしみじみ思う。


■献金の清濁
 話は変わって、自民党と民主党の議員がマルチ商法組織から献金を受けていただの、マルチ業界を支援していただのという騒ぎになっている。議員らについての所感はここでは言及しないが、いわゆるネットワークビジネスというものは、まだしもマネーゲームよりは健全なのではないかという気もする。たしかに商法については疑問はあるし、多数のトラブルが実際に起きているという実態もある。が、彼らには形になった商品の流通があり、そこに消費者がいる。この場合は、消費者もまた販売に組み込まれてゆく場合があるわけだが、ねずみ講と異なり実体のある商品を売ることによって現金が動くということに変わりはない。マルチの類似品としてのねずみ講を挙げたけれど、ねずみ講が実体のないカネだけを動かす集金システムということでは、マネーゲームというのはむしろこちらに近くはないだろうか。生産と流通、そして消費のある“ビジネス”のほうが、チップ遊びよりはよほど健全にみえるということである。

 この騒ぎは発覚以来拡大し続けており、マルチ業界からの献金を受けた議員が相当数にのぼる可能性すら出てきた。彼ら議員のなかには、業界からカネを得る見返りとして(?)業界の擁護を繰り返してきた実績がある。
「連鎖販売取引(マルチ商法)イコール悪という考え方を転換して、このさい日本の次代の産業を支えるいわゆるベンチャービジネスのひとつ、新産業として認知」すべしと衆議院商工委員会で発言したのは自民党の野田聖子消費者担当相だが、発言の背景に業界からの献金があるというのは、ごく自然の見方というものであろう(また、ここでの確認はしていないが、こうした“著名人・権威者”の賛同が業界で勧誘等に利用されるというのはよくある話だ)。こうした例に対しては、過去には受託収賄罪に問われた事件もあるぐらいで、ことの次第によってはそれなりの事件に発展するかもしれない。

 だが、あえてひとこと記せば、マルチ業界を目くらましにさせないように気をつける必要がある。すなわち、表面上はうさん臭くもなんともない“一流企業”からの献金が立派にまかり通っており、そうした業界が過度の庇護を受けていることにも目を向けなければならないということである。
 仮に暴力団から献金を受けていたとすればいうまでもなく大事件だが、いかに問題を抱えているとはいえマルチ商法そのものは違法ではない。これが問題とされるのは、商売スタイル上の特性から消費者が実際の消費以上の負担を強いられる場合が考えられることや現実に悪徳業者がいること、参加者の欲を誘って法外な利益がさも約束されたかのような勧誘がまかり通っていることなどによる。また、関連して人間関係にヒビが入ったりということもよく耳にする。ちなみに、本場・アメリカ合州国では、彼らネットワーカーは「ドロボウと同じ」にみられているという話も聞いた(一方では会員外の家庭が一般的な消費材として使っている例もみた)。いずれにしても問題とするだけの実績はあるということである(業者によって強弱はあろうけれども)。

 しかし、同じく労使間で激しいトラブルが頻発しているわが国の“一流企業”たちと一部政党との癒着ぶりはどうか。キヤノンにおける違法的雇用の問題、あるいはトヨタで指摘されている奴隷的雇用の問題はどうか。キヤノンの御手洗冨士夫会長などは、一企業人としての枠を超えて政治の世界でも実権を握ってきた。現在は、消費税率の増税とセットで法人税率を下げる(すでに下がっているものをさらに、だ!)という自らの野望を実現するために、自民党に対する莫大な献金と自社はもとより経団連会員企業に対しても働きかけている。ようは見返りを期待したカネであり、受取る側の自民はスポンサーどおりの筋書きを描いてゆく(しかもそのカネたるや、違法的雇用によって二足三文で使い捨てされてきた労働者からの搾取なのである)。われわれ一般庶民にとっては害悪以外のなにものでもない。
 はたしてマルチ業界からの献金と一流企業からの献金との間にどれだけの差があるというのか? 方や“怪し気”であり、方や表向きは“立派”だという、極論すればそのていどの違いしかないのではないか。しかも、マルチにおけるトラブルの背景の一部には、被害を受けたとされる側にもそれなりの期待と欲とがあるのに対して、たとえばキヤノンにおけるトラブルというのは、これがなければ生活できないというひとびとから強権的に搾取したものである。そんなカネをもらって手心を加える。ともに汚らわしいシロモノであることに違いはないではないか。

 いみじくも問題として持ち上がった献金である。コトが矮小化せずに追求されることを望みたい。



*補足:
 そんなわけで、個人的にはキヤノンの製品の不買を実行している。以前に購入した銀塩カメラとその周辺パーツは同社製品だけれども、デジタル化して以降ほとんど出番がないというのが皮肉である。

*おまけ:
 さきごろ、いわゆる“振り込め詐欺”被害対策として、警察庁によるATMにおける一斉警戒が実施された(現在もキャンペーンは続行中)。報道によれば、効果が認められている一方で、いまだ相当数の“被害”が報告されているという。なかには警察官や銀行員に声をかけられたにも関わらずカネを振り込んだ“被害者”もいるらしく、なにをかいわんやというところだけれど、これだけ騒ぎと報道とが続いていて、かつ個別の保護がありながらも被害に遭うという実態をみていたら、「なるほど、これで自民党が力を持ち続けている理由がわかった」と思いMASITA。
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